公開日 2020/09/08 16:00

デノン、フラグシップを再構築した110周年記念AVアンプ「AVC-A110」。サウンドマネージャーが理想を追求

8K等次世代AVフォーマットもサポート
編集部:成藤 正宣
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デノンは、ブランド設立110周年を記念した13.2ch AVアンプ「AVC-A110」を、10月上旬より発売する。

AVC-A110:680,000円(税抜)

「AVC-A110」

同社AVアンプのサウンドマネージャーを務める高橋佑規氏が、フラグシップモデル「AVC-X8500H」をベースに自身の理想とするサウンドを追求、AVC-X8500Hを上回るパフォーマンスを実現したというAVアンプ。

他の110周年記念モデル同様、専用のロゴマークがシンボルとなる

AVアンプのサウンドチューニングを主導する高橋佑規氏の理想のサウンドを追求した

「深淵」というキーワードで表される高橋氏の理想のサウンドコンセプトでは、低域解像度/ハイスピードサウンド/高い機構安定性/高い放熱安定性の4点が重要となる。これを実現するため、開発期間やコストの制限を取り払い、内部パーツの再設計と改良、厳選やインピーダンスの低減等を実施している。

パーツでは本モデル専用に8kgを超える特注EIコアトランスを開発したことをはじめ、抵抗やコイルなど細部に至るまでパーツを吟味。低域のレンジと解像度を向上させた。インピーダンス低減の手法としては、基板パターンに用いられている銅箔にAVC-X8500Hの2倍の厚みをもたせている。これにより瞬間発熱量も低減し、S/Nの向上やエネルギッシュで安定したサウンドを実現したという。

「AVC-X8500H」をベースに、パーツの厳選や再設計を行いサウンドを追い込んでいる

アンプは大電流トランジスタDHCT(Denon High Current Transistor)をアルミ押し出し材のヒートシンクに格子状にレイアウトするチェッカー・マウント・トランジスター・レイアウト、各チャンネル基板を個別に独立させたモノリス・コンストラクションといった独自技術を採用し、最大260Wの出力を実現。ヒートシンクは全体を2mm厚の銅板でカバーし、放熱効率を高めて大音量再生でも安定してスピーカーを駆動する。

モノリス・コンストラクションはじめ、AVC-X8500Hで採用された特徴的な設計を引き継ぐ

DACチップにはAK4490EQを8基採用し、DAC基板を独立させて他の回路との干渉を防止。サラウンド回路には32bitプロセッシングを行うD.D.S.C.-HD32を搭載。音声のアナログ波形を再現する独自技術のAL32 Processing Multi Channelも搭載する。

DACユニットのパーツも厳選/換装されている

電源回路は、上述した8kgを超える特注EIコアトランスに加え、放熱性を向上させる純銅製トランスベースを搭載。これを支えるために1.2mm厚のトランスプレート/ボトムプレートも追加し、合計3.6mmのシャーシで振動を抑え込んでいる。その他にも、20,000μFのカスタムコンデンサー2基によって電源供給能力と低域の重心、スケール感を向上。デジタル回路のスイッチングトランス、および電源回路全体もシールドプレートで覆い周辺回路へのノイズ干渉を防止している。

特注のトランス/コンデンサーや、振動/ノイズ放射を抑制するプレート等電源部にも力が入っている

今年発表したAVアンプ「AVC-X6700H」「AVR-X4700H」「AVR-X2700H」と同様、オーディオビジュアルの次世代規格のサポートも進める。映像面では8K/60p、4K/120pのHDMI入出力、著作権保護規格HDCP 2.3、8Kアップサンプリング、次世代HDMI規格「HDMI 2.1」で採用予定の新機能にも対応している。

音声面ではドルビーアトモス/DTS:X/IMAX Enhanced/Auro-3Dといったイマーシブオーディオに加え、新4K/8K衛星放送の音声フォーマット「MPEG-4 AAC」のストレートデコードに対応する。

HDMI入力×8系統(うち1系統が8K対応)、HDMI出力×3系統(うち2系統が8K対応)を搭載。アナログ映像入力としてコンポジット×4系統/コンポーネント×3系統、アナログ映像出力としてコンポジット×2系統/コンポーネント×1系統を搭載。音声入力としてアナログ×7系統/Phono×1系統/7.1ch×1系統/光デジタル×2系統/同軸デジタル×2系統、音声出力として15.2chプリアウト×1/ゾーンプリアウト×2/ヘッドホン×1を搭載する。

「AVC-A110」の背面

消費電力は900W。外形寸法は434W×195H×482Dmm(アンテナを寝かせた場合)、質量は25.4kg。110周年記念モデルすべてに共通して、5年の保証期間が設けられる。

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