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PR2026年はラグジュアリーな新色が登場!

Bowers & Wilkinsの名機「Px8 S2」と「Px7 S3」を名盤で聴く。「ワイヤレスヘッドホンの枠を超えた至上の音」

公開日 2026/07/31 06:30 海上 忍
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2025年のVGPアワードでヘッドホン大賞を含む特別賞を受賞したBowers & Wilkinsの2つのノイズキャンセリングヘッドホン。2026年になってもその勢いは留まることを知らず、販売実績も好調だという。新色も登場した「Px8 S2」と「Px7 S3」の魅力について、VGP審査員の海上 忍氏が、名盤の魅力と共に語る。

ワイヤレスの枠を超えた至上の音。それが「Px8 S2」

敬畏してやまないアルバムに、ジョン・コルトレーンの『至上の愛』がある。いわずと知れたジャズの名盤であり、伝説の作品だ。特に第1部『承認』後半の彼のブローは情熱的、という言葉では足りない。テナーサックスにおいては、それより上が存在しない随一の、まさに至上の名演ではないだろうか。

ここに「Px8 S2」というヘッドホンがある。Bowers & Wilkins(B&W)が展開するワイヤレスヘッドホンのフラグシップモデルであり、2022年に発表された「Px8」の第2世代機。これが、まさに、至上とも思える完成度なのだ。

Bowers & Wilkins「Px8 S2」ミッドナイト・ブルー(左)/パール・ブルー(右)
 オープン価格(予想実売価格129,800円前後)

特筆すべきは新しいドライバー、と書いてしまいそうになるが、実は前代からドライバーの仕様に大きな変更はない。振動板の素材はB&Wが誇るカーボンコーンを継続採用、口径も同じ40mm。しかし神は細部に宿るもの、驚くほど丁寧な検証と改良により確たる進化を遂げている。

改良点のひとつは、振動板外周にあるエッジとコーンの接着面の幅を狭くしたこと。接合部の面積を減らすことで、エッジの素材に起因する音のわずかなキャラクターの変化を排除。本来のカーボンコーンの特性をより純粋な形で引き出したのだ。それと同時に軽量化により、レスポンスも向上している。

Px8 S2は40mmカーボンコーン・ドライバーを刷新。同じカーボンでも配合率を変更したり、ボイスコイル、マグネットに加えて、エッジ部の接着面積にもメスを入れたりし、音質を大幅に向上させている

イヤーカップの薄型化も音質向上に寄与している。振動板の振幅とそれにより生じるエアフローやベントなどの処理を考慮すると、イヤーカップにはそれなりの容積が必要だが、B&Wのヘッドホン開発チームは薄型化に舵を切り開発を進めてきた。

薄いイヤーカップは兄弟モデル「Px7」の第3世代機(Px7 S3)の開発と同時に行われてきたが、薄型化の影響で音質を犠牲にしたかと思えば、逆に音質は一段も二段も上になったから驚きである。

そして声を大にしていいたいのは、全体のフォルムが美しくなったこと。

前代比約20%薄くなったイヤーカップは、装着時のシルエットを一変させた。アルミダイキャストのアームにはケーブルが少し露出し、レトロな雰囲気を纏わせる。

ヘッドバンドやイヤーパッドなど肌に触れる部分は加水分解しないナッパレザー、触れたときの感触もたまらない。細かいところでは、イヤーカップに刻印されたB&Wのロゴが少し小さくなり、英国流アンダーステートメントの美学を感じさせる。

Px8 S2の既存カラーモデル。オニキス・ブラック(奥)/ウォーム・ストーン(手前)

コルトレーンもいいが、繊細な再生能力を確認するという点ではキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』がいい。

会場となったオペラハウスの鐘の音をモチーフに即興で演奏されたという冒頭のフレーズは、カーボンコーンらしい解像度感で残響を含め精緻に描写され、数秒であの幽玄な音世界に引き込まれてしまう。

にわかにBluetoothとは思えない音が、ノイズキャンセリングの効果により静寂が保たれた環境で再現される。これもまた至上の音だ。

音、デザイン、機能、装着性にB&Wという安心感。有線/USB接続で楽しむ、マルチポイント接続で2台間を切り替える、という上級者向けの使い方も用意されている。手もとに置けば、長く「至上の愛機」となることだろう。

繊細だが快活、クリアだが艷やか。それが「Px7 S3」

英国を感じさせるバンドと聞かれれば、真っ先にフリートウッド・マックを挙げる。それも『Man of the World』、洗練された大人の男という意味の曲に代表されるコテコテなブルースを演奏していた、60年代後半のピーター・グリーン在籍時だ。

そして英国を感じさせるヘッドホンは何かと聞かれれば、真っ先にBowers & Wilkinsの「Px7 S3」を挙げる。

音質、装着性、ノイズキャンセリングなどの先進性、そして風格ある佇まい。ラグジュアリーとは少し系統が違う上質さは、Headphone of the World、洗練された大人のヘッドホンそのものといっていい。

Bowers & Wilkins「Px7 S2」フロスト・ブルー(左)/ビンテージ・マルーン(右)
オープン価格(実勢価格68,200円前後)

音質設計は徹底している。振動板は前代「Px7 S2e」のカスタム設計φ40mmバイオセルロースを継続採用するが、それ以外のエッジ、グリル、ボイスコイルは刷新されている。そこにオーディオの妙味があり、聴けば感じる進化があるのだ。

振動板を支えるエッジには、スピーカーのロールエッジに似たビッグロールデザインを採用。振動板の直進性を高めることで歪みの抑制を図る。グリルは開口率を高めることで音の微妙な変化を回避し、ボイスコイルは軽量化によりインパルス応答改善を狙う。そういった細やかな配慮の積み重ねにより、新しい音を確立しているのだ。

Px7 S3は40mm径バイオセルロース・ドライバーを搭載する。振動板素材のみ前世代から継承するが、磁気回路などドライバーユニットは大きく刷新。実際に前機種と比較して解像度感など大幅に向上している

特筆すべきはイヤーカップ。Px7とPx8の2ラインがあるB&Wのワイヤレスヘッドホンには、Px7で先に導入した技術を観察・検証したうえで上位のPx8に採用するという流れがあり、前代比約20%薄型化されたイヤーカップもそれに習う。

計6基から8基に増えたアクティブノイズキャンセリング用マイクも同じだ。マイクの配置が最適化され、ノイズキャンセリングの効果が改善されたという。

うち4基は通話用を兼ね、向上したビームフォーミング技術と音声処理アルゴリズムにより音声のクリアネスが増したというが、それはPx8 S2にも採用となった。先進性においてはPx7が優位、と解釈してもいいだろう。

Px7 S2の既存カラーモデル。アンスラサイト・ブラック(奥)/キャンバス・ホワイト(中央)/インディゴ・ブルー(手前)

試聴を開始すると、そのサウンドキャラクターに驚嘆する。繊細だが快活、クリアだが艷やかなその音は、アコースティックもエレキも難なくこなすのだ。

フリートウッド・マックの70年代ライブ定番曲『I'm so afraid』のギターは、フィンガーピッキングの繊細さを保ちつつ情感たっぷりのチョーキングを聴かせてくれる。

たおやかな曲調の『Songbird』は、小規模なホールを思わせるピアノの響きと透明感あるボーカル、それらの位置関係が鮮やかに描かれる。

ノイズキャンセリングの効果も歴然だ。周囲の状況に合わせ効果を最適化する「アダプティブ・アクティブノイズキャンセリング」に対応するからレベル調整の必要なし、オンにすれば納得のノイズ低減効果を得られる。

伝統・継続性を重視するが最新技術を積極的に取り入れ改善・改良を怠らない、という本機から垣間見えるB&Wの開発姿勢は、我らが知る英国らしさに近い。そんな洗練された大人のヘッドホンは、ともに暮らす喜びをもたらしてくれるに違いない。 

(撮影:阿部良寛)

SPEC

「Px8 S2」オープン価格(実勢価格129,800円前後)

●通信方式:Bluetooth Ver.5.3 ●対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX Adaptive、aptX Lossless ●連続再生時間:約30時間 ●質量:約310g ●付属品:USB Type-C to 3.5mmステレオミニケーブル(約1.2m)、USB Type-C to USB Type-Cケーブル(約1.2m)、キャリングケース

「Px7 S3」オープン価格(実勢価格68,200円前後)

●通信方式:Bluetooth Ver.5.3 ●対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX Adaptive、aptX Lossless ●連続再生時間:約30時間 ●質量:約300g ●付属品:USB Type-C to 3.5mmステレオミニケーブル(約1.2m)、USB Type-C to USB Type-Cケーブル(約1.2m)、キャリングケース

共通するのは初代から続くアームデザインとハウジングのスリム化だ。装着時の見た目が美しいだけでなく、装着性も高めている。また両機ともBluetoothチップセットから独立したDSP、DAC、アンプを搭載し、音質を高めている

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

※本記事は「プレミアムヘッドホンガイド Vol.34」所収記事を転載したものです

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