• ブランド
    特設サイト
公開日 2018/10/31 13:15

パナソニックは「くらしアップデート業」を営み、共創する。津賀社長が創業100周年記念講演で語った決意

「人の幸福から離れて生き残る会社はありません」
永井光晴
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
パナソニック株式会社の創業100周年を記念した「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM2018」では、初日となる10月30日に、同社の代表取締役社長・社長執行役員CEO 津賀一宏氏による基調講演が行われた。ここではその概要をお伝えする。

■基調講演の公式動画


講演は、「次の100年の “くらし” つくる〜パナソニックは家電の会社から、何の会社になるのか」というタイトルで行われた。

基調講演「次の100年の “くらし” つくる〜パナソニックは家電の会社から、何の会社になるのか」

人々の暮らしを良くしたい

津賀社長は100周年を迎えた御礼を述べたのち、開口一番、「実はここしばらくの間、このパナソニックという会社がいったい何者なのか、私自身、自問自答する日々を過ごしました」と発した。以下はすべて、そこから続いた津賀社長の言葉となる。

パナソニック代表取締役社長・社長執行役員CEO 津賀一宏氏

“家電のパナソニック” という時代は分かりやすかったです。しかし、今では様々な事業を展開し、パナソニックが社会のためにいったい何の役に立てているのか、100周年というタイミングでこのような自問自答に陥ったことは偶然ではありません。

パナソニックという会社は創業以来、テレビをはじめ、さまざまな家電製品を作ってきました。『人々の暮らしを良くしたい』という思いが先にあり、この思いを実現させるために、モノづくりが必要だったのです。

ただ時代が変われば、家電だけで暮らしを良くできることには限界が出てきました。ひとりひとりの求めるものが極めて多様化するようになり、さらにはそれを少しでも早く手に入れたいと思う方も増えてきました。

しかし、ここにこそ、パナソニックが存在している意義があると感じました。そこに生きる人の、今日よりも明日、明日よりも明後日、ひとりひとりの暮らしを少しでもより良くしていくこと、そして少しでもより暮らしやすい社会を作りあげていくこと、これこそがパナソニックの存在意義です。これは創業当時も、いまも、これから先の未来も決して変わることはありません。

「くらしアップデート業」を営む会社

そして私はこう定義しました。パナソニックという会社は、 “くらしアップデート業” を営んでいる会社であると。このくらしアップデート業という営みこそが、パナソニックの核心に存在する、世の中へのお役立ちの本質なのだといま確信しています。

「くらしアップデート業」の営みがパナソニックの核心であると津賀社長

重要なのは、 “アップグレード” ではないという点です。多様化社会といわれて久しいですが、私は人が多様化したとは捉えていません。人はもともと多様なのです。もともと存在していたひとりひとりの多様性が、テクノロジーの進化とサプライヤー側の革新によって開放されたのです。

これらが開放されるまえの時代は、ひとりひとりに対応するという概念は持ち得なかったので、生活者をマス(mass)と捉え、一様に、より機能性を高めたり、より上級のものを提供して、いわゆるアップグレードを競いあっていました。4つの機能がついた家電よりも、5つの機能がついた家電が良いとされた時代です。

でも、今は違います。ひとりひとりの人が心地いいと感じる瞬間とていねいに向き合う時代です。ひとりの人間の中でも、今日という時間と明日という時間とに、求めるものは異なってきます。今日聴きたかった音楽と、明日聴きたい音楽が違っていたり、寝不足で迎えた朝の気分と、ぐっすりと眠って起きた朝の気分が違ったり、今日という日に合わせて更新し続けることが必要な時代になっています。だから “アップデート” なのです。

“デート”= “日付” に、 “アップ” = “更新しつづける” のです。

さらに人は、環境によってダウングレードが必要なときもあります。若い時には加速が見事なクルマに乗りたかったけれど、老いてからは、スピードを重要視しなくなったり、家族4人で暮らしていたときは3LDKが必要だったけれど、子供が家を出たら1LDKがちょうどよかったり、昨日は高級フレンチが食べたかったけれど、今日はサバ煮定食が食べたかったり。

だから、 “グレード” という軸ではなく、あくまでその時に合わせて更新していくので、 “アップデート” という言葉になります。

私は“アップグレード”を否定してはいるわけではありません。当然のことながら、人や環境によっては、“アップグレード”すること自体が、そのときにも求められている“アップデート”であることも多々あります。そうした“アップグレード”ニーズも含めて、“アップデート”という言葉にしています。

アップデートであり、アップグレードとは異なる点を強調

次ページ「くらしアップデート業」の事例とは

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 女子プロゴルフ「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」、4/26からの放送・配信予定
2 売価アップも品薄も問題にしないアキュフェーズの強さに感服 <販売店の声・売れ筋ランキング3月>
3 ソナスの新製品スピーカー「Lumina II Amator」が鋭い立ち上がり <ハイファイオーディオ売れ筋ランキング3月>
4 Prime Video、『ゴジラ-1.0』ほかゴジラ邦画実写全30作品や、Prime独占EP配信の『岸辺露伴は動かない』第4期など5月配信
5 ゲオ、43V型で4万円を切る狭額縁デザインの4K液晶テレビ
6 Anker、最大半額セールを楽天で実施中。完全ワイヤレスイヤホンは割引でさらにポイントアップも
7 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信。公開生放送の観覧受付開始
8 KEF、「LS60 Wireless」など一部スピーカー製品を値下げ。4月25日より
9 スカパー!、スティック型ストリーミング端末「スカパー!+(プラス)ネットスティック」を新開発
10 Netflixで「ご利用世帯の登録」画面が表示された場合の対処法は?
4/26 10:36 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX