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PR 公開日 2022/06/29 06:31

Acoustune「HS1790TI/HS1750CU」レビュー。定番イヤホンが正統進化、異なる個性の対比も魅力!

フィット性を高めた次世代デザインにも注目
高橋 敦
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モジュラー構造の金属筐体を目印に、マニアの心を鷲掴みにしてきたAcoustune(アコースチューン)。そのなかでも定番の「HS1600」シリーズが2年ぶりに「HS1700」へと進化!細かな改良を経て、見た目も音質も堂々たる進化を遂げた2モデル「HS1790TI」「HS1750CU」を紹介しよう。

チタン製音響チャンバーモデル「HS1790TI」(写真左/予想実売価格120,980円・税込)、ブラス製音響チャンバーモデル「HS1750CU」(写真右/予想実売価格74,800円・税込)

次世代デザインの採用で、よりフィットしやすい筐体に



独自開発ダイナミック型ドライバーによるシングルフルレンジ構成を追求し続ける孤高のブランド、Acoustune。そのラインナップの中核は常に、歴代のHS1500、HS1600シリーズが担ってきた。

筐体を音響チャンバー部と機構ハウジング部に分離したモジュラー構造。その構造をアピールするメカニカルなデザイン。音響ハウジング部の材質の違いを生かしたサウンドバリエーション展開。それらの個性こそがAcoustuneのブランドイメージを確固たるものとしたといっても過言ではない。

それが遂に、番号が大きく繰り上がり「HS1700」シリーズへと進化する。チタン製音響チャンバーモデル「HS1790TI」と、ブラス製音響チャンバーモデル「HS1750CU」の登場だ。

両モデル共通のアップデート内容としてはまず、先立ってエントリー機「HS1300SS」とフラグシップ機「HS2000MX SHO −笙−」に採用された、同社の次世代デザインの導入だ。各部寸法の最適化やハウジング形状のさらなる改良によって、より多くのユーザーの耳により自然にフィットするハウジングとなっている。

装着性の面では、付属の同社製イヤーチップが従来の「AET07」から、新開発の「AEX07」へと変更されたこともポイント。装着性と遮音性を向上させながらも、音質は維持されているという。なおケーブルは引き続き同社定番の「ARC51」を付属、コネクターも変わらずPentaconnEarだ。

従来のイヤーチップ「AET07」の形状や寸法を見直してリファインした、新イヤーチップ「AEX07」が5サイズ付属

8芯構造のハイブリッドケーブル「ARC51」を同梱。導体にはシルバーコートOFCと極 細OFCを採用する

続いて各モデル個別のポイントとなる、搭載されるドライバーについて説明しよう。HS1790TIは、「HS1695TI Gold」「HS1697TI」にも採用する、ミリンクスコンポジットドライバーの第2世代バージョンを搭載している。薄膜成型した医療用合成基材ミリンクスに、極薄膜チタン製のドーム部分を組み合わせた、複合膜構成振動板を備えるドライバーだ。

医療グレードのポリマーバイオマテリアル「ミリンクス」を10mm径の振動板に使用。写真はHS1790TIの内部構造図で、「第2世代ミリンクスコンポジットドライバー」を採用している

技術的により難しい要素のあったHS2000MX用ドライバーの開発で得たノウハウによって、チタン薄膜貼付け工程での膜の変形をさらに低減することに成功。これにより、歪み感の改善などが実現されているという。

一方のHS1750CUは、素直な特性のミリンクスのみによる振動板を搭載したドライバーの最新第5世代を採用する。歴代モデルでも強い支持を得た「HS1650CU」のサウンドを踏襲しつつ、チューニングに磨きをかけたとのことだ。

細かなところでは、HS1790TIの金属筐体表面の鱗加工、その美しさにも注目したい。その正体は、筐体がCNC加工で削り出された際に残る切削跡なのだが、CNC制御を絶妙に調整することで、そこに枯山水の敷砂に描かれる砂紋のようなニュアンスを持たせたというから、なんとも粋だ。

いずれも旗艦モデル「HS2000MX SHO-笙-」で採用された次世代デザインを採用。チャンバー部は強度維持のためリブ形状を新たに追加する。写真左のHS1790TIの上部には日本庭園の枯山水を意識した鱗加工が施される

片や彫刻的、片や塑像的。サウンドキャラクターの違いがより明確に



それでは、両モデルのサウンドの印象を紹介していこう。HS1790TIの持ち味は、過剰な膨らみや響きを削ぎ落とした彫刻的な立体感。ジュリアン・ラージのソロギターを聴くと、スチール弦エレクトリックギターらしい音の芯の強さや硬さが生かされ、その音色ならではのジャジーなニュアンスも強く伝わってくる。

ハーモニクスの輝きも美しい。Robert Glasper Experiment「Human」のエレクトリックなサウンドでは、クリアな空間を背景に、ひとつひとつの音の陰影までも感じられるのがうれしい。帯域バランスはほぼフラットで、低域側はサブベース帯域まで凹凸なくフラットに伸びており、クラブ系の重低音ベースも横に膨らませることなく下に沈み込ませてくれる。

HS1750CUの持ち味は逆に、音楽の骨格に対して絶妙な肉付けを行っていく塑像的な音づくりといえる。同じ楽曲を再生すると、ジュリアン・ラージのギターの音色は少し大柄に、よりしなやかな感触で描き出される。するとその音色や演奏に含まれるナイロン弦のクラシックギター的なニュアンスも引き出されてくるのが面白い。またハーモニクスの輝きの柔らかなほぐれは、ブラスチャンバーらしさを感じられるところ。

そしてRobert Glasper Experiment「Human」では、「これぞ低音!」というローミッド帯域の分厚さが秀逸で、そこも真鍮らしさが炸裂している。この低音部分は先代機HS1650CUよりもさらにもうひとさじ肉付けされており、音作りの個性がこれまで以上に際立つ。

HS1750CUがそのキャラクターをアピールするチューニングとなったことで、ストイックな音づくりのHS1790TIとのコントラストがさらに強まっている。互いの魅力を引き立て合う2モデル、ぜひ両方ともを体感してみてほしい。

(協力:ピクセル)



※本記事は「プレミアムヘッドホンガイドマガジンVOL.18 2022 SUMMER」所収記事を転載したものです

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