公開日 2025/03/10 06:30

【Qobuzを楽しむ20万円プラン】JBL×ヤマハ、革新を続ける名門ブランドの最新ストリーミングサウンド

MusicCastアプリで楽曲選択もカンタン!

「Qobuzを聴くためのシステム」を5つの価格帯で紹介・提案していく本シリーズ。今回紹介するのはヤマハのネットワーク対応プリメインアンプ「R-N600A」とJBLのブックシェルフ「L52 Classic」の組み合わせで、金額的には20万円を想定したシステムだ。

ヤマハのネットワークレシーバー「R-N600A」(88,000円/税込)とJBLのスピーカー「L52 Classic」(132,000円/ペア・税込)

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フルサイズのアンプに歴史あるブランドのスピーカーということで、ベテランのオーディオファンにも違和感なく受け入れられる組み合わせも意識している。

ネットワーク機能も持つ多機能なプリメインアンプ

R-N600Aはヤマハが「ネットワークレシーバー」と呼ぶ製品群のエントリークラスに位置付けられるモデル。ネットワーク再生とプリメインアンプの両方を兼ね備えたモデルである。R-N600Aはエントリークラスとはいえ、ネットワークオーディオのプラットフォーム「MusicCast」を搭載しており、機能・仕様面においては上位モデルと同等。

ヤマハの専用Music Castアプリ(iPad版)。同社のネットワーク対応製品(AVアンプも含む)はすべてこのアプリから操作できる

QobuzやAmazon Musicなどの音楽ストリーミングサービスに対応するほか、ネットワークでWAV/AIFF 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzネイティブ再生に対応するなど、手持ちのハイレゾ音源を再生する用途にも万全に応える充実の内容となっている。

なお、ヤマハはR-N600Aの上位機として「R-N800A」「R-N1000A」「R-N2000A」の3モデルを擁して充実のラインナップを構築しており、同ジャンルへの力の入れ具合が見て取れる。R-N600Aを含め、フルサイズの伝統的なオーディオ機器らしい佇まいと、ストリーミングへの対応をはじめとする現代的な機能性を融合させたシリーズだといえる。

L52 ClassicはJBLの「Classic」シリーズの最もコンパクトなモデルで、豪華なリアルウッド・ウォールナット仕上げとしっかりしたフロントグリルによる、文字通りのクラシカルなデザインが特徴。もっとも、クラシカルなのは装いだけで内容的には最新の新技術が投入されており、ユニットには新設計の133mm径ホワイト・ピュアパルプコーン・ウーファー、新開発の25mmチタン・ドームトゥイーターを搭載している。フロントバスレフかつ昨今のブックシェルフとしては奥行きが浅いため、設置のしやすさも本機の強みとなる。

「L52 Classic」のグリルを外したところ。133mm口径ウーファーとチタン・ドームトゥイーターで構成。HFのアッテネーターがつくのもJBLらしさ

音楽にゆったり向き合えるウェル・バランスな再生音

前回の「10万円システム」はコンパクトさを活かしてテーブル設置をイメージしたセットアップだったが、今回からは金額も含めてより本格的なシステムとなるため、しっかりとスタンドを使ったセットアップで試聴を行った。もちろんソースはQobuzで、MusicCastアプリから再生を行っている。

本格的なシステムを構築し試聴を開始

R-N600AとL52 Classicの組み合わせは、俊敏な反応の良さよりも、ゆったりと音楽に向き合える、ウェル・バランスな再生音が聴きどころ。

JBLのスピーカーというとポピュラーミュージックやジャズを得手とするイメージがあり、実際に今回の試聴を通じた印象もそれを裏付けている。ジョン・コルトレーン「Blue Train」の厚い&熱い表現や、ビリー・アイリッシュ「bad guy」の主張強めで聴き応えのあるボーカルはその最たるものだ。ただ、それ以上に今回印象に残ったのは、「亡き王女のためのパヴァーヌ」といった繊細な曲にも高い対応力を示したこと。L52 Classicからは良い意味で粗さのない穏やかな再生音も引き出せており、これは組み合わせたR-N600Aのアンプとしての高い実力を証明している。

ストリーミングチャートでの上位ランクイン楽曲を中心に試聴

L52 Classicのウーファーサイズは133mmと大きくもなく小さくもなくといったところだが、R-N600Aとの組み合わせで中低域の不足を感じることはなく、それどころかより大きなサイズのブックシェルフに匹敵するほど中低域は充実しており、これが先述した「ウェル・バランス」という印象にも繋がっている。

 

家庭内のオーディオセンターとして活用できる

MusicCastはストリーミングサービスの利用だけでなく、対応するヤマハ製品の入力切り替えや音量調整などもカバーする。操作感はまずレスポンスが良く、わかりやすいデザインも相まって、ネットワークオーディオに初めて触れる人でも安心して使える仕上がり。入力切り替えや音量調整は付属するリモコンからも行えるため、アプリはあくまでもQobuzに専念させるという使い方も可能だ。

今回のテーマはあくまでもQobuzが中心だが、R-N600Aはアナログ・デジタルの豊富な入力を活かし、家庭における音楽再生の中枢を担うに足る。まずは純粋なフルサイズのプリメインアンプとして導入して、いずれQobuzをはじめとする音楽ストリーミングサービスを使ってみる、という流れもおおいにアリだ。 

R-N600Aの背面端子。各種アナログ入力も備えているため、CDプレーヤーやアナログプレーヤーとも連携可能。Qobuzはもちろん、CDやアナログ再生も楽しみたい場合は大きな選択肢になる

R-N600AとL52 Classicの組み合わせは、デザインと内容の両面で「クラシカルな要素と現代的な要素の融合」が強く感じられるシステムであり、再生音の傾向的にも、オーディオの先端を追求するよりも、ゆったりと音楽に浸ることを第一にするオーディオファンにこそすすめたい。

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