近未来のモビリティ空間を提案

<パナソニック100周年>8K/300インチ/22ch音声でベルリン・フィルが楽しめる次世代のクルマ

編集部:風間雄介
2018年10月30日
パナソニックは、同社創業100周年を記念したイベント「クロスバリューイノベーションフォーラム」を、本日10月30日〜11月3日に行っている。当サイトでも、総合展示の内容や各種セッションの内容を連日紹介していく。

本日から行われている総合展示で、一番はじめに置かれていたのが「SPACe_L」。自動運転時代の次世代モビリティ空間を提案するという展示だ。

自動運転時代の次世代モビリティ空間を提案する「SPACe_L」

横から見たところ

自動運転が実現すると、車室内はくつろいだり、エンターテイメントを楽しむ空間になったり、あるいはビジネスの場になったり、様々なことが行える場になる。このSPACe_Lは、それぞれの活用方法を具体に落とし込んだもの。「一部のソリューションは、すでに実現できるもの。2021年頃には、これに近いクルマが登場するのではないか」(同社説明員)とのことだ。

まず車に乗り込む際には、虹彩認証によるセキュリティ対策を行っている。認証にパスすると、クルマの下に「Welcome」とプロジェクション投映される仕掛けも施されている。

虹彩認証によるセキュリティ対策を行っている

エンターテイメントを楽しむ際の設備は、豪華の一言。完全自動運転を想定しているため、サイドウインドウが不要。その部分が110インチ、2Kの有機ELディスプレイになっている。さらに天井にも77インチの有機ELディスプレイが仕掛けられている。つまり、横に110インチ+110インチ、上に77インチで、合計すると約300インチの画面で囲まれる体験が味わえる。

サイドウインドウにあたる部分には110インチ、2Kの有機ELディスプレイを搭載

天井には77インチの有機ELディスプレイ

ディスプレイはこれだけではない。サイドの110インチ有機ELディスプレイの下には、一見普通の木のようなものがあるのだが、実はここもディスプレイになっている。薄さ0.3mmの木の下にLEDを仕込み、ディスプレイとして活用している。プロジェクターで投映しているような見え方になるのがユニークだ。

音量調整はアームレストに仕込まれたタッチセンサーで行う

一見、普通の木にプロジェクターで投映しているように見えるが、内部のLEDで映像を表示している

さらにサウンドも豪華で、車室内全体に22chのスピーカーシステムが仕込まれている。シートのヘッドレストに2基、背中が当たる部分に
1基のスピーカーを装備。車室内にはシートが4席あるので、これだけで12個のスピーカーがあることになる。

ディスプレイ部の上部にもスピーカーを装備

シートには計3基のスピーカーを搭載

さらにサイドディスプレイの上にもスピーカーを4基ずつ装備。ディスプレイは左右にあるので、ここまでで計20スピーカーだ。ほかにもウーファーなどをシートの後ろに備え、計22chとなる。もちろんこの22chという数字は、8K放送が22.2chの音声を送れることに合わせたものだ。

これだけ車室内のエンターテイメント環境が豪華だと、何を見るかも重要になってくる。ここでデモされていたのが、パナソニック(テクニクス)と協業しているベルリン・フィルのデジタルコンサートホールの映像だ。天井のディスプレイには、ベルリンフィルハーモニーホールの天井そのものが映し出されるという凝りようだ。

ベルリン・フィルのコンサートホールにいるような臨場感が得られる

水中にいるような感覚も味わえる

そのほか、サイドと天井のディスプレイを連動させ、巨大な水中生物が横から上を通るような表現も行える。まるで海の中にいるような感覚が味わえる。

これだけではない。車内のライティングやアロマによる香りのコントロール、空調のコントロールなども統合して行い、リラックスできるようになっている。

またビジネス向けには、通常の自動車の助手席にあたるシートに、下からせり上がるディスプレイを設置。5Gなどと組み合わせることで、ビデオチャットなどを車内で楽しめる。

助手席にあたる部分をビジネス空間にすることも可能だ

ここで細かなことだが重要な工夫と感じたのが、カメラで撮影した自分の顔や服以外の部分をリアルタイムでボカし、相手に見せられること。このため、相手は自分以外に誰が乗っているかを知ることは出来ない。たとえば後ろのシートに、あまり見られたくない人物が乗っていた場合でも、気兼ねなくビデオチャットできるというわけだ。

プライバシーを気にせずビデオチャットを行える

これらのほかにも、様々な工夫が施された「SPACe_L」。もちろんコンセプトモデルではあるのだが、こういう未来が実現したら面白い、とワクワクさせられる展示となっていた。

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