公開日 2025/03/17 06:30

【Qobuzを楽しむ30万円プラン】既存システムにWiiMをプラスオン!瀟洒なフレンチ・サウンドに新たな彩りを

アナログシステムにストリーミング再生を追加!

実力派フランスブランドの組み合わせ

「Qobuzを聴くためのシステム」を5つの価格帯で紹介・提案していく本シリーズ。今回紹介するのはWiiMのストリーマー「WiiM Ultra」、ATOLLのプリメインアンプ「IN50 signature」、Focalのブックシェルフ「Theva N゜1」の組み合わせで、金額的には30万円を想定したシステム。個性豊かなフランスのブランドのアンプとスピーカーに、最先端のストリーマーを加えるというコンセプトである。

WiiM「WiiM Ultra」(オープン、直販価格66,000円)、ATOLL「IN50 signature」(165,000円)、FOCAL「Theva N゜1」(121,000円/ペア)の組み合わせ ※すべて税込

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システムの中で再生機能を一手に担うWiiM Ultraは手に取りやすい価格と超多機能を両立する製品を手掛けるWiiMのフラグシップモデル。手頃な価格を維持しながら、メタル筐体の採用やフルカラーディスプレイの搭載など、外観も含めてフラグシップに相応しい内容を実現している。製品コンセプトとしては10万円システムで紹介したBluesoundの「NODE NANO」と共通するが、WiiM UltraはHDMI ARC端子など、より多くの機能を搭載する。

WiiM Ultraの背面端子。RCA入出力のほか、フォノ入力、HDMI ARCなども搭載する多機能が魅力

専用アプリ「WiiM Home」の操作画面。Qobuzとの連携も可能で、直感的な操作ができる点も魅力

IN50 signatureはATOLLのプリメインアンプで、同社のラインナップの中ではエントリークラスに当たる。シンプル&クリーンな装いの中に、同社らしい強力な電源部/大型のトロイダルトランスを搭載するのが特徴。なお、IN50 signatureは標準ではアナログ入力のみだが、オプションボードの装着でUSBを含むデジタル入力にも対応する。

本格アナログアンプをお求めやすい価格で展開しているフランスのATOLL

Theva N゜1は「Theva」シリーズのブックシェルフ。Focalならではといえるインバーテッド・ドーム型の25mm Al/Mg TNFトゥイーターと165mmスレートファイバー・ウーファーを搭載し、ブックシェルフとしては比較的大型の部類に入る。

オーディオならではの“魔法”を味わえる

今回のシステムでは、ずばりIN50 signatureの存在が最も大きいと感じた。ATOLLのアンプは「なんてことない」風貌で、その実強烈な駆動力と豊かな色彩感を兼ね備えているのだが、同じくフランス産のスピーカーであるTheva N゜1との組み合わせでも、その実力は遺憾なく発揮された。

ATOLLの良質なプリメインアンプの存在がシステム全体をリッチにしてくれる

スピーカーを思いのままにドライブしている印象で、出てくる音に窮屈さは一切なく、どんなジャンルの曲を再生しても生き生きとした色彩感に満ちている。特に低域はオーディオ的に精密な描写と音楽的な快感を両立しており、ビリー・アイリッシュ「bad guy」で聴くことのできた低域の実体感、ゴリゴリした質感表現などはずっと上位のシステムに匹敵すると言ってよい。

Theva N゜1はシャープかつエネルギッシュな表現を聴かせるが、それでいて高域が耳障りにならない絶妙なバランスを維持する。全体の傾向としては音数の多い曲を細部まで克明に描写するというよりも、比較的シンプルな曲を丹念に、エモーショナルに鳴らすという印象。ヨルシカ「へび」や「亡き王女のためのパヴァーヌ」は好相性で、特に後者はダイナミックレンジの広さも際立った。

再生機器であるWiiM Ultraも含め、システムトータルの能力はこのクラスまで来ると完全に「エントリー」を越えており、ノラ・ジョーンズ「Come Away With Me」ではオーディオならではの感動、愉悦、「魔法」とも表現できる体験を味わうことができた。

WiiM Homeの楽曲再生画面

余談だが、ATOLLの上位機種「IN100 signature」は電源規模がIN50 signatureから一気に4倍のデュアル・モノ構成となり、クラスで他を圧倒する充実の内容となる。実力的にも飛躍するので、ATOLLのアンプに興味を持たれた方はぜひ上位モデルも検討していただきたい。

WiiM Ultraの操作は純正コントロールアプリ「WiiMHome」から行う。WiiM Ultraは非常に多機能なストリーマーだが、必ずしも数々の機能を使いこなす必要はなく、Qobuzをはじめとするストリーミングサービスの利用に絞れば初心者であっても操作に迷うことは少ないだろう。

WiiM Homeはイコライザーやルーム補正など多彩な使いこなしも可能

今回のように純粋なアナログ・システムにストリーマーをアドオンするという発想は、音楽ストリーミングサービスをスムーズに導入するという意味でも、既存のシステムをそのまま活かすという意味でも有効になる。

IN50 signatureとTheva N゜1の組み合わせは音楽を聴く純粋な喜びに満ちており、そこにWiiM Ultraが現代的な多機能性を加えることで、相乗効果によってシステムの価値は著しく高まる。Qobuzをはじめとする音楽ストリーミングサービスは従来のオーディオシステムを否定したり時代遅れにしたりするものではなく、むしろ新たな魅力をそこに加えるものなのだ。

既存のオーディオシステムにWiiMを「アドオン」するだけで、オーディオ再生の楽しみが大きく広がる

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