公開日 2022/11/17 06:30

音楽ストリーミングの「音量を自動調整」機能、いったい何のためにある?

【連載】ガジェットTIPS
海上忍
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音楽ストリーミングサービスでシャッフル再生を楽しんでいたところ、曲ごとに音量が変わった経験はありますか? 音楽は録音/制作の過程が異なれば音量は変わるもの、曲によって再生時の音量に差があるのは当然といえますが、曲が変わったとたん大音量になれば驚きますよね。

Image:TY Lim/Shutterstock.com

その問題を解決する機能が「ラウドネス・ノーマライゼーション」。アプリやストリーミングサービスによって呼び名に多少の差はありますが、録音レベルが異なる楽曲を(できるだけ)均一な音量で再生するという役割は同じです。iOSのミュージックアプリでは、設定→ミュージック画面に「音量を自動調整」というスイッチが用意されていますが、これもラウドネス・ノーマライゼーションの一種です。

音量が均一化されれば便利だけれど、音質に悪影響があっては残念...ということで、オン/オフどちらにして利用すべきか悩ましい機能ですが、結論からいうと、特にストリーミングサービスにおいては「オンにして使うことが現実的」でしょう。

音楽配信サービスのアプリには、音量の自動調整機能が用意されています

理由は、曲単位で再生されることが多いストリーミングサービスでは、曲が変わるたびに音量が上下する可能性が高いからです。CDやアナログ盤のように、録音/制作環境が統一された楽曲群を通して聴くときには問題になりませんが、いろいろなアーティストの制作時期が異なる楽曲は音量に差があって当然、曲が変わるたびに音量調整を行うのは負担が大きいといえます。

ところで、ラウドネス・ノーマライゼーションにはLUFS(Loudness Units Full Scale)という国際的な基準があり、多くのストリーミングサービスがマイナス14LUFS前後に設定しています。アーティスト側が音量/音圧の高い楽曲をアップロードしても、リスナーの耳に届く時点では下げられることになるため、かつてのような “限界まで音圧を上げる” 制作手法も変化しています。

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