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公開日 2018/09/14 16:00

TAD、「ME1」をフロア型へ発展させた新スピーカー「TAD-E1TX」。ペア220万円

Bi-Directional ADSポートを搭載
編集部:小澤貴信
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TAD(テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ)は、Evolutionシリーズのフロア型スピーカーシステム「TAD-E1TX」を11月下旬より発売する。価格は1,100,000円/1本(税抜)。

「TAD-E1TX」


同社のブックシェルフ型スピーカー「TAD-ME1」(2016年発売・50万円/1本 関連ニュース)のパーツや技術を踏襲しつつ、ダブルウーファー仕様としてフロア型に仕上げられた、3ウェイ・4スピーカー構成のバスレフ型スピーカー。Evolusionシリーズの初号モデルとして2011年に登場したフロア型スピーカー「TAD-E1」の事実上の後継機となる。今年5月にミュンヘンで開催されたHigh End Munichで試作機が公開されていたが(関連ニュース)、今回正式発表されたかたちだ。

発表会におけるデモの様子

TADは本日14日、東京・二子玉川の松本記念音楽迎賓館にて新製品発表会を開催。同社代表取締役社長の永畑純氏、開発を担当した長谷徹氏がその詳細について説明を行った。

永畑純社長

長谷徹氏

トゥイーターおよびミッドレンジには、TAD-ME1と同一の90mm CSTドライバーを搭載。CSTはTAD独自の2ウェイ同軸ドライバーで、ミッドレンジとトゥイーターの音源位置を揃えるとともに、ミッドレンジの振動板がトゥイーターのウェーブガイドの一部として動作するように設計されている。これによりミッドレンジとトゥイーターのクロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させ、全帯域にわたって自然な減衰特性と理想的な指向性パターンを実現したとする。

CSTドライバーの分解図

CSTドライバー

トゥイーターには軽量かつ高硬度により優れた高域特性を備えるベリリウム振動板を採用。ミッドレンジは内部損失が大きくカラーレーションや歪みが少ないというマグネシウム振動板を採用する。トゥイーターとミッドレンジのクロスオーバーは420kHzに設定されている。

ダブルウーファーには、アラミド織布と不織布をサンドイッチ構造にした160mm MACC(Multi-layered Aramid Composite Core)振動板を採用。ボイスコイルには高い放熱特性の高いチタン製ボビンを採用、さらにLDMC(Linear Drive Magnetic Circuit)採用の磁気回路を搭載することでリニアリティーを追求している。

ウーファードライバーの分解図

TAD-E1TXのウーファードライバー

「TAD-E1TX」の特徴となるのが、エンクロージャーの両サイドに配置された円形状のBi-Directional ADSポートだ。Bi-Directional ADSポートはTD-CE1やTD-ME1でも採用されている独自のバスレフポートで、開口部を前後に配置して、開口部への導入部はホーン形状とすることで、滑らかかつ効率よくポートを駆動。これにより、大振幅時のポートノイズを低減するとともに、ウーファー再生帯域に影響を及ぼす低次の内部定在波がポートから漏洩することを抑制できるとされる。

円形のBi-Directional ADSポートを両サイドに配置

Bi-Directional ADSポートのエアフローのイメージ

TD-CE1やTD-ME1では四角形のアルミパネルの下に配置されたBi-Directional ADSポートだが、TAD-E1TXでは円形のアルミパネルの下に配置。ポート自体の形状も先行2機種における縦長のスリット形状ではなく、円形になっている。

エンクロージャーは正面のバッフルの角度を3度後ろに方向けCSTドライバーとウーファーユニットのタイムアライメントを最適化している。一方でCSTドライバーはその指向特性を最大限活かすために、リスナーに対して正面を向くように垂直配置されている。

フロア型のより大きなエンクロージャー内で回折現象の影響を低減するために、エッジ部のラウンドの角度はTAD-ME1より大きくとられている。特に天面と正面のエッジ部の角度は大きく取られていて、天面が前方へ傾いた形状になっている。

さらにエンクロージャー内部の定在波解析を行い、最適な吸音材の選定および配置する位置を追い込むことで、内部定在波の影響を低減している。

クロスオーバー・ネットワーク回路は、ウーファー用およびCSTドライバー用の両方がエンクロージャー下部の独立した小部屋に、本体とは音響的に完全分離して配置されている。これは再生中のエンクロージャー内部の音圧によってネットワーク回路に悪影響が及ぼされることを防ぐための施策となる。またネットワーク回路を収める小部屋の床側はフェルトでフタをすることで半開放として、床と底面の間で発生する定在波の影響を回避しているとのことだ。

クロスオーバー・ネットワーク回路はエンクロージャー下部の小部屋に配置

エンクロージャー下部にはアルミプレートから削り出した15mm厚の2枚のベースプレートを前後に配置。ベースプレートと本体の間にプレートを挟んで振動を抑制している。ベースには前方2本、後方1本のスパイクを配置して3点支持。また、安定性を高めるために本体の重心位置は3度傾けている。後方プレートの両端には高さ調整可能な補助足を付けて、転倒対策も施した。

スピーカーターミナル部

再生周波数帯域は29Hz〜60kHz、クロスオーバーは420Hz・2.5kHz、出力音圧レベルは88dB、公称インピーダンスは4Ω。外形寸法は350W×1215H×512Dmm、質量は46kg。

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