公開日 2020/09/04 10:55

<IFA>クアルコム、安価な5Gチップ「Snapdragon 4」。完全ワイヤレス向けアダプティブノイキャン技術も

OPPOとXiaomiがSnapdragon 4採用スマホ開発を表明
ファイルウェブ編集部・筑井真奈
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リアルとオンラインを組み合わせた初の試みとしてスタートした世界最大のコンシューマー・エレクトロニクスショウ、IFA。9月3日のドイツ時間10時より(日本時間17時より)、クアルコムによるプレスカンファレンスが開催され、5G時代を見据えたモバイル向けチップセット、Snapdragon 4シリーズと、よりセキュリティ面を強化したSnapdragon 8CX Gen2 5Gが発表された。

クアルコムの社長、クリスティアーノ・アモン氏

クアルコムのプレジデント、クリスチアーノ・アモン氏は、新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、ライフスタイルや仕事のありようが大きく変化している時代において、コネクティヴィティがもつ重要性を繰り返し指摘。クアルコムは、5GやWi-Fi 6、クラウド、AIといった先端技術を通じて、デジタルトランスフォーメーションがますます発展する未来を推進していくことを考えているという。

5G、Wi-Fi 6、クラウド、AIがクアルコムにとって大きな技術テーマと表明

Snapdragon 4は2021年初頭の登場を予定しており、「すべての人々に5Gが利用できる環境づくり」を目指した安価なチップセットとして開発されたということで、グローバル市場における5Gの急速な拡大をサポートできるよう設計されているという。5Gはすでに35カ国、80のネットワークサービスで利用できるようになっており、さらなる拡大も想定される。

モバイル向けのチップセットSnapdragon 4シリーズ。比較的低価格なスマートフォン向けに開発された

OPPOとXiaomiは、Snapdragon 4を採用したスマートフォンの開発を表明。OPPOのCEOであるトニー・チェン氏は、クアルコムとの良好なパートナーシップを強調しつつ、「5Gのグローバルな拡張は、AIやXR(extend reality)の進化とも密接に関係していくでしょう」とコメントした。

OPPOのCEO、トニー・チェン氏

XiaomiもSnapdragon 4を搭載したスマートフォンの開発を表明

Snapdragon 8CX Gen2 5Gは、5GとWi-Fi6に対応したモバイルコンピューティングに向けたチップセット。仕事のあり方がリモートやクラウドに変わりつつある時代において、スペックはもとよりセキュリティ面を強化したデバイスが要請されていることを踏まえて開発されたという。4K/HDRに対応する他、バッテリーの性能も50%向上、カメラやノイズキャンセリングの機能も強化されているという。

Snapdragon 8CX Gen2 5Gは仕事のあり方がリモートやクラウドに変わりつつあるよりハイスペックなPC向けを想定して開発されている

Snapdragon 8CX Gen2 5Gを搭載する初のPCとして、Acerの2-in-1モデル、Spin 7が発表された。スタイラスペンも付属する。AcerのCEOであるジェリー・カオ氏は「AcerのSpin 7は5Gを搭載したAcer初のデバイスとなり、“Always on、always connected(常時動作、常時接続)”として使用できる」と語っている.

AcerのCEOジェリー・カオ氏は、5Gに対応する初のモバイルPCを発表

また、完全ワイヤレスイヤホン向けの新たなノイズキャンセリング技術「Qualcomm Adaptive Active Noise Cancellation」を発表。ユーザーの耳へのイヤホンのフィット具合に応じてリアルタイムに効果を自動調整するという。

耳の中のイヤホン位置に依存することなく設計したことで、ユーザーがイヤホンを耳の中に押し込んだり捻り入れたりする必要がなくなると説明。ランニングやウォーキングなどにおけるフィット感の変化にも対応できるとしている。

また、アモン氏は、5Gを活用した音楽のライブ配信や、インタラクティブな新しいライブ体験の可能性にも言及。LIVENATIONと協働し、ライブエンタテイメントをさらに豊かなものとして、アーティストにとってもファンにとってもクリエイティヴィティ溢れるものにするためのサポートを続けていくという。

5Gの進化はライブ体験の質を変えていくことを強調する

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