公開日 2017/05/10 10:00

【連続インタビュー(下)】「アイドルマスター」最初期からのマスタリングエンジニアが語るハイレゾの魅力

「アイマスのハイレゾは勇気のある音作り」
編集部:押野 由宇
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アイドルマスターコンテンツのハイレゾ配信がスタートしたことを受け、日本コロムビアに行った連続インタビュー。初回は柏谷智浩プロデューサーとスタジオ技術部の瀬戸大介技師に、「なぜ、いまハイレゾなのか」「ハイレゾではなにが変わったのか」を聞くことができた(前回のインタビューはこちら)。

その内容から、確固たる意志と技術に基いてハイレゾ音源が制作されているということが分かったわけだが、同時に「マスタリング」というキーワードが度々出てきたことに興味がわいた。ハイレゾ化においては全曲がリマスタリングされているというが、そこでの“アイマスハイレゾ化のルール”のようなものはあるのだろうか?

そこで今回、音源の仕上げとも言える工程であるマスタリングに携わる、マスタリングエンジニアの佐藤 洋氏にお話をうかがった。

マスタリングエンジニア佐藤 洋氏

佐藤氏は昨年の第23回日本プロ音楽録音賞「ハイレゾリューション部門 マルチchサラウンド」で最優秀賞を獲得したほか、過去にも何度も受賞歴があることで、オーディオファンにも広く知られている。まさに熟練のベテランエンジニアである佐藤氏は、アイドルマスターをどうハイレゾ化しているのだろうか?

▼アイドルマスターシリーズの最初の一枚から参加

−−本日はよろしくお願いします。さて、佐藤さんのお名前は幅広い作品でお見かけするのですが、メインで携わるジャンルというのはあるのでしょうか?

佐藤:やっぱり一番多いのはアニメですね。アニメに演歌、時々クラシック、たまにジャズ、みたいな割合でしょうか。とは言えジャンルが集中することもあれば、まったくないこともあるので、時期とタイミングによってですね。

−−では、アイドルマスターに携わるようになったのはいつから?

佐藤:全ては『魔法をかけて!』(2005年9月28日リリース)から始まりましたね。765プロのアニメーション作品の楽曲は外のスタジオになりましたが、劇場版の頃からまた僕が受けさせていただけることになりました。シンデレラも初めから僕が担当させていただけることになって。『Never say never』(2012年4月18日リリース)から、アニメも含めて全てやらせてもらっています。

「魔法をかけて! (M@STER VERSION) 」収録の『THE IDOLM@STER MASTERPIECE Series 01』

−−ということは『アイドルマスター』と『アイドルマスター シンデレラガールズ』の最初の一枚から参加されているわけですね。そのきっかけというのは?

佐藤:当時のプロデューサーとは、『円盤皇女ワるきゅーレ』などで色々と一緒に仕事をしていたので、やり取りがスムーズだったり、どういう仕上がりになるのか想像がついたりと、チームとして気心が知れた関係でした。そんななかで「今度アイドルマスターっていう作品をやるんだよ」と声を掛けていただけて。

−−その頃の作業で印象に残っていることはありますか?

佐藤:「アニメじゃなくてゲームの音楽だから、しっかり気を引き締めないと大変なことになるよ」と脅かされながら始まりました(笑)。あと皆さん立ち会いに来られるので、当時はナムコさんのサウンドチーム全員とお会いしましたね。特にアイドルマスターはタイトルによって作曲家が違うので、「次はあなたの番」みたいに入れ替わっては、順番に音を作っていました。厳しかったですよ、一瞬も気が抜けない、もう真剣勝負! みたいで。

次ページマスタリングとは一体どういうもの?

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX