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「near」など新機能の思想にも迫る

発売直前!“AV機器としてのPS Vita”の実力とは? SCEスタッフに直撃インタビュー

公開日 2011/12/16 18:24 折原一也
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若井 PSPは2004年の発売から今年で7年目を迎え、一定の市場を獲得できたと思っています。そして、PSPに続く次世代のエンターテイメントシステムを作ろうと思ったときに、やはり「ポータブルならでは」のゲームコンテンツ、エンターテイメントコンテンツができてほしいな、という思いがありました。

PSPでは「ホームコンソールでできているものをポータブルでもそのまま美しく持ち歩く」というコンセプトでしたが、、PS Vitaではそこからかなり一歩踏み込んで「ポータブルならではの楽しみ」というものを意識しました。そうした考えの下、PSPとは異なる新しい試みの入力デバイスを採用したのです。

9月に行われた製品発表会で披露されたホーム画面

ここでPS Vitaの操作の方式をおさらいしておくと、十字キー、○×△□、LRボタンはPSPから継承。それらに加えて、アナログスティックが従来の1つからPS Vitaでは左右の2つに増えている。前面のディスプレイはマルチタッチ対応となり、さらに本体背面にもタッチパネルを採用という新しい試みが行われている。

若井 ディスプレイの裏側のエリアがタッチパッドになります。実は前面スクリーンに比べて少し小さくなっているのですが、一般的な持ち方で本体を持った際に問題なく背面タッチパネルを操作できる使い勝手は実現できていると考えています。

背面にタッチパッドを装備

インターフェースに関して言うと、テレビやレコーダー、PSPなど従来のソニーグループ製品が幅広く採用しているXMBは、前述のようにPS Vitaでは採用されていない。これはどういった理由からなのだろうか。

島田 GUIについては「XMBがダメ」というわけでなく、PS Vitaではディスプレイへのタッチ操作中心であるほうがベターなのではないかと思っています。

若井 XMBではカテゴリがゲーム、ミュージック、ビデオといった具合に分かれているわけですが、最近はそういうカテゴリに入りきらないようなエンターテイメントコンテンツが増えているというのも理由です。

(十字キーでXMBを操作する)ボタン操作は素早く反応して動かせるのに対して、画面上に並んだアイコンをタッチするという今回の方式のほうが、一画面上でいろいろやれるという特徴をもっています。そこで、今回システムソフトウェアのUIとしてはタッチパネルの操作をメインにしています。

もちろんゲームなど、それぞれのコンテンツに入ると、ボタン操作に適したものはボタン操作を採用していますし、タッチに適したものはタッチ操作になっています。

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