公開日 2016/06/20 10:28
人気シリーズ「CKR」第2世代機はどう変わったのか? オーディオテクニカ開発者に聞く
“世界初”機構搭載モデルがリニューアル
2つのドライバーを対向配置する“世界初”機構「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を搭載したCKRがデビューしたのは2014年。これまでのイヤホンを一新するようなサウンドは、リスナーに鮮烈な驚きを与えた。それから約2年。さらなる進化を遂げ、ハイレゾ対応も果たした“Sound Reality”シリーズとして、6月17日に登場した。新設計されたドライバーの詳細や、大きく変更された外観は音にどう影響するのかなどについて、岩井 喬氏が、企画・開発担当者にお話をうかがった。
第一世代機から2年。ブラッシュアップし
1ステージ上に辿り着いた新CKR
―― “世界初”機構を搭載して注目を集めたCKRシリーズが、今回“Sound Reality”シリーズとして新たに3モデルのラインナップで登場しました。前モデルの衝撃が大きかったぶん、それに続く製品への期待も高かったことと思います。新モデルはどのようなコンセプトで開発されたのでしょうか?
國分:2014年に発売した第一世代機は、世界初の機構を搭載したモデルとして、イヤホンに対する感度の高い方をメインにアピールしました。おかげさまで発売以来、そういった方々から音質を評価していただくことができ、「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」という機構に対する自信を深めることができました。ですので次は、これをいかに多くの方に広めていくかが課題だと考えました。
―― 以前は最上位機のCKR10だけでしたが、今回はCKR100/90/70すべてがハイレゾ対応になっていますね。
國分:はい、昨今の市場の盛り上がりを考えると、ハイレゾ対応はマストだろうと。
小澤:今回のコンセプトのひとつに「手の届く上質」というのがあります。ほんの少し手を伸ばせば手に入れられる価格の、上質なデザインのイヤホンで、今までより上質なサウンドを体験してみていただきたい…というモデルです。
―― そもそもCKRが誕生したのは「他社が手掛けるハイブリッド/デュアルドライバー搭載モデルをオーディオテクニカが手掛けたらどうなるか」がきっかけだったと聞いています。現在の市場を見渡してみると各社各様のユニークな機構を持ったハイブリッド型モデルが登場してきています。新しい機構を開発しなおすということは考えなかったのでしょうか?
國分:やはりオーディオテクニカならではの技術を使った方が、音のシグネチャーとしても“オーディオテクニカらしさ”を打ち出せるのではと考えました。
小澤:カナル型イヤホンの振動板の振幅はほんの0.数ミリほど。装着感を考えると振動板の大型化にも限界がある。そういったなかで高磁束・高駆動力を確保するには、やはり「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」だろうと。もちろんそのまま搭載するのではなく、さらに技術を一歩先へ進めた「DUAL PHASE PUSH-PULL〈Hi-Res Audio〉DRIVERS」に進化し、制動が良くなっています。
また、今回はCKR90で口径の違う振動板を組み合わせるという新しい試みにもチャレンジしました。CKR70はシングルドライバーですが、従来とドライバーの組み立て方を変え、精度を高めることで音質向上を図っています。
―― つまりいずれも第一世代機を一層ブラッシュアップして、全体的にステージを上げたというわけですね。
=お話をうかがった方= 技術本部 小澤博道 氏(写真右) 24年のキャリアを誇る、オーディオテクニカの音作りのキーマン。同社のスタンダードラインであるオープンエアーダイナミック型ヘッドホン「AD」、イヤホン「ES」など、そして「CKR」第一世代機から開発を手がける。 技術本部 田久保陽介 氏(写真中央) 新CKRの技術開発担当。これまでBA型イヤホン「ATH-CK100PRO」や、BA型イヤホンのフラグシップ「IM」などの開発を手掛ける。 マーケティング本部 企画部 國分裕昭 氏(写真左) 「CKR」第一世代機から企画に携わる。これまでアートモニターヘッドホン「A」などの企画を担当。 (文中敬称略) |
第一世代機から2年。ブラッシュアップし
1ステージ上に辿り着いた新CKR
―― “世界初”機構を搭載して注目を集めたCKRシリーズが、今回“Sound Reality”シリーズとして新たに3モデルのラインナップで登場しました。前モデルの衝撃が大きかったぶん、それに続く製品への期待も高かったことと思います。新モデルはどのようなコンセプトで開発されたのでしょうか?
國分:2014年に発売した第一世代機は、世界初の機構を搭載したモデルとして、イヤホンに対する感度の高い方をメインにアピールしました。おかげさまで発売以来、そういった方々から音質を評価していただくことができ、「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」という機構に対する自信を深めることができました。ですので次は、これをいかに多くの方に広めていくかが課題だと考えました。
―― 以前は最上位機のCKR10だけでしたが、今回はCKR100/90/70すべてがハイレゾ対応になっていますね。
國分:はい、昨今の市場の盛り上がりを考えると、ハイレゾ対応はマストだろうと。
小澤:今回のコンセプトのひとつに「手の届く上質」というのがあります。ほんの少し手を伸ばせば手に入れられる価格の、上質なデザインのイヤホンで、今までより上質なサウンドを体験してみていただきたい…というモデルです。
―― そもそもCKRが誕生したのは「他社が手掛けるハイブリッド/デュアルドライバー搭載モデルをオーディオテクニカが手掛けたらどうなるか」がきっかけだったと聞いています。現在の市場を見渡してみると各社各様のユニークな機構を持ったハイブリッド型モデルが登場してきています。新しい機構を開発しなおすということは考えなかったのでしょうか?
國分:やはりオーディオテクニカならではの技術を使った方が、音のシグネチャーとしても“オーディオテクニカらしさ”を打ち出せるのではと考えました。
小澤:カナル型イヤホンの振動板の振幅はほんの0.数ミリほど。装着感を考えると振動板の大型化にも限界がある。そういったなかで高磁束・高駆動力を確保するには、やはり「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」だろうと。もちろんそのまま搭載するのではなく、さらに技術を一歩先へ進めた「DUAL PHASE PUSH-PULL〈Hi-Res Audio〉DRIVERS」に進化し、制動が良くなっています。
また、今回はCKR90で口径の違う振動板を組み合わせるという新しい試みにもチャレンジしました。CKR70はシングルドライバーですが、従来とドライバーの組み立て方を変え、精度を高めることで音質向上を図っています。
―― つまりいずれも第一世代機を一層ブラッシュアップして、全体的にステージを上げたというわけですね。
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