業界初ハイレゾ対応リファレンスデザインも

ロームがハイレゾ対応オーディオSoCを開発。多彩な対応フォーマット、傷ついたCDも滑らかに再生

公開日 2017/02/14 19:26 編集部:風間雄介
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ローム(株)は本日、同社のオーディオに関する取り組みを紹介するセミナーを開催。それにあわせてハイレゾ対応オーディオSoC「BM94803AEKU」を開発したことを発表した。1月から月産3万個の量産を開始しており、サンプル価格は4,000円/個。

ハイレゾ対応オーディオSoC「BM94803AEKU」

今回開発したハイレゾ対応オーディオSoCでは、マイコンやSDRAM、USB SDデコーダ、CD-DSP、CDROMデコーダ、DSPを統合した。

赤く塗られているところが今回のSoCに搭載されている機能

本SoCの特徴

ロームがこれまで培った回路技術やソフトウェア技術で最適化設計を行った。従来のSoCとCD-DSP、SDRAMを別々に実装した場合と比べ、実装面積を61%削減できる。

またSDRAMを内蔵したことで、チップ間ワイヤーを短くすることができ、デバイス間の輻射ノイズを大幅に抑えられる。

各機能を統合することで実装面積を削減できるほか、音質向上も実現

再生できるメディアやファイルが多いことも特徴。メディアはCD、USB、SDメモリーカード、スマホ(Android/iOS)、Bluetooth、PC(USB Audio Class 2.0)に対応する。

またファイルでは、CD-DAはもちろん、MP3やWMA、AAC、WAV、AIFF、FLAC、ALAC、DSDに対応。リニアPCMは最高192kHz/24bitまでに対応。DSDは5.6MHzまでの対応となる。なおBluetoothのコーデックはSBCとAACに対応する。

多彩な対応メディアやフォーマット

CDやUSB専用ICの開発で20年以上培ったノウハウを実装。CDでは、長年の使用で表面に傷の付いたディスクでも、高精度なサーボ技術や誤り訂正技術により、音飛び無く再生できるという。

またUSB再生の安定性も高く、新興国などで存在する、規格を外れた認識しにくいUSBメモリも読み込めるという。

傷ついたCDや規格外のUSBメモリーも滑らかに再生できるという

さらに周辺オーディオデバイスの性能を最大限に引き出す専用ソフトウェアも開発した。たとえばPC向けには、USB Audio Class 2.0(アシンクロナス接続)対応のソフトウェアや、Windows用のASIO 2.3対応USBドライバを用意。さらにWindows/Mac用のリファレンス再生アプリも提供する。同社ではこれにより、オーディオ機器の迅速な開発と工数の大幅な削減を実現できるとしている。

同社では、このオーディオSoCを中心とした、業界初となるハイレゾ対応オーディオリファレンスデザインも提供する。参考価格は70,000円/台。

業界初となるハイレゾ対応オーディオリファレンスデザイン

オーディオリファレンスデザインの各部の機能

ローム製のアンプやCDドライバー、BluetoothやSD、PCのインターフェースなども備えており、このリファレンスデザインを使用することで迅速なオーディオ機器開発が可能になると同社では説明している。

なお同社では今後、今回のSoCを上回るスペックのオーディオデバイスを開発する予定。具体的には384kHz/32bitの音源に対応させるほか、圧縮音源をハイレゾ再生するアップスケーリング機能も開発中とのことだ。

今後は384kHz/32bit対応やアップスケーリング機能などを搭載した新モデルを開発予定

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