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PR「ダイナミック・トーン・マッピング」「アンビエントライト」の効果も徹底レビュー

BenQのAI搭載4Kプロジェクター「W4100i」「W2720i」で専用室/リビングシアター体験を格上げ

公開日 2025/07/07 06:30 鴻池賢三
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「自動調光機能」で明るい室内でも最適な画質に調整

「W2720i」 オープン価格(税込市場予想価格349,000円前後)

レンズのセンター配置でシアター向けらしい雰囲気をもつミドルクラスのW2720iは、0.47型のDMDデバイスと4LED光源を搭載し、色域はDCI-P3 90%/Rec.709 98%のカバー率と2,500ルーメン(ANSI)の明るさを実現する。対応するHDRフォーマットもHDR10+/HDR10/HLG、そして「FILMMAKER MODE」も設けている。また、W4100iと同様に「HDR-PRO™」テクノロジーも搭載する。

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「W2720i」のレンズ部。W4100iと同様に1.3倍ズームに対応している
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W272i0もレンズ上部にズーム/フォーカスの調整機構を装備。上下±5%のレンズシフトを備えている

機能面では、環境光を検知して映像を最適化する「自動調光機能」が特徴。センサーで部屋の明るさを検知するだけでなく、レンズ横に搭載するTOF距離センサーとカメラにより、投写サイズやスクリーンゲインも含めて実際の映像の明るさを考慮して映像を最適化する。その効用についてはレビュー部分で記述するが、システムとしてとても高度な仕上がりだ。

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プロジェクターのフロント部にはセンサーカメラが搭載されており、投写映像からの距離や映像の明るさを認識している
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プロジェクターの天面部には部屋の明るさを検知するセンサーが設置されている

設置性を高める機能として、スクリーンに合わせて映像のサイズと形を自動調整するスクリーンフィット機能も搭載。ホームシアター向けの製品ながら、スマートプロジェクターで好評な機能を融合させた意欲的なモデルと言える。Android TVドングルの同梱、Dolby Atmos対応のスピーカーシステム内蔵、工場出荷時キャリブレーションなどは、W4100iと同様だ。

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Android TVドングルを同梱しており、多数のVODサービスを本機1台で再生することができる
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工場出荷時に1台ごとにキャリブレーションを実施した証として、キャリブレーションレポートを同梱

明室でも「自動調光機能」機能で人肌から風景まで“暗室で見る美しさ”に近付ける

映像の確認は、本機の特徴と言える「自動調光機能」が働く「HDR AIシネマ」モードで実施した。W4100iも搭載する「AIシネマ/HDR AIシネマ」モードの特徴は、映像の中のオブジェクトを検知すること。単に映画、ニュース、スポーツのような大まかなジャンルを判定し、それらに適すると思われる画一的なプリセットモードを適用するのではなく、シーン毎に内容を把握し、それぞれのオブジェクトに対して調整を施すという高度なもので注目に値する。

AIシネマモードは、搭載されているカメラやセンサーを用いて視聴環境などを検知して設定することができる
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HDRフォーマットの映像が入力された場合は、HDR AIシネマ/HDR10/フィルムメーカーモード、SDRフォーマットが入力された場合はAIシネマ/高輝度/フィルムメーカーモード/シネマ/ユーザーの「ピクチャーモード」を用意

視聴はYouTube『Bulgaria 8K HDR 60P』で実施。巻雲が浮かぶ青空を背景に気球が浮かぶシーンは、暗室状態では空の青さが印象的で雲の様子も立体的に感じられるが、照明をリビング程度の明るさに変えると、映像は相対的に暗く色も洗い流されてしまうのだが、ここで「自動調光機能」を使用すると、映像が明るくなってパワー感が増し、最明部にあたる雲のトーンマッピングが調整され、白飛びせずHDRらしい輝き感が得られる。空の青さも取り戻し「暗室で見る美しさ」に近づくのだ。

「自動調光機能」による効果を検証。暗室だと認識されて場合は空や雲の色味、気球の立体感などそのまま自然に映し出している

明室になった場合、明るさによって色抜けしてしまうため、空は青く、雲の白さを強め、気球も立体的に見えるようコントラストを強調して出力している

人物が3人登場するシーンは、明室でスキントーンが洗い流されてしまうところ、「自動調光機能」が働くと、肌に適度な赤味が乗って健康的で明るい表情を取り戻す。こうした色調補正が働きつつも、他の部分に不自然な変化が見られないのもポイントだ。AIによるオブジェクト判定と、ピンポイントでの効果的な補正が、実利に結びついていると感じた。ちなみにAI補正は、映像の輝度のほか、コントラスト/彩度/シャープネスなどが連動し、立体感の維持も確認できた。

人肌の再現では、暗環境では肌の質感や陰影、色味などナチュラルに再現する

明環境では、肌の色や明るさが低減してしまうため、肌を明るさを高め、色味も若干強めることで、暗環境での肌の質感に近付けている

専用室シアター向け「4100i」とリビングシアター向け「W2720i」、適切な画質と機能を兼備する

改めて両モデルを総括していこう。W4100iは欲を言えばセンターレンズのほうが “ホームシアターモデルらしさ” が際立つが、今回のデザインはコンパクト化を優先している証。0.65型のDMDをはじめ、大口径レンズの光学系を実現しながらも、設置しやすいサイズ感を成し得ている。

映像は暗部がネイティブコントラストの高さでしっかりと引き締まり諧調表現も豊か。新しく搭載された「ダイナミック・トーン・マッピング」によって明部諧調が維持され、4Kコンテンツが持つ情報量を多く引き出すという点では、高解像度にも寄与していると言って良いだろう。

W2720iは「自動調光機能」を含め、AIシネマモードがコンセプトと実用性の両面で秀逸。明かりの残るリビングでも、階調と色の両面でより多くの情報が再現できるなど、映像体験がリッチで4K/HDR時代にふさわしい体験ができるモデルだ。

暗室を前提とした専用室シアター向けのW4100iと、明るいリビングでの使用を想定したW2720i、ユーザー自身で視聴環境に適した1台を選ぶことで、ホームシアター体験を格上げすることができるだろう。

[SPEC]

「W4100i」
●投写形式:DLP ●投写デバイス:0.65型 DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ:手動1.3倍ズーム・フォーカスレンズ(F1.8 – 2.25mm)●光源:4LED ●明るさ:3,200ルーメン(ANSI) ●騒音:30dB ●内蔵スピーカー:5W ●主な入出力端子:HDMI×3基(eARC対応はうち1基)、USB Type-A入力×2基(メディア×1、電源供給×1)、USB Mini-B×1基、ステレオミニ出力×1基 ●ワイヤレス:Wi-Fi(5GHz/2.4GHz)●消費電力:330W ●外形寸法:420.5W×135.3H×312.1Dmm ●質量:6.1kg

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W4100iは側面部に操作ボタンを設置
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W4100iの背面端子部

「W2720i」
●投写形式:DLP ●投写デバイス:0.47型 DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ:手動1.3倍ズーム・フォーカスレンズ(F1.8 – 1.85mm) ●光源:4LED ●明るさ:2,500ルーメン(ANSI) ●騒音:28dB ●内蔵スピーカー:5W+5W ●主な入出力端子:HDMI×3基(eARC対応はうち1基)、USB Type-A入力×2基(メディア×1、電源供給×1)、USB Mini-B×1基、ステレオミニ出力×1基 ●ワイヤレス:Wi-Fi(5GHz/2.4GHz)●消費電力:241W ●外形寸法:420W×143H×305Dmm ●質量:6.4kg

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W2720iの側面部に設けられた操作ボタン
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W2720iの背面端子部
付属リモコン。W4100iとW2720iに同梱されているリモコンは同一

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「W2720i」予約販売特典、15%オフキャンペーン実施中

アンケートに回答後、4Kプロジェクター「W2720i」のAmazon販売ページと公式ページで使用できる15%オフのクーポンコードが発行されるキャンペーンを開催。クーポンの取得は7月9日、クーポンの使用は7月31日23:59まで。


(提供:ベンキュージャパン株式会社)

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