公開日 2007/10/04 16:18

HD Rec対応機は年内発売、DVD Downloadなども紹介 − DVDフォーラム日本コンファレンス開催

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
DVDフォーラムは本日、「DVDフォーラム日本コンファレンス2007」を都内で開催。DVDやHD DVDの最新動向が紹介された。

今回紹介された内容の中で、特に注目したいのは2点。HD DVDフォーマットのデータをDVD-R/-RW/-RAMに記録する新規格「HD Rec」と、CSSで保護されたDVDビデオのデータをダウンロードし、DVD-Rに記録する「DVD Download」だ。

●HD Rec対応機が年内発売へ

「HD Rec」については、(株)東芝 上席常務待遇 デジタルメディアネットワーク社 主席技監の山田尚志氏が説明した。新規格を策定した背景について山田氏は、「DVDのメディアが安価なので、それにも記録したいとニーズがあるだろうとの考えでガイドラインを策定した」と説明した。

(株)東芝 上席常務待遇 デジタルメディアネットワーク社 主席技監の山田尚志氏

HD Recのメリットとして山田氏は、「H.264やVC-1といった新たなコーデックを採用することで、MPEG2に比べ録画時間が2〜3倍になる。SD映像の場合は、良いエンコーダーを使えば1〜2Mbpsで十分な画質が得られる。HD映像は5〜7Mbpsなら良好な画質が実現でき、片面1層のDVDに1時間程度録画ができる」と説明。さらに、ディスクやレコーダーが安価に製造できること、HD DVDビデオプレーヤー/レコーダーと互換性があることも利点として挙げた。

HD Recの概要。新コーデック採用で長時間録画が可能に

こちらもHD Recの説明

HD Recの対応メディアは、DVD-R/-RW/-RAM。3倍速以上の読み書きに対応していること、CPRMに対応していることが必須となる。なお、コンテンツのコピープロテクションにはHD DVDと同様にAACSを用いるが、AACSのメディアIDはCPRMのIDでも代用できることなどから、メディアは従来のCPRM対応製品を使用できる。

ディスクはCPRMメディアを採用。コピープロテクションはAACSを採用

ファイルシステムはUDF2.0

HD Recを採用した製品の具体例として山田氏は、HD Rec対応のHD DVDプレーヤーや、HD Rec対応DVDレコーダー/カムコーダーなどを紹介。いずれも、メディアはDVD-R/-RW/-RAMのうち1つに対応していれば良く、記録方式もHD DVD-Video、HD DVD-VRのいずれかに対応していれば良い。ただし、自己録再機能については必須となる。

HD Recを採用した製品規格の定義。これはHD Rec対応HDビデオプレーヤー

同じく、HD Rec対応DVDプレーヤー/カムコーダー

山田氏は、HD Rec対応製品の発売について、「年内には商品が出てくるかなあ、と考えている」と発言。CEATECの東芝ブースに、HD Rec対応モデルとして参考出品されていた、「RD-X7(仮称)」「RD-A201」「RD-A101」(関連ニュース)の正式発表が待たれるところだ。

東芝がCEATEC会場で展示していたHD Rec対応の試作機「RD-X7」

なおHD DVD関連ではこのほか、日本電気(株)標準化推進本部 シニアエキスパートの山中 豊氏により、3層のHD DVD-ROMについても紹介が行われた。容量は51GBで、今年初めのInternational CESで東芝が発表された新規格だ(関連ニュース)。現在、規格の最終仕様であるVer.2.0を作成しているところで、今年末には発行予定という。なお、層の数が増えたことで記録層の厚さが拡大し、球面収差補正を導入する必要があることも説明された。このほか、HD DVD-R/-RW 1層ディスクの4倍速記録や、同2層ディスクの2倍速記録、またHD DVD-RAMの2層ディスクなどについて、今後規格化を進める予定が示された。

日本電気(株)標準化推進本部 シニアエキスパートの山中 豊氏

再生には球面収差補正を行う必要がある

●「DVD Download」で新たなビジネスモデルが生まれる

「DVD Download」については、同フォーラム PCC Chairの蚊野 浩氏が執筆した配付資料に基づいてご紹介しよう。

「DVD Download」は、CSSで保護されたコンテンツを、DVD-Rに書き込む規格。コンテンツはインターネットからダウンロードすることが可能。これまでCSSコンテンツをDVD-Rに記録することは禁止されていたが、今回の規格化によって許可された。

従来のDVD再生機器は、DVD-Rに記録されたCSSコンテンツを再生しないように設計されているため、単純にDVD-RにCSSコンテンツを記録するだけでは、これまで普及しているDVD再生機器で再生することができない。このため、DVD Downloadに対応した新たなDVD-Rメディア「DVD Download Disc」を新たに規格化。記録にはこの新たなメディアの使用が必要となる。なお、規格化された「DVD Download Disc TS Ver.1.0」で規定されている書き込み速度は6〜8倍で、1層のみとなっている。また、記録するドライブやレコーダーも、DVD Downloadに対応した新たな機器が必要となる。

DVD Downloadのサービスイメージとして蚊野氏は、個人がサービスサイトから直接データをダウンロードし、対応機器とメディアに書き込む方法のほか、ユーザーの注文に応じてDVDを書き込み、配送する形態や、街頭に設置されたキヨスク端末で書き込む形態など、様々なビジネスモデルが考えられる、としている。

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX