パナソニック、2種類のノイズを一括低減するハイブリッド車用のANC技術を開発。日産・新型エルグランドに初採用
パナソニック オートモーティブシステムズは、シリーズハイブリッド車のロードノイズとエンジンノイズを1つのシステムで制御する、統合型アクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)を開発したことを発表した。
本技術は日産自動車の新型「エルグランド」Xグレード/Gグレードの標準オーディオ仕様に採用され、今回が量産車への初搭載となる。
本システムは、路面から車内へ伝わる振動に起因するロードノイズと、エンジンの振動によって発生するエンジンノイズの両方をリアルタイムで低減するもの。
これまでロードノイズとエンジンノイズは、それぞれの周波数特性に応じた異なる制御が必要で、特にロードノイズは路面状況や車速に応じて周波数/振幅が複雑に変化するランダムかつ広帯域なノイズのため、リアルタイム制御が難しいとされていた。
新技術では、車両各所に搭載した加速度センサーを用いて騒音に深く関わる振動を検知/取得し、独自開発の信号処理アルゴリズムで騒音を予測/演算。これに基づき、車載スピーカーから逆位相の制御音を生成して放射することで、車内騒音の効果的な低減を実現したという。
また加速度センサーを活用した制御系と車載オーディオシステムを統合することで、ロードノイズとエンジンノイズを同一システムで制御可能に。これにより、路面や走行状態の変化にも追従し、高精度なリアルタイム制御による安定したノイズ低減性能を発揮するとしている。ロードノイズ/エンジンノイズに起因しない音声は低減されないため、車内の音楽/会話/通話がクリアに聞こえるとのこと。
なお2026年7月時点の同社調べによれば、シリーズハイブリッド車でロードノイズとエンジンノイズの双方に対応する統合型ANCは世界初だという。
本技術の車両搭載にあたっては、車両開発の初期段階から同社エンジニアが参画し、車種ごとに異なる車体振動、車内音響、スピーカーの特性を解析。加速度センサーや車載マイクの配置、制御設計を個別にチューニングすることで、あらゆる走行環境において安定したノイズ低減制御を実現すると説明する。
同社ではこのソリューションにより、車両構造やパワートレインの違いにも柔軟に対応することができ、設計自由度の拡大にも繋がるとアピールしている。
今回の統合型ANC以外にも、同社のANC技術は国内外の自動車メーカー5社以上、60車種以上で採用されており、今後も車内の静粛性や音楽・会話の聞き取りやすさを高め、より快適な移動空間の実現につなげるとしている。
なお同社は、2027年4月1日付で社名を「モビテラ株式会社」に変更する予定だ。

パナソニックオートモーティブシステムズ、「モビテラ」に社名変更。2027年4月から
2025/12/16

