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公開日 2014/12/04 12:21

<実売9万円台の高CPプロジェクター>オプトマ「HD26」視聴レビュー

カラーブレイクの抑圧に優れ“映画らしい映像”が楽しめる
大橋伸太郎
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今季オプトマが日本に投入する新製品のうち、リビングなどカジュアルな場面での使用を想定した低価格帯(希望小売価格90,000円前後)のプロジェクターが「HD26」だ(関連ニュース)。詳しい仕様はスペックを参照されたいが、0.65型DC3 DMDパネル(1,920×1,080)を一基搭載したDLPプロジェクターである。

HD26

最大輝度は3,200ルーメンで、コントラスト比25,000対1。同時発売の姉妹機「GT1080」が固定焦点モデルであることに対し、ホームエンターテインメント用途の本機はズーム機能を持つ。DLP LINK機能で3Dに対応、エミッター(送信機)が不要でクロストークも少ない。MHL機能にも対応し、スマホやタブレットの画像データの投写にも対応を果たした。

電源を含む各端子を背面ではなく本体サイドに備えていることもポイント

本体天面の操作部

■カラーブレイクの抑圧に優れ、“映画らしい映像”が楽しめるDLP機

今回は音元出版の視聴室でHD26を視聴した。特筆大書すべきは、本機がカラーブレイク(色割れ)の抑圧に優れていることだ。輝度差の激しい部分、例えば今回入力に使用したBDプレーヤーのパイオニア「Pioneer」の白抜きロゴ周辺には若干発生したものの、映像部分はほぼ皆無であった。カラーブレイク抑圧に関しては、遥かに高価格なDLPプロジェクターに勝っているといっても良いだろう。低価格機なのに非常に立派、むしろ画期的でさえある。

カラーモードは「シネマ」「参照(リファレンス)」「ゲーム」「鮮明」「ユーザー(カスタム)」と少ないものの、前の2つでも事足りる。映画ソフトを見る場合、シネマを選択し輝度はそのままコントラストを下げると良好なバランスが得られる。ただ黒が今一つ締まらずうっすら浮く面もあった。しかし階調表現にも優れているため、難関ソフト『オール・イズ・ロスト』冒頭薄明の空に現れるバンディング(階調段差)も目立たない。『バチカンで逢いましょう』の俳優のクローズアップの肌や瞳の精細感、オンタリオの屋外ロケの奥行き、中間色も豊かで的確なバランスだ。

投影イメージ

付属リモコン

そして本機が最も優れているのは、しっとりした映画らしい映像が楽しめる点だ。発色もマイルドでDMDに見られがちなぱさついた質感がない。記録映像『ネイチャー』では深い奥行き感の自然な映像が楽しめリアルな鮮鋭感がある。色彩も豊富。入力映像の特徴と持ち味を自然に表出する柔軟性とユーティリティがある。

設置面に関しては、コンパクトで扱いやすいサイズを実現していることは大きなメリットだろう。なお、ズームの範囲がやや狭めでレンズシフト機能がないので、環境によっては設置性が制約される場合もあるかもしれない。

本機は、DLP方式に魅力を感じている人はもとより「DLP方式が苦手な方にもお薦めできるDLPプロジェクター」ともいえるだろう。カラーブレイクという単板方式の弱点をほぼ克服し、一方DLP方式の長所のひとつであるコンパクトネスと低価格は堅持している。

プロジェクター(ディスプレイ)の最大要件を〈黒表現〉のクオリティに置くならば、数倍の予算を追加してLCOS方式を買った方が良いということになるだろうが、HD26が持つ映画館的なボトムが浮いたややナロウなコントラスト感覚は、シネフィルにはむしろ快適ではないかと思われる。9万円台という低価格帯ながら、バランスの良い価値ある製品だ。プロジェクター入門機をお探しの方は必見の新モデルである。

(大橋伸太郎)

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