iBassoからリミテッドDAP「DX340MAX」登場!通常ラインナップ3モデルとあわせて一斉試聴
ポータブルなデジタルオーディオプレーヤー(DAP)のメーカーの中でも、特に豊富なラインナップを展開するブランドの1つがiBasso Audio(iBasso)。
より良いポータブルオーディオ環境に興味を持ち始めた人に最適な、音質と携帯性のバランスが取れた10万円を切るモデルから、携帯できる範疇で最高の音質を追い求める人に向けた30万円近くのハイエンドモデルまで、複数の選択肢を提示。そしてそのいずれにも、持ち前の技術力を活かしたユニークなDAC設計を盛り込んでいることが魅力のひとつだ。
そのiBassoの代名詞と言えるのが、フラグシップモデルをベースに数量限定で生産される“MAXシリーズ”。数量限定だからこそ実現できる徹底的な物量と作り込みで、その時点で最高の音質を追求するコスト度外視のリミテッドモデルとなっている。
今年7月24日、MAXシリーズの最新モデル「DX340MAX」が国内発売される。そこで本稿では、評論家の野村ケンジ氏による現行モデル「DX180」「DX260MK2」「DX270」、そしてDX340MAXの4機種一斉レビューをお届け。最も手に取りやすいエントリーモデルから、音質をとことん突き詰めたリミテッドモデルにいたるまで、iBassoの魅力をあらためて紹介しよう。
DX180
幅広いラインナップを有するiBasso製DAPのなかで、入門機やセカンドモデルとしての役割を担っているのが「DX180」。
幅75mm、縦123mm、厚さ16mmという他ブランド製のエントリーDAPとは異なる、コンパクトながらも本格派といえるボディサイズを確保。5.0型のフルHDタッチパネルやAndroid 13の採用、この価格帯の製品としては珍しいプッシュ式大型ダイヤルによる操作系などとも相まって、扱い易いさに秀でた製品となっている。
Wi-Fiを経由したストリーミング/ネットワーク再生が可能で、USB DAC機能やBluetoothレシーバー機能など、幅広い機能性を持ち合わせている点も嬉しい。
とはいえ、iBasso製DAPの真骨頂といえば音質へのこだわりだろう。まず、Android特有のハイレゾ再生制限はシステムレベルで回避しており、自社製の音楽再生アプリ「Mango Player」はもちろん、QobuzやAmazon Musicなどストリーミング配信系のアプリでも最大PCM 768kHz/32bit、DSD512(22.4MHz)のハイレゾ再生が可能となっている。
さらに驚くのは、エントリーを謳う製品でありながらシーラス・ロジック「CS43131」DACチップ4基によるクアッドDAC構成を採用。さらに、独自開発のデジタル信号制御技術「FPGA-Master 2.0」を組み合わせて、クラス越えの良音質とサウンドカスタマイズ機能を実現している。
なかでも、各DACチップの個体差をクロックずらしによって平均化、歪みを大幅低減し信号の滑らかさを確保する「FIR 2X」モードは大いに興味がそそられる。また、DACチップ内蔵のデジタルフィルター(5タイプ)を切り替えられるのも嬉しい。
さて、肝心のサウンドはいかがなものだろう。総じていえば、エッジのハッキリしたクリアネスなサウンドキャラクターが特徴。良好なSN感を持つが、パワフルで活き活きとしたiBassoならではの表現が魅力的だ。また、高域の伸びがよく、ピアノの音色がとても自然に感じられる。女性ボーカルはニュートラルな歌声でいて僅かにハスキー、大人っぽい表現が魅力的に感じられる。
なお、クラシックや女性ボーカルなどアコースティックな演奏は「FIR 2X」モードがベストに感じられたが、ポップスなどメリハリのハッキリした現代曲は「Normal」モードの方が相性よい場合がある。このあたりは、好みに合わせてチョイスしてほしい。
組み合わせる製品はイヤホンがメインと感じたが、ヘッドホンもしっかりと鳴らしきってくれる駆動力の高さも持ち合わせていた。この価格帯としては優秀な製品といえる。
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DX260MK2
「DX260MK2」は、iBasso製DAPのなかでミドルクラスに位置するモデル。初代「DX260」から “MK2” へ改良進化されるにあたり、SoCや内蔵ストレージ容量、Androidバージョンなどがアップデートされている。
OSはAndroid特有のハイレゾ再生制限をシステムレベルで回避したAndroid 13に加え、Linuxベースのオリジナルシステム「Mango OS」も搭載していて、こちらに切り替えることで更なる良音質を楽しむことができるようになっている。
ボディサイズは幅74.5mm、縦123mm、厚さ17.5mm。重量は229gと、DX180とほぼ同じ。扱い易く操作しやすい絶妙なサイズといえる。もちろん、プッシュ式大型ダイヤルによる操作系なども変わらない。
音質の要となるDACは、シーラス・ロジック「CS43198」をなんと8基も搭載。Octa DAC構成に、独自のデジタル信号制御技術「FPGA-Master 2.0」を組み合わせることで、更なる高音質が追求されている。
ちなみに、各DACチップのクロックずらしによって個体差を平均化するFIR Xモードは、DX180よりも多い「FIR 2X」「FIR 4X」2タイプが設定されている。加えて、DACチップ内蔵のデジタルフィルター(5タイプ)も利用できる。ちなみに、ハイ/ロー/ミドルの3タイプ用意されているゲイン切替に加え、「クラスAB」「クラスH」というアンプモードの切替があるのもユニークだ。
そのサウンドは、圧倒的なダイレクト感とリアルさが特徴。歪みがなく、細やかなニュアンスまでしっかり伝わってくることに加え、距離感の近い音場定位とメリハリよい抑揚表現のおかげで、臨場感溢れるサウンドが堪能できる。メリハリがよいのにもかかわらず、高域が鋭すぎない、聴き心地のよさを持ち合わせているのも嬉しい。おかげで、女性ボーカルはより情緒的な表現に思えるし、クラシックや劇伴などは定位感や音場的な広がりがしっかりと感じられて楽しい。
「Mango OS」に切り替えると、SN感がさらに高まる一段とピュアなサウンドが実現。ハイレゾ音源をとことん楽しむにはこちらだろう。ストリーミング配信アプリなどは動作しないが、このピュアな音色は不便さを補う魅力を持ち合わせている。また、イヤホンだけでなくヘッドホンも音質面ではこちらをオススメしたい。
DAPとしての質の高さとiBasso製品ならではの魅力を併せ持つ、絶妙な製品だと思う。
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