公開日 2011/01/09 11:02

【CES】折原一也のCESレポート − 薄型テレビの二大トレンド「スマートTV」「3D」を読み解く

4K2Kテレビや有機ELはどうなるのか
CESの取材成果を聞かれた時に、筆者はいつも一年後のトレンドが見えたと答えている。イベント終了後、日本で直近に起こることではなく、文字通りの意味で一年後、つまり2011年の年末〜2012年初頭に登場している製品・サービスが見えてくるのだ。

昨年はCESで3Dが盛り上がっていたことを周囲に伝えても冷ややかな反応を受けることもあったが、ところがやはり年末にはちゃんと3Dテレビは盛り上がりを見せた。今回のCESの展示では、昨年から引き続きスポットがあたる3D関連だけでなく、ネットワークテレビが大きな盛り上がりを見せている。この2つのトレンドを詳しく解説していこう。

今年のトレンドのひとつは着実にコンセプトが固まっていく「3D」だ

今年の3Dは“裸眼”に注目が集まる

先ずは、3D関連の話をまとめていこう。昨年の会場の様子と比較すると、3Dの進展には製品分野ごとの温度差がそれなりにある。まず、薄型テレビは、“メガネ付き”の3Dテレビはあって当然のものとなり、ブース内で特別にハイライトされている感は少ない。3Dは技術そのものというよりは、放送などコンテンツとの関わりをアピールする方向にシフトしている。

最も積極的に3D展示をしていたメーカーの一つがパナソニックだ

メガネ型3Dテレビの展示はコンテンツのアピールを中心に移行しつつある

3Dテレビで大きく存在感を示していたのは、ソニー、東芝らの展示していた“裸眼3D”技術だ。4K2Kパネルを搭載した裸眼3Dテレビ「グラスレス3Dテレビ」を公開した東芝のデモは常時長蛇の列を作っていた。ソニーの展示した3方式の裸眼3Dテレビのデモは、試作機でありながら3D映像の画質は一定の水準に達しており、高く評価できる仕上がり具合だった。

気になる商品化の時期について、ソニーはまだ技術デモの段階で、しかも複数の方式を展示するなど、本命の技術を絞り込めていない状況だ。もっとも、冒頭で書いた通り、CESで展示されていた技術や商品の多くが、およそ一年ほどで製品化を実現することが多くあるとすれば、年内の登場は十分ありえる話だ。

東芝による裸眼3Dデモには長蛇の列

ソニーも4K2K、フルHD、有機ELと3種類の裸眼3Dを展示

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