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公開日 2022/01/05 06:30

50年の技術とノウハウを結集。アキュフェーズのセパレートプレーヤー「DC-1000/DP-1000」を聴く

【特別企画】オーディオ銘機賞2022 金賞受賞
井上千岳
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ACCUPHASE(アキュフェーズ)の50周年記念第3弾であり、第5世代のセパレート型SACD/CDプレーヤー「DC-1000」「DP-1000」がオーディオ銘機賞2022で金賞を受賞した。従来のデザインポリシーを引き継ぎつつ、新たな工夫が施されたこの2モデルのサウンドを解説する。

ACCUPHASEのCD/SACDトランスポート「DP-1000」(上/1,375,000円/税込)とDAコンバーター「DC-1000」(下/ 1,375,000円/税込)

■蓄積されたノウハウを取り入れながらリファイン

今年創立50周年を迎えるアキュフェーズの記念モデル第3弾である。DAコンバーターはもちろんトランスポートにも根本からリファインを試み、蓄積された新技術やノウハウをことごとく取り入れながら見事に成功を収めている。

「DP-1000」ではまずドライブメカニズムの刷新が目覚ましい。スピンドル・モーターにアウターローター型のブラシレスDCモーターを採用。半導体素子で駆動するため機械的接点がなく、振動や騒音が低く抑えられている。また回転軸を極力太く短くすることで芯振れを低減。高剛性シャーシにモーターを固定し、振動の減衰を図る。さらに「DP-570」で開発された弾性ダンパーで振動を遮断し、大型化されたブリッジはトレイ後方に遮蔽壁を設けて風切り音を低減するという仕組みだ。

DP-1000のSACD/CDドライブメカは、重量7.2kgのドライブを3.8kgのボトムプレートに搭載する構造を採用。この低重心構造により筐体のふらつきを抑えると同時に、外部からの振動を大幅に削減する

このほか信号系と駆動系の電源を分離。トロイダルトランス2基とカスタム仕様のコンデンサーで強力電源回路を構成している。フレーム構造も2ピースからL字型一体構成として剛性を強化した。

DP-1000のリアパネル。デジタル出力はRCA同軸とHS-LINKの2系統を装備

「DC-1000」は基本的に「DC-950」を踏襲した構成だが、低雑音・低歪み化を徹底して音質を向上させている。

DSDのDA変換には独自の8MDSD方式を採用、PCMも独自の8MDS++方式である。DSDでは8回路のDACを並列動作させ、ここに2分の1クロックずつずらした信号を入力して高周波成分を除去したアナログ信号を得る構成である。PCMの場合は8個のDACに直接デジタル信号を入力し、出力を合成してアナログに変換する。DACデバイスには従来通りES9038PROを使用しているが、DAC部のI/V変換回路にANCC回路を搭載しているのが注目される。フィードバック回路にもう1個歪み打消し用のアンプを挿入し、全体の歪みをこのアンプの歪み成分だけに絞り込むことでS/Nを改善する独自の回路である。また周辺回路や配置を全面的に見直し、理想的な構成も実現した。

さらにフィルターアンプは2回路を並列化し、ここでもANCCを採用することで高性能化を図っている。トータルではS/Nが約11%、歪み率は約12%改善されているという。その他電源部にもトロイダルトランスとブロックコンデンサーを新規開発して、強力な供給態勢を整えている。デジタル部、アナログ部、DACそれぞれの独立電源構成である。

DC-1000のデジタル入力は、RCA同軸×3、AES/EBU、光TOS×2、USB-B、HS-LINKの8系統。アナログ出力はRCAとXLR。RCA同軸と光TOSのデジタル出力端子も設けられている

■彫りが深く、明瞭な輪郭と立ち上がりであらゆる音を明快に描く

同じCDやSACDでここまで出方が違うのかと思わせるほど凄い音だ。どこもここも彫りが深い。甘いところや曖昧なものがひとつもなく、明瞭な輪郭と立ち上がりの強さであらゆる音を明快に描き切っている。

ノイズや歪みが極限的と言ってもいいほど減少し、刺々しい硬質感や不鮮明な濁りはどこを探しても出てこない。低域の深さと解像度、高域の伸びやかさと生命力が、生き生きとしたライブさながらの再現を引き出すのである。

バロックの潤いに富んだ艶やかさは、ひとつひとつの音が輝かしくしなやかな起伏が典雅な音楽空間を作り上げている。弦楽器やオーボエなどの小編成なアンサンブルが、目の前に出現したような奥行と位置感の正確な鳴り方をする。

ピアノはこれ以上ないほどの静寂感に包まれ、ひっそりとして弱音のデリカシーが精妙なニュアンスで明滅する。表情の彫りが深いのだ。そして低音部から高域の端まで、タッチが常に瑞々しい。

マドリガルの空間性はリアルそのものだ。声楽だけでなくリュートやチェンバロといった伴奏楽器まで、その位置が指で示せるほど明快。音場全体が見えるのだ。オーケストラも奥の深い音場だが、ダイナミズムが広大で音数が極めて多い。ディテールの隅々まで生命力が行き渡り、音が生きて動くのである。

(提供:アキュフェーズ)

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