スタンド一体型4Kプロジェクター「Dangbei MP1 Max」レビュー。新世代レーザー技術で魅せる映像美を堪能!

VODサービスに対応するスマートプロジェクターやバッテリー搭載のモバイルプロジェクター、かつて新たなスタイルとして提案されたモデルが、現在のプロジェクター市場では主流となっている。その市場の中心にいるのは、トレンドを主導した新時代のブランドたちだ。
Dangbeiは、そんな新時代のトップブランドのひとつ。2013年に中国でDangbeiが設立、2019年にプロジェクター市場参入、2023年に国内で展開された新しいブランドだが、またたく間に中国市場で出荷数上位の地位を固め、グローバルで評価を高め続けている。
Google TV搭載4Kレーザー機の世界初投入、AI画像調整技術によるオートフォーカスや台形補正等の精度&速度向上など、取り組みや技術の先進性で業界をリード。加えて色調整などのいわゆる画作り、感性やノウハウが求められる部分の伸びも著しいブランドだ。
その勢いは衰えず2025年も、コンパクトプロジェクター「Dangbei N2 mini」、モバイルプロジェクター「Dangbei Freedo」、4Kプロジェクター「Dangbei MP1 Max」を順次投入。そして全モデルがオーディオ・ビジュアルの総合アワード「VGP2025 SUMMER」にて優秀賞を獲得するに至った。
本稿では、ハイエンドモデルであるDangbei MP1 Maxのレビューを中心に、「VGP2025 SUMMER」の受賞モデルである最新3モデルの魅了を紹介していこう。

新世代プロジェクターのフラグシップモデルとしてあるべき姿を体現できるDangbei MP1 Max

Dangbei MP1 Maxは、次世代のトリプルレーザー技術「QuaLasレーザー」+LEDというハイブリッド光源を搭載し、明るさ3,100ルーメン(ISO)、色域BT.2020のカバー率110%を叶えるなど、本格シアタークラスの4K/HDR映像を実現している。HDRフォーマットは、HDR10だけでなくHDR10+にも対応する。


同社初のジンバル一体型・4Kプロジェクターであり、垂直135°/水平360°回転が可能で、従来モデルでは成し得なかった設置の自由度を現実のものとしており、通常の壁投写だけでなく、天井などにも投写できる。

Dangbei MP1 Maxでは、さらに設置性を向上させるために「InstanPro AI画像調整技術」を導入。オートフォーカス/自動台形補正/スクリーンフィット/障害物回避/リアルタイム台形補正/アイ・プロテクションなどが使用でき、自動調整関連は速度も精度も非常に高い。プロジェクターを置いてジンバルで角度を調整、映像を映してすぐに自動調整され準備完了というスムーズな使い勝手が実現されているのだ。



内蔵スピーカーの再生能力も十分に確保されており、別途スピーカーシステムの設置も必要ない。また、Doby Audioの音声フォーマットに対応するほか、バーチャル3Dオーディオ技術「DTS Virtual:X」でも再生可能であり、臨場感溢れるサウンドも備える。
そしてGoogle TV採用によって、YouTubeやPrime Video、NetflixなどのVODサービスが楽しめるだけでなく、Googleアシスタントによる音声コントロールもフォローしているため、リモコンのマイクを使用した操作にも対応する。



VGP2025 SUMMERでは、クオリティ軸の評価に重きを置く映像音響部会にて「企画賞」と「プロジェクター(25万円以上30万円未満)」部門で受賞、幅広い魅力を評価するライフスタイル分科会にて「スマートプロジェクター(25万円以上30万円未満)」部門で受賞している。プロも納得の映像美と日々を彩る提案性を兼ね備えていることの証明であり、新世代プロジェクターのフラグシップモデルとしてあるべき姿を体現できるのが、Dangbei MP1 Maxだ。
映画/ドラマでは背景の立体感が豊かで、暗部のシーンで表情の機微を表現できる

実際に映像を視聴してみよう。映画『シティーハンター』(Netflix)、地下空間での銃撃戦のシーンでは、4K/HDR作品らしい解像感と陰影コントラストがしっかりと再現され、空間の奥行が際立つ。背景の立体感が豊かであるおかげで、その前面での人物の存在感や動きがよりくっきりと浮かび上がることも、アクション作品においては特に嬉しい。
色合いの表現は画像モード「映画HDR」が最も自然と感じた。肌色が肌色らしいのは当然、いかにもフィクション的な毒々しい緑色の薬液もその蛍光感も強めすぎず、不自然すぎない表現に留められる。

次にドラマ『地面師たち』(Netflix)の地下室での会話シーンでは、人物の位置関係と力関係を反映し、老人の背後から光が当てられていてその顔周りが常に暗いのがこの場面のポイント。その暗さの中でも深い皺の陰影や表情の機微を表現できるのがHDR作品の強みだが、本機はそこも見事に再現してくれる。
派手なアクションだけでなく、ダークで重苦しい雰囲気もお任せあれというわけだ。色合い的にはこちらも「映画HDR」が妥当かと思うが、「標準HDR」で蛍光灯の光の青白さ、冷たさを強調するのもこの作品的にはあり。
