VGPアワードで4冠達成! アンカー「Nebula X1」高評価のワケに審査員・鴻池賢三が迫る
アンカーが切り拓いたと言っても過言ではない新しい製品ジャンル「スマートプロジェクター」。コンパクトボディーにWi-Fi対応の配信コンテンツ再生機能を搭載し、その利便性がユーザーの高い支持を獲得。今ではプロジェクターのメインストリームとなってユーザー層も拡大中。製品においては新興ブランドのみならず老舗ブランドも追随するほど盛り上がりを見せている。

VGP2025 SUMMERでは、このスマートプロジェクターカテゴリーでの競争がより一層激化したが、その中でも頭一つ抜きんでた存在感を放ったのが、「Nebula X1」だ。最新の3色レーザー光源を採用して圧倒的な高輝度と広色域を実現。オールガラスレンズ採用やISF認証など画質面でのこだわりも一級品。さらにワイヤレススピーカーシステムによるホームシアター級のサウンド体験は、ホームエンターテインメントの新時代を予感させるもの。
コンセプト、先進技術、そして実力が認められ、映像音響部門にて「金賞」と「特別大賞」を、ライフスタイル分科会では「金賞」に加え「ホームビジュアル大賞」と4冠に輝いた。
映像音響部会「金賞」「特別大賞」。3,500ANSIルーメンの圧倒的明るさ


画質面では映像の圧倒的な明るさが画期的。パワフルな3色レーザー光源の採用により、クラス最高峰3,500ANSIルーメンもの最大輝度とHDR映像時代の超広色域規格Re.2020比110%を両立。独自開発の「U型レーザー光学エンジン」により小型化も両立している。

投写に関する光学系は14枚のレンズで構成されるがオールガラスレンズという豪華さもクラス随一。巧みな設計で画面の隅々までフォーカスと輝度均一性を高め、透過性の高さと内部乱反射の抑制で高コントラストを実現。
ネイティブコントラスト5000:1のスペックは他に類を見ない。6枚羽の本格的な機械式絞り機構を備え、ダイナミックコントラスト56,000:1に達する。


スペックや能書きだけでなく、第三者であるISF認証を得ていることから実力の高さも推し測れる。ISFは映像の世界的権威で映像装置に対し認証プログラムを実施。ISFのメソッドに沿った映像キャリブレーションを備えるほか、色の再現精度と均一性、輝度均一性などの面で信頼の証となる。
因みに色精度ΔE≦0.8のスペックはポストプロダクションのカラーグレーディング工程でも通用する水準で、コンテンツ制作者が意図した表現を忠実に受け取りたいなら、本機は近道となるだろう。

LS分科会「金賞」「ホームビジュアル大賞」。4.1.2chのサウンドシステム


高品位で迫力のある映像には相応のサウンドシステムを組み合わせたい。プロジェクター環境ではサウンドがおろそかになりがちだが、Nebula X1はワイヤレススピーカー2個をバンドルし、4.1.2ch、総合出力200Wのイマーシブサラウンドサウンドがついてくる。

難解な接続や設定を必要とせず実にスマート。フロント左右のスピーカーは4つのドライバーを備え、音声の前方成分、リア成分、上方成分を放射。プロジェクターに内蔵のスピーカーがサブウーファーとして働く画期的なシステムだ。
ワイヤレス接続は広帯域なWi-Fi利用で音質を損なわないロスレス方式を採用。映像に対する遅延時間も25ms(0.025秒)以下と、人間が気が付かないとされる水準に抑えるなど、安心してコンテンツに没入できる。

“内蔵ジンバル”とAI技術で、設置から投写まで楽々
プロジェクターのスペックの基本と言えるスローレシオは0.9:1〜1.5:1。100インチの画面サイズを得るには最短2mの投写距離で済む短焦点設計。電動ズームで可変幅が広いので、設置の自由度が高い。
内蔵ジンバルと呼ぶ機能は、前方のレンズが仰角最大25度動く光学シフトでこれも画期的。全てが電動で、フォーカスと台形補正のみならず、スクリーンフィットや障害物回避も自動で行ってくれる。
内部冷却が液冷方式なのも画期的で約26dBもの低騒音を実現し、視聴者の近くに設置しても騒音を感じない。


