PR 公開日 2025/12/12 06:40

オーディオ銘機賞「ベストバリュー大賞」受賞! DALIの技術と美学を凝縮した「KUPID」の実力に迫る

価格とサイズを超えた美しく明快な音
DALI「KUPID」5色のモデルが並んでいる様子
DALI「KUPID」価格は57,200円(ペア/税込) Photo by 田代法生

「オーディオ銘機賞2026」の発表号である『オーディオ・アクセサリー 199号』。数多くの優れたハイエンド製品が受賞を果たしたなかで、本誌が今回あえてその表紙に選んだのがダリのスピーカーシステム「KUPID」。今年から新設された「ベストバリュー大賞」の初代モデルである。

ピュアオーディオ製品の高額化が進むなかで、より現実的な価格帯の中でも優れた製品を選出したい。

こんな思いを込めて、ピュアオーディオの専門家たちが“本物のスピーカー”として認めた逸品。その魅力を審査委員、大橋伸太郎氏が語る。

ダリの特質の数々を備えた生まれながらの白鳥

「オーディオ銘機賞2026」の審査会で販売店側審査員の口々から上がったのは、ダリが小型ブックシェルフ「KUPID」を発売した意義を讃える声だった。それに応え、評論家側審査員からKUPIDの音質の良さが一頻り話題になった。この声の高まりに応え「ベストバリュー大賞」が新設され、KUPIDが初代モデルに選ばれた。

高額なスピーカーシステムが業界を騒がせた今年、話題をさらったのは、両手で抱えることができるコンパクトなペア57,200円(税込)のスピーカーだったのである。

ダリはKUPIDを「生まれながらの白鳥」と評している。コンパクトなエントリークラスだが、同社の特質の数々を備えた「本物のダリ」という意味である。

音場表現主体の欧州勢の中にあって、ダリは音像表現を重視する。楽音がくっきりと前に出る。活気、躍動感がありノージャンルで音楽を楽しめる。

生国デンマークがヨーロッパでもジャズの盛んな国であることを思い起こさせる。音場に透明感がありオーガニックな空気感がある。そうした美点をKUPIDは生まれながらに備えている。白鳥の所以である。

サイズと価格の制約でKUPIDはKOREテクノロジーの代表、例えばハイブリッドトゥイーターは搭載しない。その代わりKOREで培った知見と技術要素をコンパクトスピーカーというジャンルに特化させた。

トランジェントを重視するKORE技術を継承

DALI「KUPID」の分解図
KUPIDはシリーズ化を度外視して専用設計が施されている。ソフトドームやファイバーコーンなどの有機素材を使用するというDALIのポリシーを守りながら、KOREで開発・実用化された技術を投入。トゥイーター・ウーファーともに専用設計されている

具体的に見ていこう。KUPIDは「ネジ一本まで新しい」スピーカーである。

115mmウーファーのペーパー&ウッドファイバーコーンは従来と同じだが、センターキャップのないスフェリカルコーン(お椀型)を搭載する。従来のダリに見られなかったタイプである。不要な高域をウーファー自身が落とすので急峻なフィルターをかけずに済むことが利点。

一方、強度(剛性)の弱さと組立時のセンタリングが出しにくいことが弱点だが、ダリはアルミニウムカプラーを介在させて剛性と量産性にまつわる問題を解決した。

DALI「KUPID」ウーファーの断面図
ウーファーは球形(スフェリカル)の115mmペーパー&ウッドファイバーコーン・ドライバーを新開発。アルミカプラーを用いて補強することで剛性を高め、スフェリカル型コーンの弱点を克服しているという
DALI「KUPID」ウーファーの外見
ウーファーにはセンターキャップがない

KORE技術のひとつに、トランジェントを重視するため、トゥイーターのボイスコイルにダンパーに代えて使われる磁性流体の使用を止めたことがあるが、KUPIDは量産性を重視して粘性の低い磁性流体を使用した。

しかし、ダンピング効果が緩いと低域まで動いてしまう。その制動を目的に磁気回路にネオジウムを採用し、強い磁気制動をかけた。ダリ人気のブックシェルフ機「OBERON 1」はフェライトに止まる。磁性流体と磁気制動の合わせ技でトゥイーターの再生周波数下方を巧みにコントロールしている。

DALI「KUPID」トゥイーターの外観
トゥイーターは、超軽量の26mmソフトドーム振動板。DALI伝統の有機素材を用いながら、高速ドライバーによって応答性の高さを実現しているという。応答性の高さは、磁性流体に非常に粘性の低い素材を採用することによって、スムーズな動作を実現するとしている
DALI「KUPID」トゥイーターの断面図
人気のブックシェルフモデル「OBERON 1」がフェライトマグネットだったのに対し、KUPIDではより強力なネオジウムマグネット・ドライバーが導入されている

ネットワークは、コンデンサー2個、コイル3個、抵抗3個のシンプルな構成で、OBERON 1と同等だが、トゥイーター用がOBERONの電解コンデンサーに対し、KUPIDはフィルムコンデンサーを使用する。

エンクロージャーを抱えてみると見かけよりずっしりした手応え(2.96kg)がある。

「家庭のスピーカーはインテリアの一部である」というダリの美学で、コーナーをきれいに丸めている。背面を含めネジが一切見えないが、組立は接着でなくエンクロージャーの内側からネジ止めしている。剛性と美観を両立させるダリのこだわりである。

DALI「KUPID」を持ち上げる評論家 大橋伸太郎氏
大橋伸太郎氏がKUPIDを持ち上げたところ。写真からわかるように、非常にコンパクト。質量は1本2.96kgで、女性でも難なく設置できるだろう
DALI「KUPID」の背面
目に見える箇所にはネジが使用されておらず、作りの良さが感じられる 

外装色は5色あり、ウーファーのコーンの染色を変えてエンクロージャーにコーディネートさせている。キャラメル・ホワイト(白)とゴールデン・イエロー(黄)の黄色がかったアイボリーがコーン紙本来の色味である。

DALI「KUPID」のサランネットの有無を示す様子
カラーとマッチしたサランネットも同梱。マグネットで簡単に取り付けられる

個性と彩りを演出できる大胆でポップなカラー

ブラック・アッシュや、ダーク・ウォルナット、キャラメル・ホワイトといった、空間に馴染みやすいカラーだけでなく、ゴールデン・イエロー、チリー・ブルーといった大胆な色を用いたカラー・バリエーションも魅力。空間のアクセントとして個性を演出することも可能だ。

リビングのメインシステムに、デスクトップや寝室のサブシステムにも、個性と彩りを加えられる。

DALI「KUPID」のゴールデン・イエローモデルを設置したインテリア例
ゴールデン・イエローモデル設置例
DALI「KUPID」のチリー・ブルーモデルを設置したインテリア例
チリー・ブルーモデル設置例

立ち上がりは鋭敏そのもの サイズに似ず音場は広々

試聴は本誌ホワイトルームで行った。

SACDプレーヤーにアキュフェーズ「DP-770」、ストリーマーにBLUESOUND「NODE ICON」、プリメインアンプにアキュフェーズ「C-3900S」を組み合わせた。バランス上やや高価だが、生まれながらの白鳥に敬意を表した。

デンマーク出身の女性ジャズ歌手、シーネ・エイの新作CD『SHIKIORI 想帰庵』は、ピアノの繊細なタッチ、立ち上がり立ち下がりの瞬間を表現できるかが重要。

磁性流体の粘性を軽くし、トランジェントを改善した効果が現れ鋭敏そのもの。サイズに似ず音場が広々とし四囲の壁と天井が取り払われたように大きく深い。北欧の森林か日本の深山幽谷の中にいるように心地よい。

同じシーネ・エイのビッグバンドとの共演作は、多種多彩な楽器の音色を曇りなく表現しわける。コンパクトなプレイバックレファレンスとして使えるバランスと解像力である。ベースの音程が鮮明で滲みがない。さすがにローエンドまでは無理だが、低音に音楽の土台を支える確かさがある。

Qobuzのハイレゾを聴いてみよう。ノラ・ジョーンズ『ヴィジョンズ』(96kHz/24bit)は、音色が豊富。多重で重ねた楽器が存在感を発揮し、エレキギターのディストーションがきれいに出る。

ノラの強い声も曇りなく、バック演奏と分離してきれいに空間に浮かび上がる。重厚な低音よりキレのいい弾む低音を狙った印象。このスピーカーの想定する音楽ソースとテイストがわかる。

ボズ・スキャッグスの新作『デトゥアー』(88.2kHz/24bit)は、典型的なオンマイク録音。ポイントは声の厚み、枯れた地肌の表出だが、声帯の筋肉のひだをなぞっていくような描写力がある。ダリの特徴を備えた、明快で美しい音のスピーカーだ。大編成ソースも鳴らせる器の大きさがある。

白鳥が日本に飛来する時季。これから五色の白鳥が日本中のリビングやリスニングルームに次々に舞い降りることだろう。

製品情報・スペック

スピーカーシステム:DALI「KUPID」

DALI「KUPID」5色を並べた様子
左からダーク・ウォルナット/チリー・ブルー/ゴールデン・イエロー/キャラメル・ホワイト/ブラック・アッシュの5色展開

SPEC ●型式:2ウェイ・バスレフ型 ●ドライバーユニット:26mmソフトドーム・トゥイーター、115mmペーパー&ウッドファイバーコーン・ドライバー ●再生周波数特性:63〜25,000Hz±3dB ●感度:83dB@1m for 2.83V ●インピーダンス:4Ω ●最大音圧レベル:103dB ●クロスオーバー周波数:2,100Hz ●外形寸法:150W×245H×198Dmm(グリル含む) ●質量:2.96kg(グリル含む)

提供:ディーアンドエムホールディングス


※本記事は『オーディオ・アクセサリー 199号』からの転載です。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 XREAL、XREAL Oneが入った「開運福袋2026」を12/11から販売。200セット限定
2 HARBETHの魅力は“声”にあり!色褪せぬエバーグリーンなサウンドを、あえてのアニソンで斬りまくる!
3 5万円で激変、“DCリニア電源”をどう使う?トップウイングの「DC POWER BOX」徹底使いこなし!
4 AVIOT、LDACにも対応した1万円切りの“ピヤホン9”「TE-U1-PNK」
5 mora、ハイレゾ配信12周年キャンペーン第2弾スタート。「ハイレゾ大使」には森口博子が就任
6 『続・太鼓判ハイレゾ音源はこれだ!』#2【後編】- かつしかトリオ『“Organic” feat. LA Strings』リリース記念インタビュー
7 AURAS東京、シアターの常識を覆すかんたん操作&美しいデザインの“エンターテイメント空間”をカスタムメイド
8 LG、リアルタイムAIプロセッサー搭載の4K有機ELテレビ「OLED C5M」
9 【Qobuzダウンロードランキング】ブルーノート東京、夏の風物詩!矢野顕子トリオのライブ盤が1位にランクイン
10 Bowers & Wilkins、「801 D4」を六本木ISETAN SALONEにて特別展示。12/25まで
12/12 10:48 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX