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公開日 2023/02/13 17:41

エソテリック、“アナログ芸術への新たな挑戦”。14年ぶりのレコード2作品を「名盤復刻シリーズ」より発売

Grandioso T1発売を記念して
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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エソテリックは、同社の「名盤復刻シリーズ」より新たに2作品のレコードを発売することを発表した。エソテリックとしてのレコードの発売は2009年以来、14年ぶりとなる。

今回復刻されるのは、ケルテス指揮ウィーン・フィルによるドヴォルザーク『交響曲第9番 《新世界より》』(1961年録音)と、フィストゥラーリ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウによるチャイコフスキー『バレエ《白鳥の湖》ハイライト』(1961年録音)の2作品。いずれも「エソテリック・マスタリング・センター」でリマスタリングが行われた後、ミキサーズ・ラボの北村勝敏氏によりノイマンの「VMS80」でカッティングされている。価格は6,600円(税込)、5月22日発売。

『ドヴォルザーク 交響曲第9番 《新世界より》』イシュトヴァン・ケルテス(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ESLD-10001)

『チャイコフスキー バレエ《白鳥の湖》ハイライト』アナトール・フィストゥラーリ(指揮)、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(ESLD-10002)

プロデューサーの大間知基彰氏は今作の背景について、「昨年、エソテリック初のアナログプレーヤー『Grandioso T1』を発売しまして、世界各国からたくさんの反響を頂きました。そのときに、レコードもぜひ作って欲しい、という要望を多く頂いたのです。レコードの優れた音質をアピールできるものとして、また多くのオーディオファンに世界最高級のレコードをお届けしたいと準備を進めてきました」と語り、「アナログ芸術への新たな挑戦です」と胸を張る。

プロデューサーの大間知基彰氏。エソテリック・マスタリング・センターの機材とともに

マスタリング・エンジニアの東野真哉氏

エソテリックは、昨年自社内に「エソテリック・マスタリング・センター」を新たに設立した。今までJVCマスタリングセンターに委託していたマスタリング作業をすべて自社内で行うことで、メジャーレーベルではできないところまで音質を追求しよう、という意図で設立されたものだ。今回のレコード制作についても、「より進化したエソテリックの音作りのノウハウを感じていただけるものにしたい」ということを大きな目標として進めてきたのだという。

メジャーレーベルでは実現不可能なレベルでマスタリングを追い込んだという

海外のレーベルから提供を受けたオリジナルのデジタルマスターを、DAコンバーター「Grandioso D1X」とマスタークロック「Grandioso G1X」を使ってアナログ化、Pyramixで新たにカッティング用マスターを作り直すという形で行われた。

Grandiosoシリーズの開発で培われた技術が今回のレコードの音作りにも大きく関わっている

大間知氏はレコードの音質にとって重要な要素として、「一番はマスターそのもののクオリティですが、その次にマスタリングのクオリティが大切なんです」と強調する。そのため、ラッカー盤も微妙に設定を変えたものを全部で6パターン制作。自社に持ち帰りGrandioso T1で聴き比べを行いながら、もっとも音質的に優れたものを採用したのだという。

さらなるこだわりとして、カッティング時にはミキサーズ・ラボにエソテリックのマスタリング機材を持ち込んで再生を行っているが、制作の途中でノイマンのコンソール「SP79C」に直接エソテリックの機材を入力することができないことが判明してしまった。普通はそこで諦めて変換をかけるところだが、マスタリングセンターの東野真哉氏は諦めなかった。ミキサーズ・ラボに交渉し、あくまで東野氏の責任の範囲内で多少の改造を加え、エソテリックの機材から直接コンソールに入力することを可能にしたのだという。これも全て「世界最高級のアナログレコードを作ろう」というエソテリックの強い思い、そしてその思いをミキサーズ・ラボがしっかり受け止めたからこそ実現したと言えるだろう。

カッティングを担当したミキサーズ・ラボの北村勝敏氏

エソテリックの試聴室で、『新世界より』そして『白鳥の湖』のラッカー盤の音を聴かせてもらった。『新世界より』のホルンの表現は文字通り闇から音楽という生命が生まれ出るようで、クレッシェンドのキメの細やかさもアナログならでは。パワー感をしっかり出しながら抑制されたウィーン・フィルの細やかな表現もしっかり聴き取れる。

エソテリックの試聴室でラッカー盤を試聴

大間知氏も、「ウィーン・フィルの弦の音を特に重視して音作りを行いました。きめ細やかな音、絹ごしのふっくらといた柔らかい音に包まれるような感じをどう出すかということに苦心しましたね。また管楽器も古い楽器を使っておりますので、そのハーモニーの美しさを感じられるようなものではなくてはなりません」と音作りの苦労を振り返る。

『白鳥の湖』のソロ・ヴァイオリンのシーンは圧巻のひとこと。まさに目の前に白鳥が舞い降りたかのようだ。こちらも大間知氏が若い頃に聴いた、アムステルダムのコンセルトヘボウのホールの音そのものを再現するべく音作りを行ったのだという。ピッコロの麗しさもこれまで聴いたことがないサウンドで、レコードの溝に刻まれた生々しさとリアリティに言葉を失う。

エソテリックのレコードは、オーディオ専門店での取り扱いがメインとなる。21世紀だからこそ実現できたアナログの最高峰の音、ぜひお手元のシステムでも体験してほしい。

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