公開日 2013/12/09 11:24

緋色の限定ヘッドホン・オーディオテクニカ「ATH-A900X LTD」を岩井喬が聴く

ファイル・ウェブ編集部
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オーディオテクニカの数あるラインナップの中で特に音質にこだわるユーザーからの注目を集めるのが密閉型ヘッドホン、アートモニターシリーズであろう。その中でもコストパフォーマンスの優れたモデルとして不動の人気を誇るのが“A900”の系譜だ(厳密にいえば“A9”であろうか)。「ATH-A900」は2002年に発売して10年近いロングセラーを記録し、オーディオテクニカの密閉型ヘッドホンの代名詞とも言える存在となっていた。その後継となる現行の「ATH-A900X」(関連レビュー)となっても安定度の高いハイC/Pサウンドは健在である。


ATH-A900X LTD
そして “A900”系譜の節目に登場する限定モデルの存在もまた、ユーザーの高い関心を惹く理由の一つだろう。これまでに登場した“A900”限定モデルであるATH-A900LTD(2005年)、ATH-A900Ti(2007年)は発売して間もなく完売するほどの人気の高さを誇ってきたが、この度A900Xをベースとした限定2,000台のリミテッドモデル「ATH-A900X LTD」が登場することとなった。

外観で大きな差となるアルミハウジングのカラーは上品な緋色を採用。アルミの地の色をあしらったエッジはゴールドラインとなり、高級感漂う仕上げとなっている。

さらにA900Xでは片出しだったケーブルは左右両出し・アース線独立4芯仕様のOFC-6N+OFCとして、Φ53mmドライバーユニットも専用の新設計品を採用。ボイスコイルにはOFC-6Nボビン巻きタイプを用いている。

2重構造のハウジングとすることで空気の抵抗を利用し、ばねのようなダンピングの良い特性を持たせるD.A.D.S.(ダブル・エアー・ダンピング・システム)方式によって、量感を持たせながら伸びの良い低域特性を実現。3D方式ウイングサポートによる快適な装着感に加え、イヤーパッドの素材にも手を入れたことでクッション性やさわり心地をよりソフトに進化させている。

今回はATH-A900Xと比較試聴を行ってみた。「ATH-A900X LTD」では全体的なサウンドの透明感、低域の解像感、制動感の向上が認められ、全帯域でバランスの整った耳当たり良い音色を獲得しているようだ。音像は適度な密度とハリの良さを持ちながら音ヌケ良く自然に際立つ。解像感や鮮度も高く、A900X以上に価格レンジを超える安定したサウンドを持っているといえるだろう。

オーケストラのハーモニーはきめ細やかで、余韻の伸びもクリア。スムーズな旋律は倍音感も素直であり、ホールトーンの清々しさも存分に楽しめた。ジャズピアノのタッチは鮮明でボディ感も太く安定した響きを見せる。音場のS/Nも高く、リズムはキレ良く弾む。ウッドベースのディティールはリアルで、胴鳴りはむっちりとした倍音のリッチさをほのかに感じさせてくれる。ロックのリズム隊は押し出し豊かで、ディストーションギターのボディ感を粘り強くパワフルに描く。リフの粒立ちは小気味よく一音一音の分離感も高い。ボーカルは肉付きをしっかりと持たせつつ、口元のハリを艶良く滑らかにまとめ、ウェットな音色としてくれる。ホーンセクションも厚み良く、ハイノートの輝きとのバランスも見事。音場感の表現も巧みで、位相感も正確だ。

試聴音源(再生機器:iBasso HDP-R10)
・レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』〜木星(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』〜届かない恋、夢であるように(192kHz/24bit・WAV)
・シカゴ『17』〜ワンス・イン・ア・ライフタイム(192kHz/24bit・FLAC)

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