公開日 2017/02/15 14:09

ロームがオーディオ用デバイスの取り組みを説明。聴感で音決め、ハイレゾ対応DACやアンプも開発予定

ハイレゾ用アンプやDACの開発も予定
編集部:小澤 麻実
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
既報のとおり、ロームは昨日同社のオーディオに関する取り組みを紹介するセミナーを開催。ハイレゾ対応新オーディオSoC「BM94803AEKU」も発表した(関連ニュース)。本稿では同社のこれまでのあゆみとオーディオ関連の実績についてレポートしたい。

ロームは1958年に設立。1969年からLSI事業をスタートし、1971年には日本企業として初めてシリコンバレーに進出した。現在の主力は車載用・産機向け製品だが、オーディオ向けLSIの歴史も1970年代からと長い。

ロームの歴史

オーディオ用LSI事業にも1970年代から取り組み。アナログ時代から現在に至るまで様々なデバイスを送り出している

また、公益社団法人ローム ミュージック ファンデーションを擁しており、若い音楽家の育成やコンサートの支援に取り組み。昨年1月にはロームシアター京都をオープンするなど、音楽文化を支える企業としての顔も持つ。

若い音楽家の育成やコンサートの支援なども行い、音楽文化自体の振興も担っている

同社の特長は、開発から製造、販売に至るまで自社で手掛ける垂直統合ラインと、幅広いラインナップ。担当エンジニアがひとつの製品を量産まで手掛けるほか、回路設計やレイアウト、製造プロセスや材質に至るまできめ細かくカスタムが可能。またIC単体ではなくソリューション提案を行うことをポリシーとしており、組織内に「高品質設計室」を設けるほか、活用方法まで含めた提案を推し進めているという。

開発から販売まで垂直統合で行うことにより、細部まできめ細かい対応ができるのが特長とアピール

こういった思想はオーディオ向け製品にも活かされているとのこと。昨年秋にリリースしたハイエンドAVアンプ向けサウンドプロセッサー「BD34704KS2/BD34705KS2」では、「ボリューム回路の抵抗ラダーに使う抵抗素子のノイズ」「電源/GNDの共通インピーダンス」「ボンディングワイヤーの材質」など音質に影響する28のパラメーターを、メーカーのニーズに合わせて最適化することで、狙いの音質を実現したという。

測定数値だけでなく、同社横浜テクノロジーセンター内に用意された専用リスニングルームにて聴感評価による最終チェックを経て音質設計を行っていることもアピールされた。

メーカーのニーズを汲みながら、測定や聴感評価により28のパラメーターを調整し、デバイスの音質設計を行っているという

また年間10社以上のメーカーに新製品を持ち込み、性能をアピールする試聴会も開催。同社オーディオ開発課の佐藤陽亮氏は「道場破りのようなかたち」と話す。

メーカーに新製品を持ち込んだ試聴会などもおこなっているとのこと

ローム オーディオソリューションLSI商品開発部 オーディオ開発課 佐藤陽亮氏

ロームはこれまでヤマハのフラグシップAVアンプ「CX-A5100」の電子ボリュームや、テクニクスのG30シリーズ/コンポ“OTTAVA"のフルデジタルアンプを共同開発してきた。またデノンのAVアンプ「AVR-X2300W」やアルパインのカーナビなどにも導入実績を持つ。

ローム製デバイスはヤマハやデノンのAVアンプ、テクニクス製品などに採用されている


テクニクスの製品にも同社デバイスが採用

そのほかにも様々な採用実績を持っている
今後はハイレゾ時代にあわせ、オーディオ用超低ノイズ電源ICやハイレゾ対応アンプ、ハイレゾ対応DACなどの開発も予定しているという。

今後もハイレゾ時代にあわせた新しいオーディオデバイスの開発を予定しているという

今後開発予定のオーディオ用超低ノイズ電源ICは、ハイレゾオーディオに適した超低ノイズLDOで、ノイズレベルは5μVrms以下、PSRRは50dB以上(1MHz時)を狙う。

またハイレゾ対応アンプは、50W以上の高出力スピーカーアンプを予定。DSP内蔵タイプで、SiCなどスピーカー駆動用トランジスタを外付けできるものになるという。

ハイレゾ対応DACはフラグシップオーディオ機器向けのもので、数値性能だけでなく力強い低音と伸びやかなボーカルを再現することを目指している。また車載にも使える信頼性も確保したいとしている。

説明会に登壇したオーディオ評論家の山之内 正氏は「これまではデバイスメーカーが提供したDACをオーディオメーカーが使いこなすのが普通のスタイルだった。しかし昨今のように音源が多様化すると、DAC部分にオリジナル技術を投入するといったメーカーも登場する。最近だとマランツがSA-10に搭載したディスクリートDACなどが記憶に新しい。デバイスメーカーが持つアナログ半導体のノウハウと、オーディオメーカーのチューニング技術を融合させる必要が出てくる。今後両者が一緒に開発に取り組む機会が増えていくと思う」と、ロームの取り組みについても期待を込めて語った。

説明会に登壇した山之内正氏

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 "カリスマ性"ともいうべきオーラを纏ったアキュフェーズ「E-4000」<販売店の声・売れ筋ランキング2月>
2 【インタビュー】Victorブランドは生涯にわたる音のパートナー。変化していくトレンドに“らしさ”を活かした提案を連打
3 オヤイデ/NEO製品の価格改定を実施。4/14より
4 「Sonos Play/Era 100SL」は“原点回帰”の象徴。Sonos新スピーカーのポイントを本国スタッフが語る
5 クルマで楽しむドルビーアトモス。メルセデス・ベンツ×ブルメスター×Apple Musicの新体験!
6 進化するMEMSドライバー最前線。フルレンジユニットで狙う、音質&ノイキャン性能の次なる可能性
7 フルテック、NCF配合の3P→2P変換電源アダプターに非磁性24K金メッキモデル「FI-PA NCF(G)」
8 B&W、スピーカー「803 D4」とマランツ「MODEL 10」など組み合わせた視聴イベント。4/4に青山で開催
9 カメラのキタムラ、初のヤマダデンキ出店。LABI池袋本店に買取強化店舗を3/27オープン
10 デノン、空間オーディオ機能搭載ワイヤレススピーカー「DENON HOMEシリーズ」。ブランド初のクラファン販売
3/27 10:59 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー200号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.200
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX