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公開日 2015/02/19 11:43

<話題の映画別・画質チェック>オプトマ旗艦プロジェクター「HD90」の実力を探る

林正儀が自宅で徹底視聴!
林 正儀
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理想の映像表現を求めてプロジェクターブランド“オプトマ”が送りだした、次世代の旗艦モデル。それが「HD90(関連ニュース)」だ。「フルHD+LED光源」の採用により、DLPプロジェクターからカラーホイールをなくしたイノベーションは大きい。

HD90

RGB-LED光源の仕組みイメージ

メリットはDLP独自のよさ。そもそもデジタルシネマで使われている技術であり、色域の広さやユニフォーミティのよさに加えて、筐体をコンパクトにスマートに仕上げることができるのが特徴だ。早速筆者のシアタールーム(120インチ)で視聴した、感動のインプレッションをお届けしよう。

従来のカラーホイール換算で約24倍速の点滅を実現しているのと同じになるとのこと。これによりカラーブレーキングを極限まで低減し、さらに色域を一般的なNTSCの約1.6倍拡大したという

ランプと比較して約2倍の明るさまで再現する

従来の単板DLPに比べ、色ノイズに気づくことなく映像に没入できるのがまず第一印象である。50万対1のコントラスト比も、驚くほどではないがDLP機としては異例。どの作品も黒が重厚に沈み、白方向も力強くスムーズなのび方だ。

今回はピュアエンジンの進化も大きい。「スーパーピュアモーション」の機能で、高フレームレートの作品(ここでは「ホビット」にてチェック)でも大きなパンニングでのジャダーが目だたず、はるかに見やすくなった。さらにその設定をオフ/ロー/ミッド/ハイの4ポジションから選べるのは嬉しい。また、超解像の「ウルトラディテール」も効果が適切で「これは使えるナ」と感じた(HD90の画質調整機能については、こちらの記事もチェック!)。

ピュアエンジン調整メニュー

UltraDetailメニュー

■映画タイトル別・HD90の実力をチェック!

ではさっそく、映画タイトル別にHD90のクオリティをチェックしていこう。画質調整機能も細かく搭載されており多彩そのものといえるHD90だが、今回はディスプレイモードの中でも、最も自然と思える「リファレンス」で鑑賞してみたい(ほかにシネマ、フィルム、フォト、ブライトがある)。

▼オブリビオン

「オブリビオン」は、冒頭のスカイタワーの場面から壮大かつ美しい世界観をクールに描いている。山々も実写らしくリアリティに溢れる。さすがに4K撮影の精密さだ。遠近法を駆使した映像のダイナミックさやフォーカス力にはみとれるばかり。HD90のレンズ性能が伺えよう。CP14の池のシーンはいわずもがなで、ディテールの極限まで光のペンがさえ渡る。DLPの乾いた発色と質感も改善され、湖面の波だちや空気のヌケるようなみずみずしさが圧巻だ。

▼ゼロ・グラビティ/ゼロ・ダークサーティ

暗部の再現能力については、「ゼロ・グラビティ」や「ゼロ・ダークサーティ」を集中チェック。陰影の解像度が飛躍的に向上し、闇の中での光や微妙な色の存在までこれまでのDLPにはないレベルで再現してくれる。地球上空6000キロ、視聴者がまさに無重力状態を体感しているようで、宇宙の漆黒と太陽光のコントラストをたっぷりと堪能できた。シャトルに衝突した無数のスペース・デブリ(宇宙のゴミ)の危険な美しさも必見だ。よく見るヘリコプターの山岳飛行も粘っこいダーク再現であり、谷の深さやゴツゴツした岩肌の質感もリアルな手ごたえだ。大型スクリーンに機内の緊張感が伝わった。

▼ヒッチコック

女優の肌あいなど“色”をチェックするなら「ヒッチコック」だろう。庭の花々は緻密さあふれ、それに続く室内のシーンでは艶やかな紅色のソファーや衣装が網膜に染み込むようだ。スカーレット・ヨハンソンが挑む伝説のシャワーシーンは、もう黙って見て欲しい。強い殺意と恐怖にひきつる青ざめた顔のアップに、ヒッチコック映画「サイコ(Psycho)」の真髄がある。唇は震え毛細血管まで色を失ったようだ。全編モノクロ映像だが、あのジャネット・リー(昨年没)の映像とリアルに重なった。

▼ゼロ・グラビティ/タイピスト

女優といえば「ゼロ・グラビティ」のサンドラ・ブロックもそうだが、やや黄色みを帯びた肌が、柔らかな自然光のもとで誇張感なく描かれていた。フランス映画では、「タイピスト」のパステルタッチな淡い色調も、ノイズや汚れがないためにすっきりとしたトーンで楽しめる。早打ち大会のスピーディな動きも、「ピュアモーション」で軽快にこなすスグレものだ。ハッピーになれる作品である。

▼ゴジラ2014

1本は怪獣映画もいいだろう。「ゴジラ2014」だ。ハリウッドの再リメイクで、CGも映像も最先端である。HD90はそこに光をあて、精密に高コントラストに、とてつもなく巨大かつ狂暴なゴジラ像を描きだす。リアルなのは建物や実写風景との対比だろう。すみずみまで描くフォーカスのよさを実感する。背中のトゲや皮膚の質感も生々しいほどに不気味だ。

▼アナと雪の女王/マレフィセント

最後に「アナと雪の女王」「マレフィセント」を見よう。どちらも色純度が冴える。緑と赤は特に発色がビビッド。全体にホワバラも適切でナチュラルなものだ。明るく豊富な色のテクスチャーがすばらしい。「アナと雪」はフルHDとは思えない精細さで、雪や氷の透明感がみごとだ。

「マレフィセント」は美しさと、魔女としてのダークさのどちらも必要だろう。精霊のすむ森の奥行きや、発光色の幻想的な雰囲気が前半の見所である。オーロラ姫やピクシー(妖精)など、「シネマ」モードだとやや赤みを帯びた傾向になるので、やはり「リファレンス」がオススメだ。HD90では、アンジェリーナ・ジョリー扮するマレフィセントの頬骨の張った特殊メイクを克明なタッチで描写。ダークサイドを描く闇の世界のデザインと空気感がまた素晴らしく、秀でた黒階調がここでも生きる。

このようにHD90はDLP最高レベルといえるパフォーマンスの高さとともに、ジャンルにかたよらない表現力の多彩さが魅力だ。デジタルシネマの色彩、精細感をぜひ日本のシアターファンに感じ取って欲しい。

(林正儀)

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