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公開日 2015/01/04 10:25

「CES 2015」いよいよ開幕、今年のみどころとスケジュールをチェック!

2015 International CES
編集部:風間雄介
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年初恒例のイベント「International CES」が、今年も米ラスベガスで開催される。当サイトの関連記事一覧はこちら

年初の風物詩、CESが今年も開催される

CESは、Consumer Electronics Showの頭文字。その名の通りAVやホームエンターテイメント機器だけにとどまらず、PC/ITやスマートデバイス/ウェアラブルデバイス、オートモーティブ(自動車)など様々な分野で重要な発表が行われる。今年はどのような展示や発表が行われるのだろうか。毎年恒例の “みどころプレビュー” をお送りしよう。

スケジュール

最初に今年のCESのスケジュールを確認しておこう。なお日本とラスベガスの時差は17時間で、日本が進んでいる。

今年のCESの会期は、現地時間1月6日〜9日となる。もっとも、これは会場のブースが開いている期間であり、実際にはもっと前からCESは始まっている。

まずは前哨戦の「CES Unveiled」が現地時間1月4日夕方からスタートする。この発表をもとに、当サイトでレポートをお届けできるのは、日本時間の1月5日夕方頃になりそうだ。

そして、現地時間1月5日には、マンダレイベイホテルにおいて、大手メーカーが大規模な発表を行うプレスカンファレンスが開催される。現地時間5日8時からLG、9時からシャープ、10時からパナソニックが次々にカンファレンスを開催。そして午後2時からは、毎年最大規模となるサムスンが発表を行い、最後に会場をラスベガスコンベンションセンターに移し、ソニーがプレスカンファレンス&ブース開放を行うという流れだ。

これらのカンファレンスの速報・詳報は、日本時間1月6日の明け方から同日夕〜夜にかけてお届けすることになるだろう。ご期待いただきたい。

ブースが開く6日からは、会場やプレスルーム、あるいは宿舎から、断続的に各社の出展内容をお届けする。例年通り、ラスベガス・コンベンション・センターにブースを構える大手メーカーはもちろん、ヴェネチアンのスイートルームで展開されるオーディオ関連の展示についてもレポートをお届けする予定だ。

ざっくりとしたスケジュールを紹介したところで、各カテゴリーごとに見所をお伝えしよう。

テレビ

数年前から「もはや家電の王様ではなくなった」などと言われながら、依然として毎年大きな話題を集め、各メーカーの展示の中心にあるのがテレビだ。

話題の中心となるのは今年も「4K」(米国ではUHDという呼称が一般的)だろう。昨年も4Kテレビが各社ブースで大々的にフィーチャーされていたが、まだ話題先行という感があった。今年は本格的な普及期を迎えると考えられ、本気でマスを狙う、魅力的なラインナップが発表されるはずだ。

4Kが当たり前になると、解像度以外で付加価値を高める動きが活発化する。大きく分けて「解像度以外の画質競争」「使い勝手の競争」が熱を帯びるはずだ。

色再現性とダイナミックレンジ競争が熱を帯びる

まず一点目の「解像度以外の画質競争」。少し前から、色再現やダイナミックレンジを高める動きが出てきているが、これにますます拍車がかかるだろう。

色再現性を高める試みでは、ソニーなどが先行している「量子ドット」技術を各社が採用してくるはず。同技術搭載では差が付かなくなるため「量子ドット技術をどう使いこなすか」というフェーズに競争の場が移るだろう。また三菱電機はバックライトにレーザーも使うことで色再現性を高めているが、このような、バックライトそのものの技術革新も期待したい。

もう一つ、画質競争で注目したいのは「ダイナミックレンジ」だ。ディスプレイにおけるダイナミックレンジとは、暗いところと明るいところの、輝度の差の大きさを表す。自然界のダイナミックレンジは非常に大きいが、ディスプレイではその性能の限界から、あらかじめダイナミックレンジをかなり下げている。このため、一画面中に暗い部分と明るい部分が共存するシーンの場合、情報量が足りなくなってしまう。こういうシーンではたとえば、暗い方に合わせれば白が飛ぶし、輝度ピーク付近の階調を出そうと思うと暗部階調が犠牲になる。こういった問題を解決すべく、ダイナミックレンジの拡張を各社が研究している。

液晶テレビなどハード面では、明るいバックライトを使いさえすれば、消費電力の問題はあるものの、かなり輝度を稼げる。あとはハイダイナミックレンジな映像信号を記録するパッケージ規格やVOD規格と、それをデコードする仕組みがあればよい。「ドルビービジョン」はその一つだが、ほかの規格が発表される可能性も考えられる。

解像度以外の競争と書いたが、一方でさらに解像度を高める動きもある。8Kだ。総務省は2018年にも、8Kの実用放送を開始する。それに先立つ2016年には「実験的な取り組み」を行うとしている(関連ニュース)。2016年のいつ始まるかは不明だが、いずれにしても試験放送の開始まであと2年もない。CESの場で、8Kテレビ実用化に関する発表があっても不思議ではない。

昨年のCEATECで話題を集めたシャープの「フルスペック8Kテレビ」

そのほか映像関連では、登場が噂されている次世代ブルーレイの動向にも注目だ。CESで新たな情報が語られる可能性もある。ご注目いただきたい。

スマートテレビはOS競争が過熱しつつある

テレビにおける画質以外の差別化ポイントとして挙げたいのは、いわゆるスマート機能だ。「スマートテレビ」という言葉でひとくくりにはできないが、現在のテレビは、ネット接続機能はもちろん、アプリやモバイルデバイスとの連携など、非常に多機能になってきている。このスマート機能でも、新たな動きが起きている。

その一つに、テレビのスマート化をさらに加速させるため、各社がOSを新しく採用しようとしていることが挙げられる。

ソニーはAndroidを全面的にテレビに採用することをすでに表明している(関連ニュース)。これは以前のGoogle TVとは別のものだ。一方でパナソニックは、昨年のCESで、次世代テレビ分野でFirefox OSの開発推進をMozillaと共に行うと発表した。

世界を見渡すと、LGはもともとHPが開発していたWeb OSをスマートテレビのOSとしてすでに採用している。また、サムスン電子は2015年のスマートテレビのOSに、Tizenを全面採用すると発表した(関連ニュース)。

サムスンは2015年の同社製スマートテレビにTizenを全面採用する

主要メーカーのOSがバラバラになっているのが興味深いが、これは「テレビのスマート機能を強化したい」という思いと、「コストはあまりかけたくない(かけられない)」「独自性はある程度保ちたい」という希望のバランスを取った結果なのではないか。

現在大きなシェアを持っていて、スマート化で先行しているメーカーからすると、一つのプラットフォームが多数派になり、差別化を図れなくなる状況は避けたいはずだ。無償プラットフォームに人気が集まり、そこにアプリやコンテンツが集まるようになれば、そのプラットフォームを利用して中国メーカーなどが台頭する余地を与えてしまう。

一方で現在シェアが低いメーカーからすると、勝ち馬に乗る戦略が手堅い。自社だけでは難しいエコシステムの構築は、複数社を束ねて「数の論理」で行う方が合理的だ。

このように各社それぞれ立場や状況が異なる中、テレビのOSに何を選ぶかは、メーカーにとって今後さらに重要になるはず。…と、このような背景や状況をしっかりお伝えするのはもちろんだが、ユーザーにとっては使い勝手がなにより大事。各社最新スマートテレビのハンドリングレポートなどもお届けする予定だ。

オーディオ

オーディオの見所を事前に紹介するのはむずかしい。何か一つのトレンドに向かって各社が進むのではなく、独自性がより尊重されるのがオーディオの世界だからだ。十年一日のごとく同じことをやり続けるブランドもリスペクトされるし、新しいことに果敢に挑戦するブランドも同じように尊重される。単純に一つの流れに収斂しない。当たり前のことだが、個性こそオーディオの生命線なのである。


今後はこのロゴを米国でも見かけるようになりそうだ
とはいえ、大きな流れはいくつか存在する。その一つが「ハイレゾ」だ。先日の日本オーディオ協会とCEAの発表(関連ニュース)によって、日本が「ハイレゾ先進国」であることが改めて浮き彫りになった。何しろあのCEAが、ハイレゾの定義についてオーディオ協会のそれを「丸呑み」するというのだから。例のハイレゾロゴを米ブランドが活用する時期はまだ見えないが、CEAの肝煎りであるハイレゾが、各社の展示ブースを賑わすことは間違いない。

もう少し具体的な話をすると、DSDにおいては11.2MHz、あるいはさらに上の規格をサポートするものが増えるだろう。また、汎用DACを使わずにFPGAを用いるなど、様々なデジタル処理のアルゴリズムそのものを独自開発する動きも盛んになるはずだ。また、ハイレゾをより手軽に楽しみたいという思いは万国共通のはずで、そのために「PCレス」といった提案も活発になると考えられる。

ハイレゾと同じく注目を集めるのが「アナログ」。日本でもじわじわ火が点きつつあるが、欧米におけるアナログ人気は目を見張るものがある。数年前からCESのオーディオ展示では、最先端のハイレゾ音源とアナログレコードやオープンリールデッキが違和感なく共存していたが、今年はこの流れがさらに加速する年になりそうだ。

そのほか、ヘッドホンやイヤホン関連、ポータブル/コンパクトオーディオなどでも、大きなニュースをお届けできるはずだ。レポートを楽しみにお待ちいただきたい。

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