公開日 2025/02/08 17:50

<大阪オートメッセ>まるでヘッドホン再生!車内イマーシブオーディオの新しい取り組み

morelのスピーカーを活用した2台のカーオーディオシステム
筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
高音質カーオーディオが多数出展している大阪オートメッセ。ここでは、イスラエル・morelのスピーカーを活用したこだわりのカーオーディオシステムの内容と音質をレポートしよう。

■頭上から音楽が聴こえてくる新しいオーディオ体験



morelの輸入を担当するジャンライン&パートナーズは、車内でのイマーシブオーディオを実現する新機軸のカーオーディオシステムを提案する。

イマーシブオーディオの可能性を追求するジャンライン&パートナーズのデモカー

といってもスピーカーを天井やリアなど数多く取り付けるというわけではなく、フロント3ウェイ+後部ドアと比較的シンプルなシステム。社長の柴野さんに、「まずは聴いてください」と促されて、三菱自動車「アウトランダーPHEV」の運転席に座ると、頭の真上あたりから降り注ぐように音が聴こえてきて驚く。思わず真上を見上げるが、そこにスピーカーはない。

デモカーの運転席。天井にはスピーカーは取り付けられていない!

真上だけではなく左右斜め後ろ方向、体感的には斜め後ろ45度方向くらいまで音が広がり、音の波に包み込まれているような非常に不思議な感覚。だが、サラ・ブライトマンのボーカルはしっかり前方少し上の方向から聴こえてきて、ますます驚かされる。

「これが、ARC AUDIOのアップミキサーの力です」と柴野さん。ARC AUDIOはアメリカのカーディオブランドで、DSPやアンプなどに強みを持つ。「ARC AUDIOのDSPアンプであるBLACKBIRDには立体音響へのアップミキサー機能が搭載されています。普通のステレオ音源でも、こんなふうに包まれるようなサウンドステージを作ることができるです」。

スピーカーはAピラーにトゥイーター+ミッド、ドアウーファーも活用している

オリジナルの音源は、ソニーのDAPで受けているQobuz音源(つまりステレオ)。それをBluetoothを使ってaudisonの「B-CON」に飛ばし、BLACKBIRDに入力する、という音声の流れになっている。Apple Musicなどで配信されているドルビーアトモス音源ではないことにも2度びっくり。ちなみにスピーカーは、近日発表予定のmorelの新製品「SENSUS」シリーズを活用している。

音源は、ソニーのストリーミングウォークマンでQobuzを再生

「朝からいろんなお客さんに体験してもらいましたが、特に若い方は非常に喜んで聴いてくれています。ヘッドホンの再生環境に近いのかもしれません。立体音響は、新しいカーオーディオの提案として、積極的に広げていきたいと考えています」と意欲たっぷりに語ってくれた。

「SENSUS」のウーファー背面。しっかりしたバスケットに収められている

近日発売予定のmorelの新製品「SENSUS」シリーズ

■Volumioを活用したQobuz再生の楽しみ



このアウトランダーのシステムチューニングを担当したのは、福井県のカーオーディオショップ・マリノサウンド。店長の岩崎潤一さんは、もう一台自社設計のトヨタ・アルファードをデモカーとして作成、ストレートはステレオ再生システムとして構築している。

マリノサウンドが制作したトヨタ・アルファードのデモカー

この車は、Volumioのフラグシップ・ネットワークプレーヤー「MOTIVO」を活用していることが大きな特徴となる。

なんと車内にVolumioの「MOTIVO」を持ち込んでネットワーク再生を実践!

「YouTubeの動画でVolumioの存在を知って、これは面白い!と思って早速導入しました。イタリアらしいデザインセンスもとても気に入っています。使い勝手も音質も素晴らしくて、自宅でも、カーオーディオでも両方で活用しています」と岩崎さん。USBメモリに保存したローカルファイルも、Qobuzなどストリーミングサービスの音源も、タッチパネル操作でサクサク選曲できる点も大きな魅力。iPadのアプリからでも遠隔で同じ操作が可能。

タッチパネル操作も容易で、Qobuzにももちろん対応する

今回はVolumioのデジタル出力からARC AudioのDSPに接続し、アンプを通してmorelのELATE Carbonスピーカー、3ウェイ+サブウーファーシステムを駆動している。

morelのELATE Carbonシリーズを3ウェイで構築

ドアウーファーもmorelを活用

アデルの「Lean on me」では、ボーカルの温度感の高さや厚み、morelならではの旨みをたっぷり感じさせてくれる。ビリー・アイリッシュの「bad guy」では独特の音場の広がり感も面白い。アルファードはダッシュボード上の空間が広く奥行きもあるため、サウンドステージを作りやすいというメリットもあるという。岩崎さんも「スピーカーのポテンシャルをできる限り引き出してあげたいんです」とチューニングの楽しさに目を輝かせる。

ちなみにVolumioの電源はECOFLOWの大型バッテリーから供給。バッテリーの大容量化が進んでいるので、屋外でピュアオーディオ再生も夢じゃない!?

またVolumioでは、楽曲再生中に、クレジット(プロデューサーや参加ミュージシャンの名前)が画面上を流れるのもオシャレでGood。ホームオーディオ向けの製品をいかにカーオーディオに活用していくか、というのも興味深いテーマになりそうだ。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 オーディオ銘機賞「ベストバリュー大賞」受賞! DALIの技術と美学を凝縮した「KUPID」の実力に迫る
2 “スイング式”インシュレーターに薄型モデルが登場!セレニティ 静寂-Shijima-の「SWI-10」使いこなしレポート
3 トップクラスのながら聴きイヤホンにさらなる機能性がプラス!Shokz「OpenFit 2+」レビュー
4 <ポタフェス>SHANLING、水月雨監修のポータブルCDプレーヤー「Crossover」世界初公開/ONIX、超小型DAC「Tocata XM2」初展示
5 <ポタフェス>見た目も音もこだわった、HiBy Digitalの「初音ミク」コラボアイテム展示/FAudio「Major」に後継機か
6 大好きな車とバイクを眺める6畳空間に、4K/100型のホームシアターを実現
7 SHANLING、サブミニチュア真空管をデュアル搭載したポータブルDAC/アンプ「UA7」
8 Oriolus、落ち着いた音色と現代的な機能性を両立したBluetoothアンプ「1795MKII」
9 ピクセラ、テレビを見るとポイントが貯まるワイヤレスチューナー「ポイテレ」
10 <ポタフェス>オーディオテクニカ、フラグシップ機「ATH-ADX7000」「ATH-TWX9M2」を堪能
12/15 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX