公開日 2025/10/21 10:30

<TIAS>マーテンの“億”スピーカー、日本初披露/モニターオーディオのリクエストタイムも大盛り上がり!

オーディオベクターのスピーカーに大きな反響
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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10月17日より開催された日本最大級のハイエンド・オーディオの祭典「東京インターナショナルオーディオショウ」。ここでは、ナスペックとPROSTO、ステラ&ゼファンのブースを紹介する。

モニターオーディオを中心に若いユーザーを取り込む選曲

ナスペックは、新たに取り扱いを開始したドイツのアナログブランド・クリアオーディオのほか、モニターオーディオの新製品を中心に披露。フラグシップスピーカー「HYPHN」を使ってリクエスト楽曲を再生する時間をとるなど、若いオーディオファンも取り込む攻めた楽曲再生で会場をにぎわせていた。

モニターオーディオのフラグシップモデル「HYPHN」を使ったリクエストタイム

モニターオーディオについては、Bronzeシリーズが最新7世代目にアップデート。ブックシェルフ型のBronze 50で10万円以下と、最新技術をお求めやすい価格に投入した意欲作。「Studio89」の新色ホワイトも含め、積極的な新製品の投入で市場を盛り上げる。

Bronzeシリーズを中心に幅広いラインナップを展示

クリアオーディオからは、エントリークラスとなるアナログプレーヤー「Compass」が登場。トーンアームとMMカートリッジまで一緒になって33万円、クリアオーディオの新規ファン獲得にも力を入れる。

クリアオーディオの「Compass」

一方で500万円オーバーというハイクラス製品の「Master Innovation」も登場、リニアトラッキングアーム「TT2」と組み合わせて展示されていた。ほかにもクリーニングマシンやカートリッジも展開し、クリアオーディオのラインナップの広さをたっぷり披露した。

「Master Innovation」にトーンアーム「TT2」とMCカートリッジ「Goldfinger Statement」を装着

また、新たに取り扱いを開始するハンガリーのアンプブランドFLOW(フロー)の製品も注目。プリメインアンプを中心に展開しており、フロントパネルがウッディなデザインの「FLOW THREE」と、上位モデルとなる「FLOW ONE MK2」などを披露。今後の正式展開も期待したい。

ハンガリーのアンプブランドFLOWにも期待

オーディオベクターのスピーカーに反響大

PROSTOも、アニソンや90年代J-POPなどを積極的に再生して、新しいオーディオファンに向けたアプローチに力を入れる。

アニソンやJ-POPをストリーミングで再生するPROSTOブース。メインスピーカーはオーディオベクターの「QR1 SE」

今年はオーディオベクターとピークという、いずれもデンマークのスピーカーを中心に、アトールのネットワークプレーヤーを活用して主にストリーミング再生を実施。「MS120」とブックシェルフスピーカー「QR1 SE」の組み合わせで再生するASKAは、彼の声の独特な色気をたっぷり引き出してくれるのがたまらない。

井上千岳氏も講演にて、「ストリーミングサービスは年配者にとってのラジオのようなもので、気軽に楽しめるものとしてぜひ試してみてください」と案内。新しい音楽に出会う楽しみや、ながら聴きでもクオリティ高く楽しめるストリーマーの魅力を改めてアピールした。

井上千岳氏の講演の模様

スタッフによると、特にオーディオベクターの「QR SEシリーズ」はお客様からの反響もよく、「秋口に向けて積極的に販売をしかけていきます!」と力強く語ってくれた。

 

VIVID AUDIOとマーテンからハイエンドスピーカー登場

ステラ・ゼファンのブースでは、話題のハイエンド製品が一挙に登場。まずは世界初披露となったVIVID AUDIOの「Giya Cu」シリーズ。会場ではトップラインの「Giya G1 Cu Spirit」と「Giya G3 Cu」の2モデルを再生。開発担当のローレンス・ディッキー氏は、チューブやチェーンなど小道具を交えたプレゼンテーションで、Giyaシリーズに込めた技術を詳しく解説した。

開発担当のローレンス・ディッキー氏

今回の進化ポイントのひとつは「MOYA M1」の開発で得られたミッドレンジユニットへの「銅キャップ」採用にあり、磁界が及ぼす悪影響を軽減できるものだという。また前作S2シリーズでは、「G3」「G4」にはカール部の中に横方向の管が取り付けられていたが、今作はすべてカールのみ。構造を工夫することでキャビネット内部にチューブを収めることに成功したのだという。

「Giya G1 Cu Spirit」の透明度の高さはなかなかに印象的。テクダスの「Air Force One Premium」、ゴールドムンドのアンプ類と上流のS/Nの良さも相まってか、まっすぐストレートに心に届く音楽の豊かさを感じさせてくれた。

マーテンからは、香港オーディオショウでも披露された「Coltrane Supreme Extreme」が日本初登場。日本で購入するなら約1.6億円程度ということで、YGアコースティクスの「TITAN」と並び、今年の東京ショウの最大の目玉のひとつ。部屋が満員になるほどの熱気で溢れかえっていた。

マーテンの「Coltrane Supreme Extreme」。日本円で約1.6億円とのこと

開発担当のオロフソン3兄弟も、スウェーデンのイエテボリから来日。イエテボリはデンマークにも近いスウェーデン南部の港町で、自動車メーカー・ボルボの拠点があることでも知られている。

マーテンの経営陣。一番左が長兄のCEOで、左から二番目が創業者で開発担当の次兄・レイフ

こちらはエレクトロニクスにCHプレシジョンを使用。最大8筐体まで増やせるデジタル再生システム「C10 conductor」「D10」も日本で初披露された。

CHプレシジョンの8筐体式DAコンバーターも登場!

C10の基本機能はDAコンバーター。一番シンプルな使い方としては本体と電源の2筐体によるDAコンバーターとして使用できるが、2台目電源ユニットを追加して3筐体構成、コンダクターを追加して4筐体、さらにクロックを追加するなど、最大6筐体とすることで、より純度の高いデジタル・アナログ変換を実現できるもの。

「D10」はSACD/CDトランスポートで、こちらも電源別の2筐体システム。C10 Conductorと組み合わせると、最大8筐体でSACD再生システムが完成するという脅威のプロダクトとなっている。

リビエラのセパレートアンプ「APL01SE」と「AFM100SE」と組み合わせたサウンドの鮮烈さには、多くの来場者からため息が漏れるほど。なかなか普段は聴くことが叶わないスピーカーを体験できるというのも、オーディオショウならではの醍醐味。オーディオの可能性をまたひとつ深めてくれる貴重な時間となっていた。

マーテンの「Parker Trio (Diamond edition)」とワットソン・オーディオの小型ストリーマー&アンプという組み合わせも披露

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