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公開日 2022/10/17 12:00

8Kで文化財鑑賞!デジタル技術で日本美術を体験する「未来の博物館」をレポート。シャープが出展

東京国立博物館創立150周年特別企画
編集部:伴 修二郎
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シャープは、東京国立博物館の創立150周年を記念して10月18日から開催される特別企画「未来の博物館」に、同社8K技術による文化財鑑賞ソリューションを活用した「夢をかなえる8K」を出展。大画面の8K映像で仏像を鑑賞できる「みほとけ調査」、茶碗を実際に手にとったかのように鑑賞できる「ふれる・まわせる名茶碗」の展示を行う。

東京国立博物館の創立150周年記念「未来の博物館」

「未来の博物館」は、東京国立博物館の所蔵品を元に制作したデジタルコンテンツや複製などで構成された体験型の特別展覧会。同館内の全3会場で各テーマに沿った展示が行われ、シャープは東洋館の第3会場で展示を行う。期間は10月18日から12月11日まで。

本稿では、開催が差し迫る10月13日に同館で実施されたメディア向け内覧会の模様をレポートしたい。

第3会場「夢をかなえる8K」(協賛:シャープ)



東洋館の1階エントランスに設けられた、同社8K技術による「文化財鑑賞ソリューション」を活用した「ふれる・まわせる名茶碗」「みほとけ調査」の2種類のコンテンツを体験できる。

シャープ協賛の「夢をかなえる8K」

文化財鑑賞ソリューションとは、「シャープ8Kインタラクティブミュージアム」をベースに、文化財活用センターおよび東京国立博物館と共同開発した文化財の鑑賞方法のこと。美術品や工芸品など文化財の3DCG画像を8Kディスプレイに映し出し、拡大や縮小、回転を行うことでより細部まで鑑賞することができる。

「ふれる・まわせる名茶碗」は、70V型8Kディスプレイに表示される8K 3D画像と、画像と連動した茶碗型コントローラーを使用することで、実際に重さや手触りを感じながら微細な模様や質感などが鑑賞できるというもの。2020年にも同館で実施されたことがあるが、今回は一部仕様が進化した。

「ふれる・まわせる名茶碗」

従来は3種だった鑑賞できる茶碗の数が、九州国立博物館所蔵「油滴天目」や愛知県陶磁美術館所蔵「黄瀬戸胴紐茶椀」など3種が追加され計6椀となり、それぞれ比較しながら鑑賞することができる。

6椀をそれぞれ比較しながら鑑賞できる

1種類のみだった茶碗コントローラーも、各茶碗ごとの形状を再現した全6種を用意。茶碗の種類により異なる質感や厚み、重さが細部に至るまで再現されており、その違いを手にとって体感することも可能となった。

本展示では茶碗コントローラーも各種用意!

茶碗ごとの質感や重さが細部まで再現されている

体験方法はいたってシンプルで、鑑賞したい茶碗のコントローラーを手に取り、モニター前に立って茶碗コントローラーを360度好きな角度に動かすだけ。細かい部分が高精細な8K映像で見事に描写され、気になる箇所を拡大・縮小することもできる。各部に用意された「見どころマーク」では説明文も確認可能だ。体験時間は1人あたり最大10分まで。

細かい部分が8Kの高精細な映像にて鑑賞可能

一方「みほとけ調査」は、ガンダーラ/中国/日本で作られた全3体の仏像を、高精細な3DCG映像で鑑賞できるというもの。2021年に実施された際は70V型だったディスプレイを、今回から等身大の仏像が映し出せる120インチの大型8Kディスプレイに一新。幅2,657.2×縦1,494.7mmの大画面表示により、臨場感あふれる鑑賞体験が味わえる。

「みほとけ調査」

懐中電灯型の操作デバイスでモニター上の仏像に光を当てると、実物の鑑賞時には見えづらい細部の表現などが鑑賞できる。実物の最大約8倍まで拡大表示できるので、仏像の表情や肉眼では捉えきれない細部の装飾までじっくりと観察することができた。

仏像に光を当てて細部をじっくり鑑賞できる

また、鑑賞者が指定の範囲内で上下左右に動くことで、仏像の鑑賞場所を自由に調整することが可能。仏像の横や裏側、頭や足元にいたるまで、まさに実物を生で観ているかのような鑑賞が行える。こちらも「見どころポイント」にライトを照らすことで、鑑賞の鍵となる情報がチェックできる。なお、仏像調査の最後には、発見したポイントをまとめて確認できる。

鑑賞者が上下左右に動くことで、裏側や足元なども

担当者は本展示について「デジタル技術と日本美術体験を組み合わせた、新たな鑑賞体験をご提案したい。さらに本技術を推進し、他の展示会や博物館などにも展開していければと思う」と今後の展開に力を込めた。

併せて、NHKが主催する第1会場の「時空をこえる8K」、キヤノンが協賛する第2会場の「四季をめぐる高精細複製屏風」についても見学させてもらえたので、こちらの様子ついても簡単にレポートしたい。

第2会場「四季をめぐる高精細複製屏風」 (協賛:キヤノン)



キヤノンが協賛する第2会場は本館の特別3室にあり、同館が誇る春夏秋冬の四季の風景を描いた「屏風」の高精細複製品を活用した、映像と音によるプロジェクションマッピングを実施。キヤノンの高精細な映像出力技術によって、四季折々の美しさが感じられる鑑賞体験が味わえる。

キヤノン協賛の「四季をめぐる高精細複製屏風」

全4種の屏風のうち、「花下遊楽図屏風」「観楓図屏風」の高精細複製品は、キヤノンとの共同研究プロジェクトにて制作されたもの。「納涼図屏風」「松林図屏風」の高精細複製品は、キヤノンと京都文化協会が共同で取り組んでいる「文化財未来継承プロジェクト」より寄贈されたものだという。

四季折々の風景が描かれている

天井に配置された計10台のプロジェクターから、それぞれの複製屏風へ時間差で映像を投影。各屏風の絵の一部が順次動き出し、舞い散る桜の花びらや飛んでいく鳥、降りそそぐ雪など臨場感のある鑑賞が体感できる。いずれも映像演出の所要時間は約1〜3分程度で、1周するのに要する時間は約9分。

映像演出によって雪が降りそそぐ

第1会場「時空をこえる8K」 (主催:NHK)



NHKが主催する第1会場は、第2会場と同じ本館の特別5室に位置する。ここでは、同社による最新の8K技術や3DCG技術を用いて、遠く離れた法隆寺・夢殿の空間や、国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」に描かれた400年前の京の都の賑わいが鑑賞可能。まるでその場にいるかのような「時空をこえた体験」が味わえる。

NHK主催の「時空をこえる8K」

3つのテーマに沿って展開され、1つめの「空間をこえた出会い-法隆寺 謎に満ちた金色の秘仏」では、奈良の法隆寺・夢殿に祀られている長い間秘仏とされていた国宝「観音菩薩立像 救世観音」の姿を、8Kの3DCG技術による特大スクリーンの映像で鑑賞できる。

貴重な「救世観音像」を鑑賞できる

スクリーンは中央に360インチの大型8K液晶パネル、その左右に220インチの4K液晶パネルを繋げた幅13mにも及ぶ特大3面仕様で、救世観音を間近で堪能できる。なお、本スペースは今回の内覧会でのみ写真撮影が許されたが、一般開催時は写真撮影はNGとなるので、来場される際は注意していただきたい。

スクリーン中央には360インチの大型8K液晶パネル

左右に220インチの4K液晶パネルを配置

2つめの「時間を超えた出会い-洛中洛外 400年前の京都へ」では、江戸時代の絵師・岩佐又兵衛が今から約400年前の京都の街並みを描いた大パノラマの絵画「洛中洛外図屏風(舟木本)」が、幅約10mもの高精細大型ディスプレイに映し出されている。「食と享楽」「美と芸能」「歴史と文化」といったテーマに沿って、タレントの伊集院光さんやIKKOさんらがナビゲーターとして語る映像も流されている。

約400年前の京都の街並みが高精細ディスプレイに!

IKKOさんなどタレントによるナビゲーター映像も

3つめの「デジタル ハンズオンギャラリー」では、縄文時代の土偶、室町時代の甲冑、江戸時代の能面を3DCG化した映像を、シャープ製の85型8Kモニターで鑑賞できるブースを3箇所に設置。専用コントローラーを操作することで細部を鑑賞することができる。能面を回転させて裏面を鑑賞したり、甲冑の色を自分好みにカスタマイズすることも可能だ。

鑑賞スペースの様子

中々観られない能面の裏側も確認できる!

いずれの会場も、従来の展示方法や環境では難しかった、より高い臨場感や没入感のある鑑賞体験が味わえる内容となっていた。「未来の博物館」と謳われている通り、本稿で紹介したような展示内容が、いつの日か博物館のスタンダードとなる日も近いのかもしれない。

どの展示コンテンツも、実際に体感してこそ楽しめる内容となっており、気になった方はぜひ一度足を運んでみてほしい。

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