PR 公開日 2025/07/07 06:30

BenQのAI搭載4Kプロジェクター「W4100i」「W2720i」で専用室/リビングシアター体験を格上げ

「ダイナミック・トーン・マッピング」「アンビエントライト」の効果も徹底レビュー

世界のDLPプロジェクター市場で圧倒的なシェアを誇るBenQ(ベンキュー)。ホームシアター向け製品が充実しており、国内で存在感を高めている。その同社が今夏、“世界初のAI搭載4Kプロジェクター” のコンセプトのもと、新世代の4Kプロジェクターと呼べる2モデルを投入。それが本格的なホームシアター向けの「W4100i」と、リビング・カジュアルシアターをカバーする「W2720i」だ。

近年はコンパクトで手軽に扱える「スマートプロジェクター」や、ゲーム用途に特化して機能やデザインを最適化した「ゲーミングプロジェクター」などが人気だ。しかし今再び、オーディオ・ビジュアルにフォーカスした意欲的な4Kプロジェクターの投入は、ファンとして歓迎したい。

本稿では、そんなオーディオ・ビジュアルファンが注目すべきW4100iとW2720の魅力を深掘りすべく、機能や技術紹介に加え、画質レビューを実施。両機の設計を主導したBenQ本社エンジニアであるEric氏にも立ち合いいただき、細部まで徹底的にチェックを行った。

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BenQ本社からエンジニアのEric氏が来日。共に画質を確認することができた

独自技術「HDR-PRO™」テクノロジーの搭載でコントラストを最適化

「W4100i」 オープン価格(税込市場予想価格519,000円前後)

ハイエンドモデルとなるW4100iは、一般的なスマートプロジェクターよりも大型な0.65型 DMDデバイスを採用し、4LED光源を導入。色域はDCI-P3 100%/Rec.709 100%のカバー率を誇り、3,200ルーメン(ANSI)の明るさを備えている。HDRフォーマットはHDR10/HLGに加え、HDR10+と幅広く対応しており、「FILMMAKER MODE」も備えている。

W4100iのレンズ部。1.3倍ズームに対応する

画質関連の機能としては、画面の明るさが限られるプロジェクターでも、HDR素材のダイナミックな表現に近づく独自の「HDR-PRO™」テクノロジーを搭載。4LED光源のハードウェア制御とソフトウェア制御を統合することで、映像全体の明暗バランスを最適化する「グローバルコントラストエンハンサー(GCE)」をはじめ、シーン内の細部に合わせてコントラストを調整する「ローカルコントラストエンハンサー(LCE)」、暗部情報を引き立たせる「Dynamic Black」の機能が使用できる。

映像シーンを細部まで解析し、最適なコントラスト調整が可能な「ローカルコントラストエンハンサー」

トーンマッピングの最適化、フレーム毎に画面全体および局部のヒストグラムを分析してコントラストの最適化など、複数の高度な技術が含まれており、特に、高圧縮によるノイズやディテールの喪失が気になりがちな配信コンテンツの画質向上を目的とした「AIシネマ/HDR AIシネマ」モードも時流に乗った機能と言える。

「AIシネマ」モードを採用しており、フレームごとに最適な画質調整を自動で行ってくれる

「ダイナミック・トーン・マッピング」の初搭載でHDR表現をブラッシュアップ

特筆すべきはベンキュー初となる「ダイナミック・トーン・マッピング」機能の搭載。HDR10コンテンツでは最大輝度をMAX CLLとして記録できるが、同機能は実際にフレーム毎に映像を解析してトーンマッピングを最適化するもの。白飛びのないHDR映像の再現を可能としている。

機能面では、Android TVドングルを同梱、Dolby Atmos対応のスピーカーシステム内蔵、そして画質を損なわず設置性を高める垂直方向0 – 60%/水平方向 ±15%のレンズシフト機能も搭載する。また、工場出荷時に1台ずつキャリブレーションされ、レポートが添付されていることも頼もしい。

垂直方向0 - 60%、水平方向±15%の手動によるレンズシフトに対応している
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レンズ上部にフォーカスとズームの調整ができるレバー、併せて上下左右へのシフト調整が可能なノブを設置している

「ダイナミック・トーン・マッピング」で白飛びが解消され、全体の明るさも一貫して適度

まず「ダイナミック・トーン・マッピング」機能の効果を検証。複数のnit数を確認できるHDRフォーマットが収録されたソフト『Spears & Munsil Ultra HD ベンチマーク(2023)』(4K UHD BD)を視聴した。

雪景色で画面全体が白に近いシーンは、1,000nits設定でも「ダイナミック・トーン・マッピング」がオフだと明部の諧調が失われることで白飛びが発生し、画柄がわからなくなってしまうようなシーンなのだが、機能を「オン」にすると白飛びが解消され、雪原であることがしっかりと判別でき、情報量の増加で映像体験がリッチになる。

「Dynamic Tone Mapping」の調整項目は「Cinema Master」に設置されている

雪のシーンでは「Dynamic Tone Mapping」がオフの場合、雪の白さが全て飛んでしまって映像の詳細がわからない状態になってしまう

「Dynamic Tone Mapping」をオンにすると、白飛びしていた映像が解消され、馬の手前から背景まで詳細が確認できるようになった

この際、映像全体の輝度が大きく変化しない巧みさにも感心。因みに従来モデルでは、このような場合「HDR輝度」のような項目を手動調整できたが、簡単さと的確さの両面において本機能が大変有用であると感じられた。

次に、4,000nits級で白飛びしがちな映画『ハドソン川の奇跡』(4K UHD BD)を視聴してみると、明るいシーン、暗いシーンの両方で「ダイナミック・トーン・マッピング」による効果が発揮され、しかも全体を通じて適度な明るさで一貫して鑑賞できるのは非常に好ましかった。

スキントーンの表現が的確で透明感まで忠実に再現するほどに優秀

総合的な画質力は映画『マリアンヌ』(4K UHD BD)でチェック。夜間の空襲シーンは建物の壁面も見通し良く再現、ジャケットの柔らかさや質感も違和感なく描写する。ネイティブコントラストの高さ、グレースケールトラッキングの正確さ、トーンマッピングの的確さが確認できた。

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HDRフォーマットの映像が入力された場合は、「ピクチャーモード」をHDR AIシネマ/HDR10/フィルムメーカーモードから選べる
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HDR10+フォーマットが入力された際は、「ピクチャーモード」もHDR10+に固定される

特に優秀と感じたのは、人の表情の色。暗いシーンで影になる部分も緑被りのような現象は見られず、また、明るいシーンではスキントーンが人物毎に的確で透明感までも感じられるほど。映画を制作者の意図に忠実に再現するのがベンキューの狙いだが、ナチュラルかつ映画の雰囲気が濃いトーンは本物だ。

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「グローバルコントラストエンハンサー」や「ローカルコントラストエンハンサー」は、低/中/高/オフから選択可能
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詳細設定から色域幅を調整できる「広色域」はオフ/オフを選択できる

次ページミドルクラス「W2720i」の画質を徹底レビュー

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