公開日 2011/12/16 18:24

発売直前!“AV機器としてのPS Vita”の実力とは? SCEスタッフに直撃インタビュー

「near」など新機能の思想にも迫る
いよいよ12月17日に発売されるPS Vita。5インチの有機ELディスプレイを備えていることもあり、2011年1月に「NGP」という名称で発表された本機に注目してきたAVファンも多いだろう。発売目前に迫ったPS VitaはAVファンにとって“買い”なのか、気になる機能についてSCEの担当者にインタビューを行った。

今回インタビューに応じていただいたのは、(株)ソニー・コンピュータエンターテインメント 商品企画部 企画2課 兼 企画4課チーフの若井宏美氏、第2事業部ソフト開発部部 長 兼 1課課長の島田宗毅氏、システムソフトウェア開発部4課 兼 第2事業部ソフト開発部5課の岡田充弘氏の3名だ(以下、文中敬称略)。

画面左から岡田氏、若井氏、島田氏

PS Vita

■5インチ有機ELディスプレイの実力は?

インタビューを始める前に、オーディオ・ビジュアルファンにとって気になるハードウェアの基本スペックを紹介しよう。PS VitaのプロセッサーはARM Cortex-A9 coreで、ディスプレイには解像度960×544ドットで5インチの有機ELを搭載する(なおPSPは4.3型の液晶で画面解像度480×272ドットだった)。

ディスプレイはマルチタッチ対応となっており、さらに他のハードウェアでは今までに採用例のない背面タッチパッドも搭載する。


島田 まず画面性能で言うと、PSPよりも一回り大きい5インチというサイズの有機ELを搭載しており、解像度もPSP比でタテヨコ2倍というのが大きいですね。OLED(有機EL)は色域の広さや反応速度が通常の液晶とは違いますので、下の方のトーン、黒の階調もばっちり出ます。

最初にOLEDのディスプレイが出来上がってきた段階で、見た瞬間に「これはすごいな」と感じるほどでした。プロダクトプランニング側からもそういう声があがりましたし、現場技術者の反応も「何の文句もない」「すごい」という感じでしたね。

島田宗毅氏

若井 再生するのがゲームコンテンツであってもビデオコンテンツであっても、美しい映像を実現したいと考えています。「その時にできる一番キレイなものを選ぶ」という姿勢を、企画や開発に関わる人間全員が最初の段階で持っていました。また、PSP発売当初の美しい大画面を受け継ぐという考え方は、商品企画のスタート段階からあり、最終的に4.3インチから5インチへと画面が大型化しました。

若井宏美氏

残念ながら実機画面などの撮影は許可いただけなかったが、インタビュー取材にはPS Vita実機も用意してもらい、動画の表示クオリティの確認、マルチタッチの操作性などを実際に確認しながら説明を受けた。筆者も有機ELの画質を確認したが、PS Vitaはポータブルデバイスとして異例なほどに高画質だった。

FIFAワールドカップの動画を視聴してみても、映像の密度感、赤や青といった色の深みと鮮やかさなど全域の色の再現性は、液晶ににはない有機ELの強みが現れている。

また画面サイズについても、5インチという数字だけを見ると「PSPよりもひと周り大きくなった」という印象にとどまってしまう人もいるかもしれないが、実際の見た目には、大画面化のインパクトは相当に大きい。

有機ELを使った16対9の横長ディスプレイということもあり、2007年よりソニーが発売していた有機ELモニター「XEL-1」に近い印象を受けた。ディスプレイ解像度も、奇しくもXEL-1の940×540と比べ、縦方向が4ドット異なるのみだ。


■GUIも一新 − タッチ操作の新方式に

GUIについても一新されている。従来、PSファミリーのGUIはXMB(クロスメディアバー)によるタテヨコ操作から、タッチを中心に据えた形式にリニューアルされているのだ。

次ページ「ポータブルならではの楽しみ」を意識

1 2 3 4 5 6 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 XREAL、XREAL Oneが入った「開運福袋2026」を12/11から販売。200セット限定
2 HARBETHの魅力は“声”にあり!色褪せぬエバーグリーンなサウンドを、あえてのアニソンで斬りまくる!
3 5万円で激変、“DCリニア電源”をどう使う?トップウイングの「DC POWER BOX」徹底使いこなし!
4 AVIOT、LDACにも対応した1万円切りの“ピヤホン9”「TE-U1-PNK」
5 mora、ハイレゾ配信12周年キャンペーン第2弾スタート。「ハイレゾ大使」には森口博子が就任
6 『続・太鼓判ハイレゾ音源はこれだ!』#2【後編】- かつしかトリオ『“Organic” feat. LA Strings』リリース記念インタビュー
7 AURAS東京、シアターの常識を覆すかんたん操作&美しいデザインの“エンターテイメント空間”をカスタムメイド
8 LG、リアルタイムAIプロセッサー搭載の4K有機ELテレビ「OLED C5M」
9 【Qobuzダウンロードランキング】ブルーノート東京、夏の風物詩!矢野顕子トリオのライブ盤が1位にランクイン
10 Bowers & Wilkins、「801 D4」を六本木ISETAN SALONEにて特別展示。12/25まで
12/12 10:48 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX