公開日 2022/01/17 06:30

インターコネクトにNCF革命!フルテックの新フラグシップケーブルの実力をチェック

【特別企画】信号系でNCFを初採用
電源系のオーディオ用端子やコンセント、周辺アクセサリー製品への採用で、絶大な反響を得ているフルテックの特殊素材「NCF」。遂に、信号系の端子周りへの新たな採用と製品化が開始されて、今般、RCAプラグ「CF-102 NCF(R)」が完成した。さらにこのプラグ単売とともに、完成品インターコネクトケーブルとしても発売されることになった。初起用されたのは、フラグシップ・インターコネクトケーブル。そのNCFで強化された「Lineflux NCF(RCA)」の表現力を、福田氏が従来モデルと比較レポートする。

NCF新型プラグを採用した、フルテックの最高峰RCAインターコネクトケーブル「Lineflux NCF(RCA)」225,170円(1.2mペア、税込)。「オーディオアクセサリー銘機賞2022」でグランプリを受賞

好評NCFを信号系端子に初採用(Text by福田雅光)
■NCFのRCAプラグを新開発、最高峰ケーブルに採用した

フルテックの最高級RCAインターコネクトケーブル「Lineflux(RCA)」がバージョンアップされ、「Lineflux NCF(RCA)」として新登場した。主な改良部分は、信号系の端子として初めてNCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)素材を導入した、新開発のRCAプラグの採用だ。ケーブル導体については旧モデルから継承されている。

待望の信号系へのNCF素材初投入となった、新開発RCAプラグ「CF-102 NCF(R)」。プラグ単売品としても販売され、21,120円(ペア、税込)

新旧モデルを比較試聴すると、大きな違いが発生していることに驚かされる。インターコネクトケーブルはケーブル部と端子部によって構成されているが、とかくケーブルの部分に注目されがちだ。しかし筆者が研究してきた経験では、ケーブルとプラグの影響力は50%ずつであると考えている。したがって、いかにプラグの性能が重要であることが分かる。

どのように優れたケーブルを開発しても、最終的にはプラグの性能でケーブルのクオリティは左右されている。ここは、絶対的に重要な部分である。現在市販されている製品では、ここが最適でないためにいまひとつ最高性能が発揮されていない高級ケーブルが、特にXLRケーブルには多い。

機器間の信号を伝達するケーブルは、適当な選択ではあまり感激は出てこない。筆者は、自宅で使うケーブルは厳選し機器の絶対値を追求する。それは高額ケーブルではなく、低価格でもその条件に適していれば使う。常識的な範囲で得られることも重視している。

世界トップ水準の製品開発力
■優秀で完成度が高く高信頼、予想を超える効果を発揮する

ところでフルテックは、高級ケーブルブランドだとはあまり思われていない。そもそも、電源コンセント、電源プラグ、IECコネクター、RCAプラグ、XLRバランスプラグ、Yラグ、バナナプラグなどの終端製品を積極的に開発してきた歴史があり、現在はこの分野で世界のトップメーカーである。ロジウムメッキの最高級製品、信頼性の高い品質を開発することで知られている。

これらのパーツに対するフルテックの認識と開発力、そして完成度の高さは世界のトップ水準に到達している。このことはたいへん重要だ。世界的にはこうしたメーカーの勢いが低下してしまっている一方、フルテックは常に音質性能を研究し続けている強みを持っている。

最近の製品開発の動向は、NCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)素材を導入して、SN比やクオリティを強化したパーツの製品化にある。今回は、NCFを採用した新製品と旧バージョンを比較試聴することができたため報告する。なおNCFは、ナノ粒子化したイオン化する特性の強い鉱物を樹脂とハイブリッド化したもので、2015年に開発された。フルテックではこれまでに最高級電源プラグ、IECコネクターの電極固定部、またケーブルインシュレーターや機器接続プラグ部を固定するNCF Boosterシリーズに採用して、予想を超える効果を見せている。

新開発RCAプラグ「CF-102 NCF(R)」のセンターピン部分。チューブ状のα(アルファ)OCCロジウムメッキのワンピース中心導体内部に、静電気対策としてフルテックの特殊素材「NCF」を注入

次ページ「Lineflux NCF(RCA)」の音質レポート

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