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公開日 2007/03/27 18:42

村瀬孝矢の“Wooo”「P50-XR01」「L37-XR01」最速画質レポート

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日立の薄型テレビ“Wooo”に、フルHDプラズマをメインに据えた新しい「01シリーズ」が誕生した(関連ニュース)。この原稿では、その中でもハイエンドとなる“XR01シリーズ”の画質を中心に見ていこう。

P50-XR01

L37-XR01

昨秋に60V型のフルHDプラズマテレビを投入した同社だが、これを弾みにして、今回は主力サイズの50V型を用意してきた。中でも注目なのは、既にパネル開発を発表していたフルHDのALIS方式50V型パネルを搭載した「P50-XR01」だ。この後、42型のフルHDパネルも年内に追加する計画だ。

フルHDに注力するのは液晶テレビも同様。新開発の37型IPSαパネルを使ったフルHD液晶テレビ「L37-XR01」も発表した。また単にフルHD化だけにとどまらず、流行りの120Hzドライブも採用している。

好評の録画機能に新たな付加価値を盛り込んだ


本体右側面にiVポケットを装備
また、テレビ内蔵のHDDレコーダースタイルでもユニークな機能、使い勝手を盛り込んだ。同社は2003年と早くからHDDレコーダー内蔵薄型テレビを市販しており、それが新しいテレビ視聴スタイルを作り上げたという自負がある。その便利さ、使い勝手の良さを押し進めるべく、新しいXR01シリーズでは着脱型HDDレコーダースタイルを打ち出した。「iVDR」という別売の着脱型HDDを外部ソケット(iVポケット)に差し込めるようにし、HDDの増設やマイディスクの管理ができるなど、新しい用途提案を行う。

さらに、コンテンツ保護機能を盛り込んだ「iVDR-Secure」を使用すればデジタル放送番組の録画やムーブにも対応。さらに内蔵HDDへの書き戻しなども自在に行える。このiVポケットはXR01シリーズ2機種はもちろん、HR01シリーズ3機種にも装備される。なお、外付けiVDR-Sは日立マクセルから80GBと160GBの2タイプが用意されている。

高画質化のための様々な新技術


発表会の会場では「ファインブラックフィルター」と従来フィルターの比較デモが行われた
画質面では、新たに搭載されたフルHDの50V型PDP、また3V型フルHDの液晶パネルがそれぞれ高画質化に寄与している。特にプラズマはALISの特徴である高輝度をベースに、新しいカラーフィルターの装着で色範囲を広げたほか、前面には照明下でコントラスト低下を防ぐねらいのファインブラックフィルターを新たに装着、リビングのテレビ観賞でも鮮明な映像が見られるよう工夫している。また、新パネルは1.8mmガラスの採用により軽量化も図り、省エネ化も同時に実現している。

フルHDの液晶IPSαパネルは倍速120Hz対応型というのが特徴、これまでも採用していたスーパーインパルス表示を継承し、動画表示に強い液晶テレビとして仕立ててきた。

映像処理面では「なめらかシネマ」の搭載が新しい。映画のテレビ鑑賞のときの一般的なコマ変換は2-3プルダウンといって映画フィルムから2つ、3つとそれぞれ連続的にコマ取りして60コマとするが、新開発の映像処理は、デジタル処理技術を使って連続するコマ映像を生成し、動きがカクカクしない非常に滑らかな映像を作り出すもの。2-3プルダウンの映像を見慣れた目には、映画的なカクカク感がないのでビデオ映像のように見え、「らしく」ないように感じるかも知れないが、スムーズな動きが実は本来のものであり、これを実現したのは特筆できる。

なお、映像処理エンジンはフルHD版の「Picture Master Full HD」である。搭載チューナーはデジタルダブルで2画面対応だ。

フルHDパネル搭載により精細感は大きく向上


「P50-XR01」
画質は注目のフルHD 50V型プラズマ「P50-XR01」を中心に紹介しよう。まず、フルHD化されて何が良くなったのかというと、それは何と言っても精細感の向上にある。放送に込められた情報を余すところなく表現することができ、本来のハイビジョンクオリティーを享受できるのは嬉しい。

新フィルターにより明所でも鮮明な映像を実現

また、今回のモデルで特に良くなったのが、リビング環境のような明るい室内でのテレビ観賞で、天井照明などの影響を受けにくい前面フィルターの装着効果が大きい。コントラストを下げずに明るさを高められるパネルの特性も手伝って、非常に鮮やかな画質が得られるのだ。また、新シリーズはノイズ低減効果も大きく、バックノイズや動きの激しいシーンで出やすかった擬似輪郭ノイズも相当少なくなったことは評価したい。

「なめらかシネマ」の貢献も大きい。カクカク感のない映画観賞はコンテンツに関心が向かいやすく特にハイビジョン映画などがより魅力的に見えるのだ。

液晶テレビ「L37-XR01」も素晴らしい。120Hzドライブ効果は、大きく動く画面でもクリアで、にじみやぼやけが少ない。画面も明るく、視野角も広くと、これまたリビングテレビ用に適している。

iVDR-Sに録画した映像も視聴したが、デジタルのTS記録では、当然の事ながら放送時とまったく変わらないクオリティーで楽しめる。タイムシフト用として活用したい。なお、独自のHDD容量を2倍に増やせるXCodeHD記録も実用的で、録画時間を優先したい一般番組用にお薦めである。

(村瀬孝矢)

村瀬孝矢 プロフィール
1948年、愛知県生まれ。オーディオ専門誌「ラジオ技術」誌の編集を経て、1978年よりフリーでA&V評論やコンサルティング活動を始める。 1991年にAV&Cの普及を目指したAVC社を設立。1998年よりプロジェクター専門誌「PROJECTORS」誌を編集、発行。国内外メーカーの最新プロジェクターを同一条件でチェックしており、国内でもっともプロジェクターの素性を知る人間のひとりである。日本画質学会副会長も務める。

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