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公開日 2023/12/27 06:35

入念に練り上げたゾノトーン初のLANケーブル「Shupreme LAN-1」。前代未聞の肉厚で濃い音楽性

【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞2024<グランプリ>受賞
井上千岳/生形三郎/園田洋世
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ゾノトーンはブランド初のLANケーブルを、ケーブル作りへのこだわりと音に対する結果を得られた自信作として、最高峰Shupremeシリーズで製品化した。超高純度7Nクラス銅などの高品位素材を独自の黄金比で調合するハイブリッド導体を採用した。「オーディオアクセサリー銘機賞2024」でグランプリの栄誉に輝いた、その再現力をレポートする。

ZONOTONEの超高純度7Nクラス・4種ハイブリッド・ピュアオーディオグレード・トップエンドLANケーブル「Shupreme LAN-1」(64,900円/0.6m、74,800円/1.2m、88,000円/2.0m、各税込)

知見とノウハウが反映された音楽再生のためのケーブル(Text by 井上千岳)



井上千岳氏
創業以来16年、満を持して発売されたLANケーブルである。同社初のジャンルであることを考慮して最高峰Shupremeの名を冠し、それにふさわしい素材と構造を採用して高い完成度を実現した。初めての製品をいきなり最高グレードで発売するのは珍しいケースと言えるが、それだけの自負と確信の反映とも考えられる。

とりわけ注目されるのが、ここでもトレードマークのハイブリッド導体という構成を貫いていることだ。外径わずか7.6mmのサイズの中に収納されている8本の芯線一本一本が、超高純度7Nクラス銅線を始めとする4種類の厳選された高品位な線材で形成されている。

各線材を、聴感で編み出した独自の黄金比で7本の素線の組み合わせとし、高純度ポリエチレンの絶縁材で被覆して1本の芯線ができ上がる。長年の研究によって、導体径と表面積の比率が線材ごとに確立されているそうで、そこから各線材の量を割り出すことが可能だという。このような知見とノウハウがあってこそのハイブリッド構成で、おいそれと真似のできるものではない。

なお、断面図を見ると分かるが、芯線の外側にはドレイン線も通っていて、その上に厚手のアルミラップシールドが施されている。Shupremeらしい周到な構造である。

家電量販店などでよく売られているごく一般的なLANケーブルから、Shupreme LAN-1に繋ぎ換えてみるとその違いは歴然だ。それだけのことがしてあるのだから当たり前と言えば当たり前だが、古いAM放送とCDの差ぐらいと言えば分かりやすいかもしれない。情報量がまるで違うし、それ以前にレンジにもダイナミズムにも雲泥の差がある。単なる通信と音楽再生は違うのだ。

ぼんやりとして切れの悪かった音が、上下に広く伸びてぐっと起伏を増す。情報量が縦横2倍になったような印象である。バロックの鮮度、ピアノの繊細な表情、オーケストラのダイナミクス。どれも、これこそハイレゾと言いたくなる胸の空くような鳴り方だ。やはり鍵はケーブル。いまひとつハイレゾに乗り切れないという人にも、ぜひ試してほしいものである。

8本の個々をハイブリッド構成、ゾノトーンらしい至福の描写力(Text by 生形三郎)



生形三郎氏
同社初のLANケーブルとして、そしてなおかつ、同社最上位グレードの名を冠して登場した「Shupreme LAN-1」は、超高純度7NクラスCuを中心に、高純度無酸素銅線PCUHD、純銀コートOFC、高純度無酸素銅OFCという、同社ラインアップでもお馴染み4つの異種素材をハイブリッドして導体を形成。それら各々に絶縁体を被せ、8芯独立の導体とした上で、外側にシールド用のドレイン線を配置するという、たいへん凝ったケーブル構成を採用。コネクターには定評あるパンドウィット製が用いられるとともに、伝送容量は音質を考慮して「CAT5e」準拠となっている。

早速、自宅環境に組み込んで使用してみたが、実にゴージャスな質感で、同社フラグシップ「Shupreme」の名にふさわしいサウンドが得られるLANケーブルである。S/N感が高く、各楽器同士の間合いや空気感がたっぷりと描かれるさまは、まさに至福。

驚かされるのは低域方向の表現で、エレクトリックベースや電気的なキックドラムのサウンドなど、沈みが深くタイトな応答性が求められる楽器であっても、ボトムは十二分に再現されつつ、決して鈍重化したり無駄な余韻を残さずに、軽快スピーディに描かれるさまが白眉だ。それでいて、無理にタイトなレスポンスやS/N感を稼ごうとしたような抑制感や統制感のある音ではなく、実に伸び伸びとした屈託のない音であることに、設計者のセンスが光っている。

同時に快感なのが、歪み感を抑えた心地よい質感の実現だ。高性能なLANケーブルは得てして、S/N感の向上や低音域の再現力向上、そして、歪み感の改善効果が得られる場合が多いが、本ケーブルはそこに加えて、ゾノトーンらしい滑らかさやプレゼンスまで、しっかりと提供されることが何よりもの魅力である。

一見してシンプルな佇まいのケーブルかと思いきや、そこから出てくるサウンドはまさに最高峰の「Shupreme」グレード。音楽再生を、生き生きと、ワクワクするようなサウンドで楽しませてくれる、ゾノトーンマジックの真骨頂が味わえるLANケーブルなのである。

聴き手にグイグイ迫る音質と前代未聞の肉厚で濃い音楽性(Text by 園田洋世)



園田洋世氏
ゾノトーンの試聴室を先日初めて訪ねて、床に積まれた試作ケーブルのあまりの数の多さに驚いた。さまざまな素材・線径の導体を複雑に絡み合わせたハイブリッド多芯導体で知られるゾノトーンだが、各製品の音は膨大な試作を経て実現したものなのだ。

代表の前園 力氏に話を伺うと、導体の素材・線径に加え、その構造・配置、さらに絶縁体、介在、プラグ等々、とにかくケーブルに関わる全てのファクターについて、実に具体的に理解・把握なさっていることが分かる。

その前園氏をしてこれだけの数の試作ケーブルを作らしめるのは、各ファクターについて熟知していても、それらの組み合わせによって、音はまたさらにいかようにも変わるという、「ケーブルで音が変わらない」と主張する方々からすれば到底信じ難い事実なのである。データはもちろんだが、聴感を特に重視して開発されるゾノトーンの各ケーブル開発に投じられる知識・時間・労力コストは半端ではない。

そのゾノトーンから出たLANケーブル「Shupreme LAN-1」も当然、半端ではないコストを投じられて完成した力作である。同社初のLANケーブルであるから、いつにも増して試行錯誤を要したに違いない。そしてその結果として我々が享受できるのは、前代未聞の内容と音である。

超高純度7NクラスCu・PCUHD・純銀コートOFC・高純度OFCの4種を、聴感で編み出した独自の黄金比でハイブリッドした導体と、吟味された絶縁・シールド・プラグから成る「Shupreme LAN-1」が展開する音場と音像は、リスナー方向にグイグイ迫ってくる。テナーは肉厚で音色濃く歌い、ドラムスは空気を強く震わせ、シンバルの金属感も強烈。LANケーブルで音がこのように変わると誰が想像できただろうか。

オーディオ専用LANケーブルの歴史はまだ始まったばかりであるのに、早くもこのような、ある意味で趣味性に振り切った製品が出てくるとは。フィリップス等による初期のCDプレーヤーと同じように、スペック的に時代遅れになった後でも、その音楽性ゆえに長く愛されることになるかも?

(協力:前園サウンドラボ)

本記事は『オーディオアクセサリー191号』からの転載です。

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