公開日 2007/02/22 18:20

キヤノン、創立70周年記念製品第一弾のデジタル一眼などを発売 − 新CM出演はオダギリ ジョー

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キヤノンは、同社創立70周年を記念する製品の第一弾として、デジタル一眼レフカメラ「EOS-1D Mark III」と、デジタルコンパクトカメラ4製品、カメラ用アクセサリーを発売する。ラインナップと各製品の詳細は以下のとおり。

■EOS-1D Mark III ¥OPEN(予想実売価格500,000円前後)
2007年5月下旬発売


EOS-1D Mark III

EOS-1D Mark IIIの背面部
プロ用デジタル一眼レフカメラのフラグシップモデル。2005年に発売した「EOS 1D Mark II N」の後継機にあたる。これまで同社のデジタル一眼は、機能以外の基本的な操作性は前機種を引き継ぐことが多かったが、本機は全ての機能を一から見直し、システムを全面的に一新。「プロカメラマンが体で覚えた撮影感覚を狂わせないよう、操作性を引き継いできた。しかし技術はいつまでも引き継ぐだけでは古くなってしまう。新しい風をいれた」(同社取締役 イメージコミュニケーション事業本部長 岩下 知徳氏)という。

有効画素数は約1010万画素。モニターは視野角30度で、約23万画素の表示が可能な3.0型液晶を備える。撮像素子には新開発の28.1×18.7mmCMOSセンサーを採用している。常用設定範囲のISO感度は100から3200。映像エンジンは「DIGIC III」を2個搭載したデュアルDIGIC IIIを採用。高画質・高速画像処理を実現し、全ての記録画質によって約10コマ/秒の連写が可能だ。


EOS-1D Mark IIIの特長

デュアルDIGIC IIIを採用
また、19点のクロス測距点と26点のアシスト測距点を備えた、総測距点45点のエリアAFシステムを搭載している。シャッターは従来の約1.5倍となる作動耐久約30万回のものを採用した。

また、センサーダスト対策「EOS Integrated Cleaning System」を導入。「出さない・つけない・残さない」をテーマに、ゴミの出にくいシャッター機構や帯電防止処理を施した赤外線吸収ガラスを採用したという。

バッテリーにはリチウムイオン電池を採用。ニッケル水素電池を使用する従来機のバッテリーと互換性はない。電池変更の理由について「バッテリーは技術進歩の速いもの。これから先を見据え、リチウムイオン電池が最適と判断した」(岩下氏)と説明している。

■IXY DIGITAL 10 ¥OPEN(予想実売価格37,000円前後)
2007年3月中旬発売


IXY DIGITAL 10

IXY DIGITAL 10の背面部
「IXY DIGITAL 70」の後継機。基本設計を見直し、鏡筒を薄型化、メイン基板やストロボを小型化し、レイアウトを工夫することにより、前モデルに比べ2.3mmの薄型化となる厚さ19.4mmを実現した。

IXY DIGITAL 10の薄型化技術

有効画素数は710万画素で、撮像素子は7.1メガの1/2.5型CDDを搭載している。映像エンジンには「DIGIC III」を採用している。

約23万画素の表示が可能な2.5型の「クリアライブ液晶」を採用した液晶モニターを備える。レンズには屈折率の高いUA(非球面)レンズを採用し、諸収差を良好に補正するという。また、「顔優先AF/AE/FE」機能を搭載。ストロボ使用時でも被写体の顔に露出が合うようになる。

■IXY DIGITAL 90 ¥OPEN(予想実売価格40,000円前後)
2007年3月中旬発売

IXY DIGITAL 90

IXY DIGITAL 90の背面部

角を大きく削ぎ落とした「Edge Design」を採用。有効画素数は710万画素。撮像素子は7.1メガの1/2.5型CDDを搭載し、映像エンジンには「DIGIC III」を搭載している。

「70」と比較し0.5インチ大きい3.0型の「クリアライブ液晶」を採用した液晶モニターを備える。レンズには屈折率の高いUA(非球面)レンズを採用し、諸収差を良好に補正するという。また、「顔優先AF/AE/FE」機能を搭載。ストロボ使用時でも被写体の顔に露出が合うようになる。

■PowerShot TX1 ¥OPEN(予想実売価格50,000円前後)
2007年3月中旬発売


PowerShot TX1

PowerShot TX1の背面部

D3端子を備える
同社のデジタルカメラとしては初めて縦型デザインを採用したモデル。有効画素数は710万画素。撮像素子は7.1メガの1/2.5型CDDを搭載し、映像エンジンには「DIGIC III」を採用。光学手ぶれ補正機能付きの光学10倍ズームレンズと、1.8型のバリアングル液晶を採用した液晶モニターを搭載している。

1,280×720画素の動画撮影が可能。サンプリング周波数約44kHzのステレオ音声の記録もできる。また、1080i出力が可能なD3端子を備えており、本機で撮影した静止画や動画をテレビで鑑賞することもできる。動画の撮影ファイル形式はMotion JPEG、音声はWAVE。

「デジタルカメラのメイン機能である『スチル』と、付加機能である『ムービー』をより対等に近づけた製品」(岩下氏)だという。

■PowerShot A570 IS ¥OPEN(予想実売価格30,000円前後)
2007年3月中旬発売

PowerShot A570 IS

PowerShot A570 ISの背面部

有効画素数は710万画素。撮像素子は7.1メガの1/2.5型CDDを搭載し、映像エンジンには「DIGIC III」を採用。光学手ぶれ補正機能付きの光学4倍ズームレンズと、2.5型液晶モニターを搭載している。

オートのほか、シャッタースピード優先、絞り優先、プログラム、マニュアルの4種類からなるクリエイティブゾーンと、スペシャルシーンモードをはじめとするイメージゾーンを備えており、合計19通りの撮影モードが選択できる。

その他、以下のようなアクセサリーが発売される。

・EOSシリーズ用ズームレンズ■EF16-35mm F2.8L II USM ¥230,000 2007年3月下旬発売
・スピードライト■580EX II ¥60,000 2007年4月下旬発売
・ワイヤレスファイルトランスミッター■WFT-E2 ¥100,000 2007年5月下旬発売
・オリジナルデータセキュリティキット■OSK-E3 ¥800,000 2007年5月下旬発売


本日行われた上記新製品の発表会では、同社代表取締役社長の内田恒二氏が挨拶し、設立70周年の歩みについて説明した。


内田恒二氏
同社は1937年に精機光学工業株式会社として設立。第一号製品となる「ハンザキヤノン」を発売した。1987年には「EOS」シリーズの1号機となる「EOS650」を、1996年には「IXY」シリーズの1号機となる「IXY」を世に送り出した。その後一時売り上げに陰りの見えた時期もあったが、同社の銀塩カメラ技術とデジタルを融合させた「IXY DIGITAL」などを発売することで復活。デジタル化の波に乗り、大きくシェアを広げたという。内田氏は「70年という時間は、キヤノンの歴史であるとともに、カメラの歴史でもある。カメラ本体だけでなく、プリンターなどの周辺機器も充実させ、デジタルフォト文化の創出に尽力するとともに、ユーザーに利便性を提供していきたい」と語った。

続いてキヤノンマーケティングジャパン(株)代表取締役の村瀬治男氏が、新製品の国内マーケティング戦略について語った。


村瀬治男氏

キヤノンマーケティングジャパンの業績推移
同社は現在4期連続増益を記録し、2期連続で過去最高の収益を上げた。2009年には1兆円の売上を目標にしており、「ITソリューション」と「デジタルフォト事業」を実現のための成長エンジンとして位置づけているという。村瀬氏は今回発表したフラグシップモデルの「Mark III」について、「ユーザーにより多くのシャッターチャンス、より広い撮影フィールド、より利便性の高いシステムを提供するものだ。デジタル一眼レフ市場の45%というトップシェアを堅持し、より拡大していきたい」と語った。

また、今回発表したコンパクトデジタルカメラについては、「コンパクトデジカメの国内市場は今年も大きく成長すると考えている。スリムでファッション性の高い『IXY』、ハイアマチュア向けの『PowerShot』というタイプの違うブランドで多彩なラインナップを揃えることにより、ユーザーのニーズに答え、国内市場シェア25%を確保していきたい」と述べた。

最後に、「IXY DIGITAL」の新ブランド戦略について、キヤノンマーケティングジャパン(株)専務取締役 コンスーマーイメージカンパニープレジデントの芦澤光二氏が以下のように説明した。


芦澤光二氏
「『IXY DIGITAL』は『スタイリッシュ&コンパクト』『インテリジェンス&アドバンスド』をコンセプトに、展開してきた。一般ユーザーのブランドイメージは高く、本シリーズを発売したことで、弊社のコンパクトデジカメ市場のシェアは大きく飛躍した。新たなイメージキャラクターとしてオダギリ ジョー氏を選んだ。感性、知性、情報の発信力があり、これからますます成長していく人物である同氏はIXYのブランドコンセプトにぴったりだと考える」。

今回、新コミュニケーションメッセージとして「Take it IXY」を提唱。「Take it easy」と掛け、本製品が自由で楽しい生活に寄り添う製品であることをアピールするという。

オダギリ ジョー氏は「写真は自分でもよく撮る。普段撮られるばかりなので、被写体の気持ちを他の人にも分かってもらおうと思って」とジョークを交えつつ、「写真の『一瞬を切り取る』というところに魅かれる。海外の映画祭に行って現地の人や物を撮ったり、ドラマのロケで共演者を撮ったりすることが多い」と語った。

オダギリ ジョー氏

【問い合わせ先】
キヤノンお客様相談センター
TEL/050-555-90002

(Phile-web編集部)

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製品スペックを見る
  • ブランドCANON
  • 型番EOS-1D Mark III
  • 発売日2007年5月下旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格500,000円前後)
【SPEC】●カメラ部有効画素:約1010万画素 ●記録媒体:CFカード(タイプI、II準拠)、SDメモリーカード ●使用レンズ:キヤノンEFレンズ群 ●レンズマウント:キヤノンEF マウント ●画像タイプ:JPEG、RAW ●液晶モニター:3.0型TFT式カラー液晶モニター ●外形寸法:156W×156.6H×79.9Dmm ●質量:約1155g(本体のみ)

  • ブランドCANON
  • 型番IXY DIGITAL 10
  • 発売日2007年3月中旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格37,000円前後)
【SPEC】●撮像素子:1/2.5型CCD・総画素数約740万画素 ●デジタルズーム:約4.0倍 ●記録媒体:SDメモリーカード/SDHCメモリーカード/マルチメディアカード ●液晶モニター:広視野角2.5型低温ポリシリコンTFT液晶カラーモニター ●外形寸法:85.9W×53.5H×19.4Dmm(突起部を除く) ●質量:約125g(本体のみ)
  • ブランドCANON
  • 型番IXY DIGITAL 90
  • 発売日2007年3月中旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格40,000円前後)
【SPEC】 ●撮像素子:1/2.5型CCD・総画素数約740万画素 ●デジタルズーム:約4.0倍 ●記録媒体:SDメモリーカード/SDHCメモリーカード/マルチメディアカード ●液晶モニター:広視野角3.0型低温ポリシリコンTFT液晶カラーモニター ●外形寸法:91.6D×56.8H×19.6Dmm(突起部を除く) ●質量:約130g(本体のみ)
  • ブランドCANON
  • 型番PowerShot TX1
  • 発売日2007年3月中旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格50,000円前後)
【SPEC】●撮像素子:1/2.5型CCD・総画素数約740万画素 ●デジタルズーム:約4.0倍 ●記録媒体:SDメモリーカード/SDHCメモリーカード/マルチメディアカード ●液晶モニター:広角視角1.8型低温ポリシリコンTFT液晶カラーモニター ●外形寸法:88.8W×59.9H×29.0Dmm(突起部を除く) ●質量:約220g(本体のみ)
  • ブランドCANON
  • 型番PowerShot A570 IS
  • 発売日2007年3月中旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格30,000円前後)
【SPEC】●撮像素子:1/2.5型CCD・総画素数約740万画素 ●デジタルズーム:約4.0倍 ●記録媒体:SDメモリーカード/SDHCメモリーカード/マルチメディアカード ●液晶モニター:2.5型アモルファスシリコンTFT液晶カラーモニター ●外形寸法:89.5W×64.3H×42.8Dmm(突起部を除く) ●質量:約175g(本体のみ)
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