ゼンハイザー「ACCENTUM Clip」は『らしさ』全開の実力機!同社初イヤーカフ型イヤホンを徹底レビュー
近年、耳をふさがない “ながら聴き” ができるオープン型のイヤホンが急速にシェアを拡大している。その中でも特に注目が高まっているのが、各社からの投入が相次いでいるイヤーカフ(クリップ)型モデルだ。
そして今回、ドイツの名門・ゼンハイザーからもブランド初となるイヤーカフ型モデル「ACCENTUM Clip」が登場。その新たなフォームファクターに、ゼンハイザーはどう挑んだのか。
掲げるコンセプトは「いつもの日常に、譲れない音質を」ということで、この時点で “イヤーカフ型で妥協なし” の気合いが漂う。以下より、詳しくレビューしていこう。
なお、先に結論だけ言うと、まさに “イヤーカフ型でゼンハイザーらしさを感じられるクオリティ” の1台だった。

ACCENTUM Clip 販売ページ
Amazon 楽天 ゼンハイザー公式ストア“イヤーカフ型で妥協なし” のLDAC対応
まずは、イヤホンとしての基本スペックをチェック。上述の通り、本機はイヤーカフ型のオープンイヤホンで、カラーはクリームとブラックの2色をラインナップする。
Bluetoothのバージョンは6.0に準拠し、コーデックはSBC/AACのほか、高音質コーデックのLDACにも対応している。
イヤーカフ型の場合、「オープン型ゆえに音質はそこそこで良い」とカジュアル方向に振る考え方もあり、LDACまでサポートするか否かは製品ごとに対応が分かれるところ。
そんな中でACCENTUM Clipは、音へのこだわりを標榜するゼンハイザーのハイスペック機のひとつとして、しっかり対応してきたわけだ。
なお、そもそもゼンハイザーのイヤホンでLDACをサポートするのは、本機が初めてだったりする。ここでメーカー初のLDAC対応を実施してくるあたりにも、“イヤーカフ型で妥協なし” の姿勢が垣間見える。
さらにイヤホン単体で最大約9時間、ケース併用で最大約38時間のロングバッテリーを誇り、イヤホン本体にはIP54の防滴防塵仕様も装備。
イヤーカフ型イヤホンとして、音楽再生だけでなく、ワークアウトやビジネスなど幅広い生活シーンで使いやすい利便性が担保された1台と言えよう。
大口径12mmドライバー搭載+快適な装着感
さて、イヤーカフ型イヤホンにおける最大の構造的弱点といえば、やはり “低域不足” が挙げられる。これはもうオープン型全般に言えることで、密閉性がない構造なのでどうしても音が抜けて軽いサウンドになりやすい。
そこでACCENTUM Clipは、この “低域不足” という課題に真正面から取り組んだ。
ゼンハイザーがこれまで開発してきたイヤホンのドライバーは、7mm口径のダイナミックユニットを採用することが多かったが、本機には12mm口径という大型のダイナミックドライバーが搭載されている。
LDACに対応する=サウンドに注力するイヤホンとして、大口径ドライバーによる豊かな低域再現を最優先にしたというわけだ。
一方で、大型ドライバーを搭載するとなれば、筐体の大型化がトレードオフ。実際にACCENTUM Clipを手にとってみると、昨今スリムさを前面に押し出したイヤーカフ型も増える中、ややぽってりとコロコロしたサイズ感であることに気づく。
しかし、これが装着してみると実に見事な設計。片側わずか6.8gという軽量性と、人間工学に基づいた絶妙な装着感のおかげで、耳に負担がかかったり疲れたりする感覚が全くなく、非常に軽快な着け心地だ。
太めのブリッジが耳の側面に優しく添い、しっかりとホールドしてくれるため、動いてもズレにくく安定感がある。
もちろん装着性には個人差があるため、あくまでも筆者個人の使い心地ではあるが、音の出るスピーカー部分をスイートスポットにしっくり固定しやすいのも良かった。
形状や装着性がシビアなイヤーカフ型において、特に “音の良さ” を売りにするモデルの場合、ポジショニングのしやすさはその実力を享受するために重要なポイント。
この辺りも含め、トータルでゼンハイザーのサウンドを存分に楽しむための設計になっていることを実感する。

