• ブランド
    特設サイト
公開日 2006/04/04 20:34

「日立だからできた自信作」− Wooo新製品発表会レポート<Q&A全掲載>

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
別項でお伝えしたように、(株)日立製作所は本日、“Wooo”薄型テレビとレコーダーの新モデルを発表した。発表会の模様、質疑応答の全問全答をお伝えする。


古川一夫社長
(株)日立製作所の代表執行役 執行役社長の古川一夫氏は、「デジタル家電事業が日立の中核」とし、「これまでもユビキタス時代にふさわしい事業ポートフォリオの構築を目指してきたが、折しもワンセグがスタートして通信と放送の融合が加速するように、今後、市場は劇的に変化していく。このような状況の中、我々の持つ技術のシナジー効果を図る『uVALUE』こそ、他社との差別化のポイントになる」と、事業戦略を説明した。

さらに、「我々はテレビとレコーダーが家庭内ネットワークの中心になっていくと考えている。今年は日立のテレビ事業開始から50周年の記念すべき年で、さらにIBMから引き継いだHDD事業も50周年を迎える。この2つの技術のコラボレーションを具現化した商品が今回の新製品だ」と説明。また古川社長によれば、日立のレコーダー事業も30周年の歴史を持つという。「キーワードは『WoooでREC』。日立ならではの、日立だからできる製品を実現した自信作だ。日立の総合力はデジタル家電でこそ発揮できる」と述べた。

同社執行役常務 ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの江幡誠氏は、事業戦略をより詳細に説明。「1956年に14型の白黒テレビ『F-100』を発売して以来、今年で日立のテレビ作りは50周年を迎える」と、2006年が記念すべき年であることを強調。ちなみに、「F-100」の希望小売価格は89,000円で、同年の日立の初任給は12,000円だったという。

江幡誠CEO

2006年に日立のテレビ作りは50周年を迎える

江幡氏はまた、プラズマテレビの市場動向について、「2005年には590万台だったものが、2008年には1,300万台に伸びる。このうちHDタイプは現在の47%から70%まで増えると見ており、このうち30%のシェアを獲得するのが我々のターゲット」と説明。国内シェアでは、2005年1〜2月の30%から、今年の1〜2月は40%弱に伸張したことも強調し、「今後も継続して40%のシェアを維持するのが目標」とした。

プラズマテレビの世界市場動向

直近では国内プラズマテレビのうち40%のシェアを獲得した

レコーダー分野は国内需要について説明。台数は2005年の430万台から2008年には550万台に伸びると予想。さらに、地上デジタル内蔵タイプが、05年の20%から08年には90%へと急速に伸びるという予測も示した。Woooブランドのシェアは、昨年冬に現行シリーズを投入する前後で、17%から29%へ拡大したと説明した。

DVDRレコーダーの国内市場動向

昨年秋の新製品投入でシェアが高まった

また、薄型テレビ事業への投資については、これまで富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)に1,550億円、IPSアルファテクノロジに1,100億円の設備投資を行ってきたと説明。FHPについては、「三番館を今年10月に立ち上げて年産240万台体制を構築し、さらに当初2008年を見込んでいた三番館のフル稼働を2007年夏に前倒しする」とした。これにより、2007年夏には年間360万台の生産能力が実現することになり、同時に85インチまでの大型パネル生産が可能になる。

これまで行ってきたデジタル家電関連投資

FHP三番館の稼働を前倒し

ほかにも、日立が中心になって進めている液晶パネル生産会社、IPSアルファテクノロジについては、今年春に千葉県茂原市の新工場が稼働し、250万台の生産体制が整う。HDD事業を担う日立グローバルストレージテクノロジーズも、HDD組み立ての新生産拠点を中国の深センに作り、08年までに総額5億ドルを投資。「この地域だけで日立GSTの総生産台数の約5割を計画している」とした。

千葉県茂原市のIPSα液晶パネル工場が今春稼働する

中国・深センにHDD組み立ての新生産拠点を構える

さらに、欧州地域にデジタル家電の生産拠点を新たに設ける計画も発表。「これまでEMSで対応してきたが、2007年度に自前の拠点を持つ計画だ。場所は検討中だが東欧が有力だ」。

また江幡氏は、日立のグループ力を結集し、デジタル家電の内製化率を高めていることもアピール。「プラズマテレビは61%、液晶テレビは70%、DVDレコーダーは46%が日立グループ内で作られている」とした。

薄型テレビの生産能力を世界的に増強させる

今回のWooo9000シリーズは同社として初めての世界同時立ち上げを実現

最後に江幡氏は、今回の薄型テレビ“Wooo”9000シリーズを、同社として初めて全世界同時立ち上げすると発表。デジタル家電の開発人員増強についても、「これまで500人だったものを、研究所の人員を総動員して2,000人規模に増強する」と説明した。

製品の詳細については、同社ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング事業部の吉野正則氏が説明。今回の新製品のキーワードである「WoooでREC」「いいとこ観」や、プラズマテレビに搭載されている垂直解像度1080本のALISパネル、IPSα液晶パネルに搭載した「倍速スーパーインパルス」、2倍の録画時間を実現する新技術「XcodeHD」などの概要が述べられた。

発表会の最後には、WoooのCMキャラクターである黒木瞳さんと、CM中で黒木さんが身につけている装束を作った、京都西陣「俵屋」18代 喜多川俵二氏が登場。喜多川氏は重要無形文化財保持者で、いわゆる人間国宝。

黒木瞳さんと人間国宝の喜多川氏。奥に見えるのが今回のCMで使われた装束

黒木さんはCMキャラクターになる前からWoooを愛用していたという

今回の新製品のCMは何通りか用意されているが、中でも話題を集めそうなのが「月下のささやき」篇。黒木瞳さんが、喜多川氏が作った赤い装束を身に纏い、Wooo製品をアピールする。装束の赤は、RECボタンの赤丸をイメージしたもので、これは「9000シリーズの目の覚めるような“純赤”の映像表現を受けたものでもある」という。


新CMのワンシーン
黒木さんは、喜多川氏の作った装束を初めて見たときに「うわぁ素晴らしい! 」と一目で気に入ったという。また、装束が軽いことに驚いたというエピソードも披露した。

喜多川氏は、「装束は皇室の行事で用いられるもので、風格とか品の良さが求められる。そのため、ふだんから感性を養う努力をしている」と述べ、「織物は横糸と縦糸でできており、非常に複雑な表情を持っている。赤は一つ間違うと色合いが全く変わってしまうが、Woooは私の好きな色を再現してくれている」と語った。「もともと『この木何の木』のCMが好きで、日立さんは品がいいというか、そういうイメージを持っていた。今回、日本のトップブランドである日立と、トップスターである黒木さん、そして織物のトップが一つのCMで競演し、それをWoooで再生することができたというのは非常にうれしい」。

なお、新テレビCM「月下のささやき」篇は4月8日からオンエアを開始する。

以下、発表会の最後に行われた質疑応答の全問全答を掲載する。

ワールドワイドで08年に30%のシェアを目指すとのことだが、現状のシェアを教えて欲しい。
全てのプラズマテレビの中でのシェアは11〜12%。HD対応モデルの中でのシェアは20%程度で、これを30%程度に引き上げたい。

パネル生産の増強を前倒しするとのことだが、新工場の計画についてはどうか。
2008年から2009年の需要を見ると、宮崎工場の4番館も必要になると考えている。既に検討に入っており、近いうちに発表できるだろう。

海外の生産を4.5倍にするということだが、欧州の新拠点の動向や、海外での展開について詳しく教えて欲しい。
欧州の新生産拠点は来年に稼働させる。欧州と言っても広いが、今のところ東欧が有力だ。また、アメリカと中国のプロジェクションテレビの生産工場も、薄型テレビの生産に切り替える。

東芝など、他社にもHDD内蔵テレビは存在する。また、松下などはHDMIのリンクで録画機能を実現しているが、これについてはどう考えているか。
松下さんとの違いは、HDDを本体に内蔵しているということ。リモコンの録画ボタンを押すだけですぐに録画を開始する。VIERA Linkでは、メニューボタンを押して、操作を行っているうちに、すぐ10秒くらい経過してしまう。

録画容量を倍にする「TSEモード」の詳細を教えて欲しい。
カナダのViXS Systems社が開発した技術だ。詳細は説明員に聞いて欲しい。また、同技術の発表が別途行われると聞いている。

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 女子プロゴルフ「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」、4/26からの放送・配信予定
2 売価アップも品薄も問題にしないアキュフェーズの強さに感服 <販売店の声・売れ筋ランキング3月>
3 ソナスの新製品スピーカー「Lumina II Amator」が鋭い立ち上がり <ハイファイオーディオ売れ筋ランキング3月>
4 Prime Video、『ゴジラ-1.0』ほかゴジラ邦画実写全30作品や、Prime独占EP配信の『岸辺露伴は動かない』第4期など5月配信
5 ゲオ、43V型で4万円を切る狭額縁デザインの4K液晶テレビ
6 Anker、最大半額セールを楽天で実施中。完全ワイヤレスイヤホンは割引でさらにポイントアップも
7 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信。公開生放送の観覧受付開始
8 KEF、「LS60 Wireless」など一部スピーカー製品を値下げ。4月25日より
9 スカパー!、スティック型ストリーミング端末「スカパー!+(プラス)ネットスティック」を新開発
10 Netflixで「ご利用世帯の登録」画面が表示された場合の対処法は?
4/26 10:36 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX