公開日 2009/02/05 21:36

「BD/DAP課金の早期実現を」− 著作権利者団体が補償金制度の見直し訴え

ニコ動アンケートの結果も説明
Phile-web編集部
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映像制作事業者など私的録画補償金関係権利者団体で組織される「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」は、本日、都内で私的録音録画補償金制度に関する合同記者会見を実施。私的録音録画補償金制度の適正な見直しを改めて訴えた。

「はじめに文化ありき」という理念の下に活動を展開

会見の様子

今回の会見は、去る2月3日に文化庁がブルーレイの録画機とディスクを私的録音録画補償金の対象とするための著作権法施行令改正案を公表し、この改正案についてパブリックコメントの公募を開始したことを受けてのもの。

出席したのは、実演家著作隣接権センターの椎名和夫氏、日本音楽著作権協会(JASRAC)の菅原瑞夫氏、そして日本映画制作者協会の新藤次郎氏の3名。それぞれがこの問題の経緯と論点などについてコメントした。

会見は、椎名氏による私的録音録画補償金制度の見直しなどの経緯の説明からスタート。文化庁による補償金制度見直し論議、および総務省によるコピーワンスの見直し論議の経緯を振り返ることから始まった。

実演家著作隣接権センター 椎名和夫氏

椎名氏は席上で「2004年に文化庁によって設置された『私的録音録画補償金制度の見直しの検討』という会議で、我々権利者側としては“パソコンで音楽の録音などをするユーザーが増えてきている。そこをすくい取れていない現状の補償金制度を見直して欲しい”という問題定義をした」と、見直し論議の発端について説明。コピーワンスやダビング10などに触れながら、補償金制度の歴史について改めて語った。

また、2008年6月に総務省が補償金制度以外の方法でのクリエーターへの対価の還元にも言及したことについても「現在まで7ヶ月も経過しているが、何も進展がない」とコメント。その間に、権利者側として動画サイト「ニコニコ動画」の協力を得て、私的録音録画に関するユーザーの実態調査を行ったことなどを紹介し、その後「ブルーレイディスクの早期指定を求めます」「私的録音録画の実態に即した補償金制度の早期見直しを求めます」と題した宣言を発表した。

「ブルーレイディスクの早期指定を求めます」という宣言では、「ダビング10の移行過程で述べられた“クリエーターへの適正な対価の還元”とは、“私的録画から生じる果実が適正に権利者に還元されること”であります。ブルーレイディスクの現行制度による指定は、現行制度の枠内で当然行われるべき事が行われるに過ぎず、そのことで、権利者の考える“クリエーターへの適正な対価の還元”が実現されるものとは考えておりません」とコメント。

また、「もし万が一、今後発売されるアナログチューナー非搭載のDVDレコーダー等について、“制度の対象とはならないので協力義務は果たさない”というメーカーが現れた場合には、明確な法令違反として、法的措置も辞さない」とも述べ、全体的にかなり強い口調で今回の政令案の早期実現を求めた。

「私的録音録画の実態に即した補償金制度の早期見直しを求めます」宣言では、MDからのデバイス移行が進む中で録音補償金が激減する事態について言及。「録音については、著作権保護技術と補償の必要性に関するメーカーの主張においても補償の必要性が残る分野ですが、そうした主張でありながら、補償金制度の見直しに全く協力しようとしないメーカーの姿勢は、理解に苦しみます」と主張。

また、合法非合法を問わず「コピーされたコンテンツ」が世の中に溢れる現状で、「一刻も早く、私的録音録画の実態に即した補償金制度の抜本的な見直しが行われるよう、関係するみなさんの理解を求めます」と、権利者が現在被っている不利益に対する理解を求めた。

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