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公開日 2018/12/06 16:18

クアルコム「Snapdragon 855」詳報。モバイルの5G/オーディオ/ビジュアル体験が変わる

新コーデック「aptX Adaptive」標準搭載に
山本 敦
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米クアルコムが総勢330名を超えるジャーナリストとアナリストをハワイ・マウイ島に集めて、第3回目となるカンファレンスイベント「Qualcomm Snapdragon Technology Summit」を、現地時間12月4日から開催している。

当イベントでモバイル向けチップセットの最新フラグシップSoC「Snapdragon 855」と、2019年の早い段階で商用化が見込まれる5G通信に関連するクアルコムの取り組みが明らかにされた。

クアルコムが最新フラグシップSoC「Snapdragon 855」シリーズを発表。2019年に発売されるモバイル端末から採用が始まる予定

Snapdragon 855シリーズは、7nmプロセスルールにより製造される64bit対応のSoC(システム化されたICチップ)だ。概略については4日に行われた5G関連の基調講演で先行プレビューを実施した格好だが、現地時間5日開催の基調講演が正式発表の場となり、最新のSnapdragonの内容について踏み込んだプレゼンテーションが行われた。本稿ではその特徴をまとめながら、とりわけこれからのスマートフォンなどスマートバイスによるオーディオ・ビジュアル体験の革新につながる技術にスポットを当てたいと思う。

5GとAIを強化したSnapdragon 855のハイライト

クアルコムテクノロジーズのSVP兼プロダクトマネージャーのKeith Kressin氏が新チップセットの特徴を解説した

今回参加者が最も関心を寄せたトピックは「Snapdragon 855 Mobile Platform」による5G対応の中身である。クアルコムは2016年の10月に5G対応の「X50 5G」モデムICチップを先行リリースしているが、単体では5G通信しか扱えない。そこでSnapdragon 855シリーズのSoCに含まれるモデムICチップ「X24」と組み合わせることにより、5G通信のすべてのミリ波と呼ばれる新しい高周波数帯である「5G NR(New Ratio)」と、6GHz未満の周波数待機「Sub-6」をカバーしながら、4G LTE通信にも対応するモバイル向けプラットフォームとして仕立てた。

Snapdragon 855シリーズと5G対応の「X50 5G」モデムICチップによる5G/4G対応を実現する「Snapdragon 855 Mobile Platform」

「5G通信の商用規格については世界各国・地域のスタンダードがまだ定まっていないため、現時点でシングルチップ化することに開発コストをかけるよりも、5Gにいち早く、柔軟に対応することを優先した」のだと、クアルコム テクノロジーズのMobile SVP and General Managerを務めるAlex Katouzian氏が意図を説明している。

クアルコムテクノロジーズのAlex Katouzian氏

なお、モデムICチップの「X24」も下り通信のスループットが最大2Gbpsのマルチギガビットに対応するなど、高いパフォーマンスを確保している。クアルコムが発表した5G端末のリファレンスデザインでは、独自開発のミリ波対応アンテナモジュール「QTM052」を本体の四辺に配置して利得を高めながら、5G通信の安定したスループットを獲得する手法を採用している。

大幅な小型化を実現したクアルコムの5Gリファレンス端末が展示された

無線LANについては、北米で2019年の8月に策定が見込まれる次世代規格「Wi-Fi 6/11ax」への対応準備をいち早く図った。ほかにも11ac、11a/b/g/nもサポートする。他にも、北米で開拓が進む60GHz帯を活用する10Gbps対応のミリ波高速無線通信技術「11ay」も含め、Wi-Fi技術の全方位対応を打ち出した。

Wi-Fi対応も強化。モバイルでは世界で初めて次世代規格「Wi-Fi 6/11ax」もサポートした

ヘテロジニアス・コンピューティングの基幹部である独自設計のCPU「Kyro 485」は、3基の高性能コアと4基の高効率コアに加え、全体のパフォーマンスをコントロールする1基のプライムコアから成る合計8コア構成だ。

「従来のクアルコム独自設計によるCPUの中でも、最大の飛躍を遂げたことで、アプリを最も高速かつ効率よく動かせる」と、壇上で説明を行ったクアルコムテクノロジーズのProduct Management Senior DirectorであるTravis Lanier氏がアピールする。そのパフォーマンスは、Snapdragon 845に搭載するKyro 385との比較で約45%も向上しているという。

クアルコムテクノロジーズのTravis Lanier氏

CPU「Kyro 485」のパフォーマンスが大きな飛躍を遂げた

次ページ映像面ではHDR10+/HLG対応や、HEIFフォーマットもサポート

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