公開日 2025/03/11 14:28

アキュフェーズ、上位機の技術を踏襲したAB級プリメイン「E-3000」。新サイズに再設計

E-280/380の後継、ノイズ抑制強化
編集部:松原ひな子
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アキュフェーズは、AB級プリメインアンプ「E-3000」を4月上旬に発売する。価格は495,000円(税込)。

「E-3000」
 
E-3000は、現行のプリメイン「E-280」と「E-380」の後継機として、両機の性能を統合しつつ上位機「E-4000」の技術を踏襲し、新サイズに再設計したモデル。上位クラスと同等の多彩な機能を備え、「音楽の感動をよりご体感してもらえるよう開発した」とアピールしている。定格出力(1ch)は100W(8Ω)/150W(4Ω)を実現した。

プリ部の入力バッファーには、高性能アンプを5回並列動作させる「5-MCS」を搭載し、低インピーダンスと高S/N比を実現する。さらに独自の音量調整システム「AAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifer)方式ボリュームコントロール」を投入し、高S/N比かつ低歪みを確保したという。

「AAVA」方式ボリューム・コントロール回路

加えて、AAVAの「I-V変換アンプ」に「ANCC(Accuphase Noise and distoetion Cancelling Circuit)」を採用。特にボリュームを絞った状態から一般的なボリューム位置でのノイズ性能が大幅に向上し、実力値での雑音がE-380から約20%低減したとする。

AAVAは一般的なボリュームコントロールと異なり入力信号を減衰させない特性を備えており、これはボリューム位置に合わせてゲインの異なる複数の電流信号を組み合わせて音量調整を行うためとのこと。また、回路すべてを電子部品で構成できるため、長期にわたり高い信頼性を確保できるという。

従来AAVAに隣接していた入力バッファーアンプの位置を入力端子の近くに移動させたことで、外来ノイズの影響を大幅に抑制。このほか回路、部品配置、アース強化などを徹底的に見直したことで、低歪みおよび低雑音化を実現したとする。

パワー部はバイポーラトランジスターを3パラレル・プッシュプル構成で投入。動作はAB級となる。パワートランジスターの数が増えたことで電流の供給能力向上や、出力インピーダンスの低減に加えて、動的な定電圧駆動を実現した。また出力素子を大型ヒートシンクに分散させる配置とすることで、より効率的な放熱も行っている。

全体でバランスアンプを構成する「インスツルメンテーション・アンプ」構成を採用することで、入力端子から出力段までの信号経路のバランス伝送化を実現した。高S/N比、ノイズ耐性、低歪率を促すだけでなく、周囲の環境変化への耐性も向上したと謳う。

また、出力信号を電流で帰還するカレント・フィードバック増幅回路を用いることで、ゲインが変化した際でも周波数特性を保ち、特に高域の位相特性に優れると説明している。

電源部は大電力容量の高効率トランスと、33,000μF平滑用アルミ電解コンデンサーを2基搭載した余裕ある構成に。小信号を扱うプリ部には専用電源回路を設けてパワー部との干渉を防ぐほか、プリ部/パワー部の搭載位置を分離させることで、相互干渉のない動作環境を実現したとする。

内部イメージ

また、出力回路の低インピーダンス化を徹底し、従来から20%高いダンピングファクター(DF)600を実現した。スピーカー端子の直近から信号とGNDにバランスで帰還をかける「バランスド・リモート・センシング」、プロテクション回路は接点がなく長期信頼性に優れた「MOSFETスイッチ」も採用している。

内部構造はプリ部とパワー部を完全に分離した設計となっており、それぞれ独立してセパレートアンプとして活用することも可能。また、ステレオパワーアンプを1台増設してのバイアンプ接続にも対応する。

本体背面にオプションボードを接続できるスロットを2基装備。デジタル入力ボード「DAC-60」や、アナログディスク入力ボード「AD-60」などを増設して機能を拡張することができる。ライン(TUNER/CD/LINE 123)、バランス、メインといった入力端子のほか、レコーダー(PLAY/REC)、プリアウトを装備。さらに前面にはヘッドホン出力を搭載。専用アンプを内蔵しており、AAVAでボリュームコントロールを行うため優れた音質で楽しめるとした。

「E-3000」背面
 
ほか、本格的なグラフィック・イコライザーでも採用される加算型アクティブフィルター式トーンコントロールや、小音量時に聴感上の低域の量感を整えるコンペンセーター、アナログ式ピーク・パワーメーターなどを搭載する。

周波数特性はバランス/ライン入力時が20 – 20kHz(+0/-0.5dB)、メイン入力時が20 – 20kHz(+0/-0.2dB)、THDは0.05%(4 – 16Ω負荷)、S/N比はバランス/ライン入力時が97dB、メイン入力時が101dB、出力インピーダンスは1.13V 50Ω。

筐体には、振動減衰特性に優れるハイカーボン鋳鉄製インシュレーターを装備する。消費電力は定格出力時で298W(4Ω)/388W(8Ω)、待機時は0.3W。外形寸法は465W×161H×422Dmm、質量は23.1kg。

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