公開日 2015/12/11 10:30

声フェチ女子なら悶絶? 人気声優の“ハイレゾ落語”を聞いたら良い感じだった

『昭和元禄落語心中』
アニソンオーディオ編集部:押野 由宇
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
キングレコードから「件名:落語・・・」のメールが届いた。寄席の招待状かと思ったがよくよく見ると、落語をハイレゾでリリースするとある。…ん?

言葉としては分かるものの、ちょっと理解が追いつかなかったので、本文に目を通す。そこには『昭和元禄落語心中』の文字があった。なるほど、これは面白いことになりそうだ。

●本格落語漫画がアニメ化。落語音声をハイレゾ化

ということで、本題に入っていく。これはアニメ『昭和元禄落語心中』のプロジェクトの一環として、作品の題材ともなる落語を登場人物たちが実演、それをハイレゾで録音しリリースするというものだ。

『昭和元禄落語心中』

まず『昭和元禄落語心中』について簡単に紹介したい。原作は雲田はるこによるコミックスで、第17回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞および第38回「講談社漫画賞」一般部門受賞作品となる。ストーリーは以下の様なもの。
刑務所の落語慰問会で見た大名人・八雲の「死神」が忘れられず、出所した与太郎が真っ先に向かった先は、寄席だった。拝み倒して八雲の住み込みの弟子となった与太郎だが、八雲の元では小夏という女性が暮らしていた。八雲と小夏には他人が容易に触れられない因縁があるらしく…。戦後の昭和を舞台に、主人公の与太郎を中心に繰り広げられる人間譚。


漫画『昭和元禄落語心中』は現在1〜8巻まで発売中

2016年1月8日(金)より、MBS、TBS、CBC、BS-TBS“アニメイズム”枠にて放送開始予定となっている。初回放送は1時間拡大スペシャルとなっており、アニメーション制作はスタジオディーンが務め、監督に畠山 守、シリーズ構成に熊谷 純、キャラクターデザインに細井美恵子、音楽に澁江夏奈、そして落語監修に落語家・林家しん平を迎える。

キャストもまた豪華。ざっと並べると、与太郎役に関 智一、有楽亭八雲役に石田 彰、小夏役に小林ゆう、落語家・助六役に山寺宏一、謎の女性みよ吉役に林原めぐみ、落語評論家アマケン役に山口勝平。そのほかのスタッフ、キャストもみな実力派揃いで、本格落語のアニメ化に対する並々ならぬ意気込みが感じ取れる。

主人公となる与太郎(CV 関 智一)

今回ハイレゾで配信されることになるのは、すでにリリースされている同作品の2枚組サウンドトラックCD『昭和元禄落語心中音曲噺其の一』より、落語が収録されたDISC 2の内容だ。

『昭和元禄落語心中音曲噺其の一』(KICA-3251〜3252) ¥2,500/税別

曲目は以下の通り。

1.一番太鼓
2.二番太鼓
3.前座の上がり
4.「出来心」
5.仲入り
6.潮来
7.「死神」
8.追い出し太鼓


実際の寄席の流れに沿った構成となっている。その辺りのこだわりも流石だが、とにもかくにも注目は落語パート。その内容は素晴らしく本格的だ。与太郎(CV関 智一)による「出来心」は22分31秒、有楽亭八雲(CV石田 彰)による「死神」は23分34秒。噺っぱなしである。

●落語でハイレゾ、いいんです

さて、そろそろ大体の人が抱いているであろう疑問に触れよう。

Question:なぜハイレゾ?

Answer:耳がアレするから。

…もう少しマトモに言うならば、声がよりリアルに感じられることでさらに没頭できるようになる。ハイレゾは音が良いなんて言われるが、人の声はそれを感じやすい。それが声のプロである声優のものであるならば、まったくもって顕著だろう。

元々ハイレゾを見越して製作された音源であり、CDで発売されているものは当然CDクオリティ(44.1kHz/16bit)に落とし込まれている。本ハイレゾ音源のスペックは48kHz/24bit。声に特化した音源であるため、ビット数が大きくなっていることがポイントだ。なお16と24ってあんまり変わらないじゃん、という方もいるかもしれないが、実際には2の16乗と2の24乗という計算なので、そこには256倍の差がある。

簡単に言うと、これまでノイズとして処理されたよう小さな音量の音も、しっかり再現できる。つまるところ、息遣いや声の余韻などが生々しくなったりする。

また、ドラマCDなどでもハイレゾやバイノーラルといった試みはいくつかあるはずだが、本作ならではのポイントがある。まず、落語はバックに音楽が流れない。遮るものがないので声のみを堪能できる

また「出来心」も「死神」も、古典落語として実際に存在する演目だ。完成度が高く、単純に面白い

ではここで我が社の女性編集部員(にわか落語ファン)による、ハイレゾ落語を聴いてのコメントを掲載したい。

次ページ“声フェチ女子”にはたまらない。落語だからこそ色んな声色を楽しめる

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX