公開日 2015/08/21 15:15

名門モデル10代目の実力。デノンのHi-Fi直系ミニコンポ「D-M40」シリーズをレビュー

本格ヘッドホンアンプも搭載した意欲作
■10世代目となる名門コンポの最新モデルを聴く

オーディオメーカーの製品群の中でも、ワンパッケージでプレーヤー、アンプ、スピーカーが揃う“コンポ”は、販売台数も圧倒的なカテゴリー。そんな激戦ジャンルに登場したデノンの「D-M40」シリーズは、1997年に発売した「D-M7」から10世代を数える名門シリーズの最新モデルだ。

D-M40シリーズ。CDレシーバー「RCD-M40」:42,800円(税抜) スピーカーシステム「SC-M40」:17,800円(ペア/税抜)

製品の中心となるのはCDレシーバー「RCD-M40」。横幅210mm、奥行き309mmというコンパクトな筐体で、ハイレゾには対応しないスタンダードなCDコンポの系譜に属するが、デノンがHi-Fiコンポーネントで培ってきたシンプル&ストレート思想を徹底。基板上の電源レイアウトを太くし、信号ラインを左右対称の最短化。さらにはCDメカニズムにはHi-Fiコンポーネントに搭載された制振技術を投入し、低重心メカニズムとした。

「RCD-M40」に搭載された低重心ドライブメカ

出力30W×2のデジタルアンプは放熱のノイズの対策を徹底


「RCD-M40」の筐体内部

パワーアンプは30W×2の構成で、熱伝導率、電磁シールド効果の優れた材質を採用。放熱性とノイズ低減効果を向上させて高音質化を実現している。トランスを電源/アナログ/デジタル回路と分離させて干渉を排除する構造も、同社のオーディオコンポーネントの王道を行く。

■USBメモリー再生やワイドFMにも対応

「RCD-M40」の実機を前にしてみると、コンパクトな金属筐体のオーディオ然とした作りの良さに納得。さらに背面を見ると、スピーカー端子はバナナプラグ対応のスクリュータイプで金メッキ仕様。ここにもミニコンポらしからぬHi-Fi指向が伺える。もうひとつ、細かなポイントだが本機の電源ケーブルはメガネ型の着脱式だ。電源ケーブル交換によってさらに音質を高められることにも心くすぐられる。

「RCD-M40」の背面端子部

レシーバー部はCD再生に対応するのはもちろん、他にも多彩なソースが再生可能。FM/AMチューナーは今年秋に放送を開始するFM補完放送「ワイドFM」に対応。ワイドFMとは新たに割り当てられた90MHz〜95MHzの周波数帯域を使ってAM番組をサイマル放送するもので、マンションやビルなどAMラジオを試聴しづらい環境に対応できるのは心強い。

今どきのオーディオコンポとしてデジタル機器との接続性もしっかり確保されている。前面のUSB端子はiPhone/iPodのデジタル接続、さらにはUSBメモリーからの楽曲再生でFLAC、WAV、AACファイルの音源を再生できる(ただし、FLAC/WAVは48kHzまで)。光デジタル入力端子は2系統入力となったので、本機に薄型テレビやゲーム機を接続して活用したいと考えているユーザーにはさらに使いやすくなった。

スピーカーシステム「SC-M40」


「SC-M40」のトゥイーター部の構成

「SC-M40」のウーファー部の構成

コンビとして同時発売されるスピーカーシステム「SC-M40」も本格派だ(※CDレシーバーとスピーカーはそれぞれ別売でセット販売はない)。2.5cmのソフトドーム・トゥイーターと12cmのペーパーコーン・ウーファーを搭載した2ウェイ仕様のブックシェルフスピーカー。15mm厚のMDFを使用した作りは小振りながら、現代的なスピーカー設計としてトゥイーター部の振動板外周を支える構造の見直し、背面のバスレフダクトの構造で低音の量感とキレを両立させた構造となっている。再生周波数帯域は45Hz〜40kHzで、スペック上はハイレゾもカバーする。

次ページD-M40シリーズのサウンドを検証

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