<TIAS>Master Fidelity、METRONOME、PASSから参考展示/YG ACOUSTICSの超弩級スピーカー「TITAN」も聴ける
国内最大級のオーディオショウ「2025東京インターナショナルオーディオショウ(2025 TIAS)」が、10月17日から10月19日までの3日間、東京国際フォーラムにて開催される。本稿では、ガラス棟5階にて出展している、エレクトリ/日本音響エンジニアリング/協同電子エンジニアリング/アッカ/SOULNOTEの展示模様を紹介する。
Master Fidelity/METRONOME/PASSから参考展示。「ATALANTE 7 Évo」も体験
エレクトリブースでは、McIntoshブランドの注目モデルとして、出力100W+100W(8Ω)のアンプを搭載したブランド初のネットワーク・Bluetooth対応プリメインアンプ「MSA5500」を展示。ヒューズレスの過電流保護回路「Sentry Monitor」や「McIntosh モノグラム・ヒートシンク」などの独自技術を投入し、Spotify Connect/Roon Readyなどのネットワーク再生機能への対応も果たしている。
最大でPCM 384kHz/32bit・DSD 22.4MHz/1bitのサンプリング周波数/量子化bit数に対応するUSB-DAC、ARC対応のHDMI端子も装備。現代の音楽コンテンツの楽しみ方に幅広く対応した、豊富な機能性も魅力的なモデルとなっている。
そのほかにもMcIntoshの多数のモデルが展示されており、SACDプレーヤー「MCD600」、プリメインアンプ「MA8950」「MA7200」、ステレオ・パワーアンプ「MC462」「MC312」、モノラル・パワーアンプ「MC451」、真空管プリメインアンプ「MA352」、真空管プリアンプ「C12000」「C2800」、スピーカーシステム「ML1 Mk II」など、ブランドのラインナップが勢揃いのブースとなっていた。
Master Fidelityブランドからは、自社設計のオリジナルDACチップ(ASIC)によってハイエンドオーディオに最適化した1bitディスクリート・D/Aコンバーター「NADAC D」、MERGING + CLOCK技術を基盤として開発されたオーディオ・マスタークロック「NADAC C」が展示されていた。
これに加えて、今後ラインナップに加わる予定だというプリアンプ「NADAC L」が参考展示。左右のオーディオチャンネルを完全分離させた構成で、パートナーの大手半導体メーカーと共同開発した専用ボリュームコントロールチップや、電源システムに高品位なカスタムメイドのトロイダルトランスなど、多数の高音質技術が投入されている。国内での導入時期は未定とのこと。
METRONOMEブランドからは、ラインナップのなかでも比較的にコンパクトで、省スペースでもハイグレードなHi-Fiオーディオサウンドを楽しむことができる “Digital Sharingシリーズ” のモデルが集合。
CDトランスポート「DST」、ネットワークトランスポート「DSS2」、D/Aコンバーター「DSC mini」という現行ラインナップだけでなく、今後シリーズに追加される予定のミュージックサーバー「DSAS」も参考出展として並ぶ。
DSASは、METRONOMEブランドとハイレゾ対応オーディオプレーヤーソフトを開発するAudirvanaブランドの提携によって誕生したミュージックサーバー。“Audirvana Server” という異名の通り、Audirvanaの再生に最適化されたオーディオエンジン、Audirvanaアプリを介したスマートフォン/タブレットからの操作などに対応している。
フランス発のスピーカーブランドのREVIVAL AUDIOからは、2025年4月にリリースされた“ATALANTEシリーズ” の上位モデル「ATALANTE 7 Evo」が登場。玄武岩サンドイッチ構造の380mmウーファーと75mmソフトドーム・ミッドレンジを装備することで、バランスに優れた周波数特性と緻密なサウンドステージを再現するというモデルであり、同ブランドの最注目モデルとして展示されていた。
ATALANTEシリーズは「ATALANTE 5」「ATALANTE 4」「ATALANTE 3」も展示されたほか、リビングルームなどにも設置しやすいデザインながらREVIVAL AUDIOのサウンドをしっかりと楽しむことができる “SPRINTシリーズ” からブックシェルフ型「SPRINT 3」、フロア型「SPRINT 4」を展開していた。
スピーカーブランドのMAGICOからは、フロア型スピーカー「MAGICO S2」がイチオシモデルとして展示/試聴を実施。3ウェイ・4ドライバー構成となっており、ダイヤモンド・コーティングされたベリリウム・ダイアフラム採用の28mmトゥイーターをはじめ、超大型マグネットのボイスコイルを採用した130mmミッドレンジ、新開発の178mmウーファーを搭載する。
加えて、アルミニウム押し出し材を用いることで最大限に強度を高めつつ、スリムながら回折を最小限に抑える設計のエンクロージャーがトピック。ポリテック社のレーザードップラー振動計や最新の3Dモデリング・シミュレーションを活用し、設計の初期段階から共振を抑え込んでいることも特筆に値する。
PASSブランドからは参考出品としてプリアンプのハイエンドモデル「Xs Pre2」が展示されていた。完全に分離設計された3つのボックスから構成されるプリアンプであり、デュアルモノ電源を採用、チャンネル毎に独立したデジタル電源であるダブルシールドトランスや、容量増加、プリレギュレーターが追加されるなど、細部にわたり高音質技術が搭載されている。
同じくPASSの参考出展「HPA-1c」は、ヘッドホンアンプ「HPA-1」をベースに、電源ユニットのアップグレード、回路基板の改良を行ったモデル。よりクリーンで安定した電源供給とノイズ低減を実現しており、またサーボ回路にローカルレギュレーションを加えることで、ノイズ特性を約10dB向上させているとアピールしていた。
同ルームでは、日本音響エンジニアリングのルームチューニング機構「Acoustic Grove System (AGS)」から、“ANKHシリーズ” にラインナップされるフラットタイプの「ANKH-T(ST)」、天井コーナーに設置できる「ANKH-IV(CC)」が並んでいた。
フェーズメーション初の光カートリッジ対応フォノイコ「EA-1500」の試聴が可能
協同電子エンジニアリングブースでは、同社のPhasemation(フェーズメーション)ブランドより2025年10月14日に発表された、ブランド初の光カートリッジ対応フォノイコライザー「EA-1500」が注目モデルとして展示。
EA-1500は光カートリッジ専用に電源トランスを設けることで、フォノアンプに干渉しない安定した電源供給を可能としている。MC回路には、同社の「T-2000」の開発で培ってきたMC昇圧トランスを継承しており、フォノバランス伝送にも対応する。
このEA-1500は試聴も可能となっており、パッシブアッテネーター式コントローラー「CM-2200」や、モノラル・パワーアンプ「MA-5000」を組み合わせて再生を行っていた。そのほかにも、MCカートリッジ「PP-5000」をはじめ、ライントランス「LT-1000」「T-600」、プリアンプ「CM-1500」、プリメインアンプ「SA-1500」、フォノアンプ「EA-2000」などを展開していた。
“鳥肌が立つ” ほどの圧倒的な感動をもたらす超弩級フラグシップ「TITAN」
アッカブースでは、YG ACOUSTICSブランドから超弩級のフラグシップ・フロア型スピーカーである「TITAN」が登場した。フル・パッシブモデル(192,500,000円)、アクティブ・サブモデル(198,000,000円)、フル。アクティブモデル・Live(217,800,000円)の3つのタイプが用意されている5ウェイ・スピーカー。
先進的なエアフレームを備えたラティスハイブリッド・トゥイーターをはじめ、ネオジムモーターマグネットを組み込んだ150mmと185mmの YGアルミニウムコーン・ドライバー、超高磁界強度モーターを導入した260mm YGアルミニウムコーン・ドライバー、そして320mmのウーファーを搭載している。
150mm/185mm/260mmのドライバーは全て2基ずつ、トゥイーターを挟んで上下に対向配置することで、巨大な仮想同軸を作り出すような構造としている。キャビネットには拘束層ダンピングを備えた3層・航空宇宙用アルミニウムが採用されており、唯一無二の強度を成し得ている。
会場には、ブランド設計者のマシュー・ウェブスター博士が来日。TITANの開発について、「TITANの開発では、人間が聴感上どのように音楽を聴いているのかを改めて研究し直した。その結果、TITANを通して音楽を聴いた際に “鳥肌が立つ” ほどの圧倒的な感動を体感できるサウンドを追求した」と明かしてくれた。
また、「オーディオというものは、どうしても試聴する部屋やリスニングポジションによって、音質が大きく変化してしまう。だが、TITANの開発では、どのような試聴環境においても、どのリスニングポジションで聴いても、TITANのサウンドを最大限に味わえるよう技術を導入した」と、TITANだからこそ目指したサウンドも解説してくれた。
入門機のバージョンアップモデル “1シリーズ バージョン2”を展開
SOULNOTEブースでは、2025年10月1日にリリースされた同社の入門シリーズのバージョンアップモデルである “1シリーズ バージョン2”が並んでいた。
大型TO-3P大出力低Cobトランジスタによるシングルプッシュプル出力段を4段ダーリントン構成で採用したプリメインアンプ「A-1 ver.2」をはじめ、光カートリッジ入力を追加し、ディスクリート無帰還回路を全てのアナログ回路に導入したフォノイコライザー「E-1 ver.2」、そしてアナログ回路にNew Type-R回路をDAC用に最適化して内蔵させたD/Aコンバーター「D-1 ver.2」が展示されている。
また、フラグシップモデルの “3シリーズ”、そしてミドルクラスの “2シリーズ” も同時に展示。最上位シリーズからエントリーシリーズまで来場者が試聴できるようになっており、さらに各シリーズを掘り下げる講演も複数回催される予定だ。












































