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公開日 2013/01/31 20:35

DTS、ヘッドホンのバーチャル11.1ch再生「DTS Headphone:X」を国内初披露

パナソニックの北米向けテレビ新モデルがDTS技術を採用
ファイル・ウェブ編集部
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DTSは、2013年度事業戦略説明会と、昨年から移転した新宿の新オフィス披露パーティを開催した。会場では「2013 International CES」で発表した最新技術(関連ニュース)のデモも実施し、通常のヘッドホンで11.1chバーチャルサラウンド再生が行える同社の最新技術「DTS Headphone:X」を国内初披露した。

新オフィスが披露された

■ヘッドホンのバーチャル11.1ch再生「DTS Headphone:X」を国内初披露

DTS Headphone:Xは、DTSのサラウンドフォーマット「DTS Neo:X」と同じ構成の最大11.1chのマルチサウンドを、普通のヘッドホンでバーチャル再生できる最新技術(関連ニュース)。

今回は新オフィス内に設けられた試聴用スタジオに11.1ch環境が用意され、CESでの試聴デモと同じように、実際のスピーカーによる11.1ch再生と、DTS Headphone:Xのバーチャル11.1ch再生を比較できるデモを展開していた。なお、米国外にDTS Headphone:Xのデモ環境が持ち込まれるのは今回が初めてとなる。

国内初披露された「DTS Headphone:X」のデモ環境


CESのときと同じく、ゼンハイザーのヘッドホンがリファレンスに用意されていた
また、昨年買収したSRS社の技術を展開したサウンドバー向けのバーチャルサラウンド技術「DTS Studio Sound」を搭載したサウンドバーも披露。これもCESで発表されていたもので、米国では既に製品化されている。

サウンドバー向けのバーチャルサラウンド技術「DTS Studio Sound」を搭載したサウンドバー

「DTS Studio Sound」のデモの様子

そのほか、DTSの様々なポスプロ技術をパッケージ化した「DTS Ultra PC II Plus」を搭載した富士通のPCや、SRS社のPC向け技術を採用する東芝のPCなども展示。PC向けのソリューションについても、上述の「DTS Studio Sound」と同じように、SRSとDTSの技術が融合することによる次世代技術の登場が期待される。

「DTS Ultra PC II Plus」搭載の富士通製PC

SRS社の技術を採用する東芝製PC

■2013年度事業戦略説明会

事業戦略説明会では、米DTS社の会長兼CEO ジョン・カーシュナー氏、dts Japan(株)の代表取締役社長 小玉章文氏らが登壇し、同社のこれまでの歩みとこれからの展望を語った。

「DTSのビジョンは、世界の“音”の向上に取り組むことだ。私たちは“音”が人々の感情の源になっていると信じている。映画でもビデオゲームでも、サウンド=“音”は重要な役割を果たしている」とカーシュナー氏は述べ、同社の歩みを振り返った。

ジョン・カーシュナー氏

DTSの創業は1993年。映画業界で業務を開始し、その技術は同年に制作されたスティーブン・スピルバーグの映画『ジュラシック・パーク』に採用された。カーシュナー氏は「これを経て、次にDTSはホームシアター分野へ展開を広げ、消費者向けのアプリケーションにおける“音”の役割を考えていった。それまでDTSの技術は数千単位の映画館に向けられたものだったが、ホームシアター分野への技術拡充により、数百万単位の人々にDTSの技術が届けられることとなった」と語る。

DTSの歴史を振り返る

さらに、その後のDVD/BDソフトへの採用も挙げ、「DTSの技術はDVD/BDソフトのオーディオコーデックとしてスタンダードに採用されるに至り、これによって数億人単位のユーザーに届くこととなった」と振り返る。

同氏は続けて「世界でも有数の大手ソリューションプロバイダーとなったが、DTSのビジョンは20年前の創業時と変わっていない」とし、昨年買収したSRS社との融合についても説明。上述の「DTS Studio Sound」のような両社の技術を融合させた新しいオーディオソリューションを展開していく構えだ。なお現在、DTSおよびSRSのオーディオ技術を搭載する製品の数は併せて25億ほどに至っているという。

また、全米におけるBDソフト売上TOP100の89%がDTS-HD Master Audioを採用していることや、日本でも映画BDソフトの分野で90%のシェアを獲得していることも紹介された。

全米におけるBDソフト売上TOP100の89%がDTS-HD Master Audioを採用している

最後にカーシュナー氏は、「世界は大きく変貌し、多くのデバイスがネットワークに繋がるようになっている。DTSはAVアンプへの採用に始まり、PCやスマホ、車、BDプレーヤー、テレビなどの製品分野に採用が進んでいる。コンテンツがこれらのデバイスを遷移しているということが興味深い。DTSはこういった環境に対応するテクノロジーをもっと提供していきたい」とした。今回国内初披露となったDTS Headphone:Xについても、「ヘッドホンによるサウンド体験を大きく高められる技術であると思う」とアピールした。

DTS技術採用デバイスは20億台以上にのぼる

そして「テクノロジーが進化し、どんどん改善されることにより、10年前では実現できなかった高品位なサウンドエクスペリエンスが実現可能になっている。DTSのテクノロジーで、“音”によって目に見えるものが変わる、というメッセージを強く訴えかけたい」とした。

続いて登壇した小玉氏は、SRSの買収について「SRSはテレビのポストプロセッシングにおいて全米で最大シェアを誇っている。DTSはどちらかというとコーデックの会社であり、この2社が合体することによってサウンドの会社としてトータルソリューションを提案できるようになった」と説明した。

小玉章文氏

小玉氏はdts Japanの役割を「世界市場で活躍する日本の家電業界に対して、民生用機器向けに開発された最先端の音響技術を紹介、提供すること」「一般の人々にDTS技術を使用したプレミアムサウンドを実際に体験してもらい、DTSブランドを確立していくこと」と紹介した。

dts Japanの役割をアピール

なお、国内メーカーにおけるDTS技術の採用では、パナソニックの北米市場向けのテレビ新製品ラインに、同社のコーデック技術「DTS 2.0+Digital Out」が採用されたことが本日発表された。対応する製品は、プラズマテレビ「ZT60/VT60/ST60/S60/X60」と液晶テレビ「WT60/DT60/ET60/E60/EM60」。

パナソニックは、これまで欧州向けのテレビ製品でDTSのオーディオ技術を採用してきたが、北米向け製品に採用するのは今回が初めてとなる。

なお、一般向けにDTSの認知度を高めていく活動としては、先述の通り新オフィス内に試聴用スタジオを設置し、ライセンシーや業界関係者がDTSの最新プレミアムサウンドを体験できる場を用意した。ここではブロガーイベントなど、一般向けの開放も考えているという。

一般向けにDTSブランドの認知を高める取り組みも強化していく

さらに、昨年のSUMMER SONICでは巨大トレイラーを用いて、一般の人々がDTSのサウンドをできるデモを展開。今年2月に開催される「TOYOTA BIG AIR」でも同様のデモを展開し、DTSブランドを多くの人々に浸透させる狙いだ。

「TOYOTA BIG AIR」でもデモ環境を設置する

小玉氏は最後に、最新技術DTS Headphone:Xについて「住宅にホームシアターが構築しづらい場合が多いであろう日本市場に適しているのではないかと思っている。また、スマートフォンなどのモバイルデバイスは伸張している分野でもあり、それらの流れに乗っていくことを期待したい」と結んだ。

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