4K UHD BD『キングダム・オブ・ヘヴン』、壮大なオープンセットで描く歴史大作。ぜひ大画面で見てほしい!
4K Ultra HD Blu-rayの注目タイトルをプロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。今回は、現在発売中の『キングダム・オブ・ヘブン<ディレクターズ・カット>』。画質と音質の見どころを、大橋伸太郎氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックした。
『キングダム・オブ・ヘブン<ディレクターズ・カット>』
STORY
鍛冶屋の青年バリアンの前に十字軍の騎士ゴッドフリーが現われる。「私がお前の父だ。一緒に聖地を守るのだ」。父と共にエルサレムへ旅立つバリアン。建国から100年、王国はキリスト教徒とムスリムの危うい均衡の下にあった。国王ボードワン四世は宿痾に侵され、虎狼の如き武将たちが独断専行する一方、知将サラディンの軍勢が聖地奪還をうかがっていた。
壮大な城壁が見どころ! 音声はDolby Atmosにリミックス
1187年のエルサレム陥落を描いた史劇。シリア、イスラエルでのロケはかなわず、『グラディエーター』で実績のあるスペイン、モロッコで撮影を敢行。エルサレム軍とサラディンの軍勢が地平線を埋め尽くし対峙する描写はCGを援用したとはいえ圧巻で、65型以上の大画面で見たい。
Dolby Visionだがコントラストを強調したシーンは少なく、砂塵の舞う赤茶けた荒野、無慈悲に照りつける陽射し、壮大なエルサレム城塞の描写が再生上のポイント。CH51夜更け、サラディンの使者が現われ、宣戦布告するナイトシーンは黒表現が美しいが、焼き込みの英語字幕が消せないのが難点。
DTS時代の定番ソフトだが、今回はDolby Atmosで収録。CH51投石機の放つ火球が量感を伴って頭上を通過し城壁を叩く。CH53攻め手の巨大な攻城器が次々に転倒、CH56城壁崩落でLFEが音場を揺るがす。CH58最後の対決、剣の切り結ぶ鋭利な音の描写も必聴。この時期のリドリー・スコットは娯楽一辺倒でない骨っぽさがあった。
SPEC
●製作:2005年/米 ●ジャンル:洋画アクション ●監督:リドリー・スコット ●出演:オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン ●本編ディスク:約194分、スコープ、Dolby Vision ●本編音声:英語Dolby Atmos、日本語Dolby Digital 5.1ch ●字幕:日本語、英語、日本語吹替用 ●特典:リドリー・スコットによるイントロダクション、音声解説ディレクターズ・カット(ロードショー版)3種、トリビア字幕解説ディレクターズ・カット(ロードショー版)






























