公開日 2021/04/17 06:45

複数使いで効果倍増!“空き端子に挿すだけ”アクセサリー「パワーアレイ」を自宅でテスト

【特別企画】システム上流への装着を推奨
英国コード・カンパニーより2019年秋に登場した「グラウンドアレイ」。空き端子に挿すだけで機器内部のノイズを吸引する“ノイズ・ポンプ”として大ヒットを続けているが、その物語には続きがあった。電源コンセントの空き端子が残っていたのだ。昨秋、同社から新バージョンとなる電源用モデル「PowerARAY(パワーアレイ)」が登場した。その使いこなし技を鈴木 裕氏が解説する。

CHORD COMPANY「PowerARAY」3ピンタイプと2ピンタイプをラインアップ、いずれも132,000円(税込)

■高周波のノイズをシャットアウト。立体的なサウンドステージが見えてくる

イギリスのケーブルメーカー、コード・カンパニー。そのオーディオアクセサリーの最新作が「パワーアレイ」だ。壁コンセントの空いているところや、電源タップの最も上流側の口に挿して使う。

パワーアレイの効果を鈴木 裕氏が自宅で検証

その効果を簡潔にまとめると、再生音から高周波のノイズをリジェクト。音が混濁する要素や付帯音、スモーキーで見通しの悪い感じを相当強力になくしてくれる。2つ目はスピーカーから音が出ているのではないような、立体的なサウンドステージ、立体的な音像が見えてくる。3番目はそれとも関係するが、低音の風圧のような感じが出たり、虚ろではない低音感が得られる点。

そして特筆しておかなければいけないのは、こうした働きの結果としての再生音。これが人工的な音色感にならず、ナチュラルである点だ。

個人的な体験談を書かせてもらいたい。筆者はクラシック音楽のソフトを紹介する雑誌で、それぞれのソフトの録音を評価する仕事をしている。昨秋、この仕事のために拙宅のオーディオシステムでその録音評の対象となるCDなどを聴き出した。1枚目、とてもいい。このレーベルのマルチマイクの録音って、こんなに細部の混濁がなかったかと。2枚目、とてもいい。ワンポイントステレオ録音によるものだが、かなり素晴らしい。3枚目、さらにいい。なんだこの低音の吹き出してくるような、空気が動くような感じは……。そこでハタと気づいた。そうだ、「バワーアレイ」を使い出していたのだった。

そこであらためて自分の基準となるクラシックのソフトを数枚聴いたり、「パワーアレイ」をいったん取り外して、システムの音を客観的に把握した。何かと比較しなくても明確に分かるくらい効果のあるアクセサリーであり、自然な効き方をする。

■複数使いは効果があるか? 自宅の再生システムでテスト

さて、今回のミッションのひとつとして、「パワーアレイ」はシステムの上流にひとつあればいいのか? 複数あっても効果的か? ということを明確にしてみよう。

パワーアレイは電源タップの上流側に設置。2個使うとさらなる相乗効果を得られる

ただし拙宅の電源経路は壁コンセントから2つの電源タップに分かれている。ひとつがプリアンプ、フォノイコライザー、CDプレーヤーという3つのコンポーネントに給電。もうひとつのタップからはDAコンバーターの電源を取っている。

「パワーアレイ」はもともと前者の電源ボックスの上流側に挿していたが、ここに後者のDAコンバーターを給電しているタップの上流側にも装着してみた。

その結果、再生音はさらに有機的になり、最初に書いたような効果もそれぞれに感じつつ、総合的に鳴りっぷりのいい印象になった。ここでも明確な効果があった。この結果からすると、システムに2つ以上の「パワーアレイ」を投入するのは有効である。「グラウンドアレイ」と併用するとどうなるか? という興味もあるのだが、テストとしてそのレポートは煩瑣になるのでまたの機会に譲りたい。

■アンダンテラルゴが提案する3つの音質評価スケール

もしも聴きどころが分からないという方には、アンダンテラルゴのウェブサイトに掲載されている「音質評価スケール」のポイントに着目して欲しい。3つ挙げられている。
(1)「楽器と楽器」のセパレーション

「楽器と楽器」のセパレーション

(2)「一音一音」のセパレーション

「一音一音」のセパレーション

(3)「高い音と低い音」のセパレーション

「高い音と低い音」のセパレーション

(1)は音像の分離がいいこと。(2)は時間軸方向において、きちんと音が立ち上がり、同時に妙な響きが残らない要素。そして(3)は低音は低い位置に、高音は高い位置から聴こえてくるというメソッドだ。そういう観点からご自身のオーディオシステムの音を見直してみてほしい。もし、問題を感じるのであれば、「パワーアレイ」あるいは「グランドアレイ」によって改善する割合は間違いなく大きい。

(提供:アンダンテラルゴ)

本記事は『季刊アナログ vol.70』からの転載です。

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