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PR3つのサウンドモードで映像にもっとのめり込める

周囲を気にせず映画もゲームも大迫力で。ゼンハイザーのTV用ワイヤレスヘッドホン「RS 275」徹底レビュー

公開日 2026/02/25 06:30 草野晃輔
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仕事や学校を終えて帰宅し、ようやく訪れた自分だけの時間。映画の物語に深く沈み込み、スタジアムを震わせる地鳴りのような歓声を浴び、あるいは周囲を忘れてゲームの世界へ没入する——。そうやってテレビと対峙するひとときは、私たちにとってかけがえのない「リフレッシュ」の時間だが、体験の質を左右するのは、他ならぬ「音」である。

集合住宅での暮らしや家族への配慮など、音量を自由に上げられないことは、質の高いエンタメ体験を求める者にとって共通の悩みだろう。大掛かりなシステムを組まずとも、そこから溢れ出る情報を余さず、かつ高品位に受け取りたい。

そんな切実な欲求に対する一つの解となるのが、ゼンハイザーのテレビ向けワイヤレスヘッドホンシステム「RS 275」である。今回は、ヘッドホンという最も身近な選択肢でありながら、日常の視聴体験を劇的にアップグレードしてくれる本システムを紹介したい。

ゼンハイザー「RS 275」(予想実売価格:税込4万9280円前後)

 

洗練された3ピース構成。細部に宿る「意識させない」快適設計

「RS 275」は、Auracast対応のトランスミッター「BTA1」とヘッドホン「HDR 275」、そして専用のヘッドホンスタンドという3つがセットとなっている。

RS 275は、ヘッドホン、ワイヤレストランスミッター、ヘッドホンスタンドが1組になっている。パッケージから出して、すぐテレビの横にセットできる

Auracastは、Bluetoothの新世代規格・LE Audioをベースとしたワイヤレスオーディオ技術。1つの送信機から範囲内にある複数のAuracast対応イヤホンやスピーカーに音声を同時に伝送できる。新しいコーデック「LC3」を採用し、低消費電力でありながら、クリアな音質で低遅延に再生が可能なのが特長だ。

ヘッドホン「HDR 275」は、同社の人気Bluetoothヘッドホン “ACCENTUMシリーズ” の流れを汲むフォルムを採用。奇をてらわない良質なデザインは、どんな場面にも馴染みやすい。

ヘッドホン「HDR 275」

ハウジング側面には大きめの物理ボタンが配置されており、装着したままでも音量調整やサウンドモードの切り替えが確実に行える。指先でボタンの形状を判別しやすく、視聴を中断することなく操作できる点は、日々使う道具として非常に重要なポイントだ。

大きめの物理ボタンが配置され、視聴しながらの音量調整もやりやすい

コンパクトなトランスミッター「BTA1」は、HDMI ARC端子と光デジタル/アナログ入力を備え、テレビとの接続がスムーズ。映画のサラウンド音声などに採用されるDolby Digital規格もサポートしている。出荷時にHDR 275とペアリングされており、テレビとつないで電源を入れればすぐに視聴を楽しめる。

トランスミッター「BTA1」は、Bluetooth LE Audioのブロードキャスト機能「Auracast」対応がトピック。HDR 275以外のAuracast対応イヤホン/ヘッドホン、スピーカーを同時接続できるし、複数人で同じコンテンツを聴くこともできるのだ。BTA1単品での販売も行われる(予想実売価格:税込2万5300円前後)

Auracastを採用するため、同社の完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 4」などのAuracast対応オーディオ機器をペアリングして、同じ音声を複数人で共有することも可能。一人のときはHDR 275でコンテンツにどっぷり浸かり、横になってリラックスしたい時はイヤホンで……といった使い分けも、このシステム一つで実現する。

背面には、ARC対応のHDMI入力、光デジタル/アナログ兼用の3.5mm入力、USB Type-Cポートを装備する
天面左側のボタンを押すたび、使用する入力端子が切り替わる。電源ボタンも兼ねていて、長押しすればスタンバイモードになる

スタンドも秀逸で、ヘッドホンを上部のフックに掛け、フット部分にトランスミッターを置くスタイル。実測で高さ約265mmに収まるこのセットは、テレビ台の限られたスペースにも無理なく馴染み、リビングの風景をスマートに整えてくれる。この、空間を圧迫しないミニマルなデザインは、インテリアにこだわりを持つ人にも嬉しいポイントだ。

同梱のヘッドホンスタンドはどんな場所にも置けそうなミニマルデザイン

 

素直なサウンドは、変幻自在。どんなコンテンツでも没入させてくれる

ヘッドホンHDR 275を装着して、驚いたのがその軽さ。約195gと軽量なこともあるが、頭頂部を面で支持するためか、数字以上に軽く感じられる。側圧はゼンハイザーらしい、しっかりとしたホールド感だが、圧迫感は皆無。ファブリックと柔らかなクッションを組み合わせたイヤーパッドが圧力を適切に分散してくれる。

HDR 275のイヤーパッドは厚みたっぷりの柔らかな触感。表面積や軽さも相まって、肌への当たりが非常にソフト

早速、溜まっていた海外ドラマや、ちょうど開催されていた冬のスポーツの祭典を視聴したほか、お気に入りのホラーアクションゲームや音ゲーをプレイしてみた。音調は全体としてクリアで色付けが少ない。低域はタイトで弾力があり、高域も耳に刺さることなく滑らかに伸びる。素直なサウンドでどんな映像や音楽とも相性がよかった。

このHDR 275の素性の良さをベースに、BTA1には没入感をより深める3つの「サウンドモード」が用意されている。

BTA1の天面右側に、サウンドモード切り替えボタンと現在のモードを示すLEDが備わっている

1つ目が「バーチャルサラウンド」モード。入力されたDolby Digitalサラウンド音声はそのまま、ステレオ音声は5.1chにアップミックスして再生するモードで、オンにすると頭を中心に音場が拡がり、音が空間に響くのが分かる。

冬期のスポーツ中継を視聴した際、このモードに切り替えた瞬間の臨場感には驚かされた。雪に音が吸収されがちな屋外競技特有の空気感の中でも、観客の声援が自分を包み込むように聴こえ、会場の雰囲気を見事に再現してくれる。

2つ目の「スピーチクラリティ」モードは、補聴器事業を長年手掛けているSonovaグループのノウハウを注ぎ込んだもので、人の声の明瞭さや聞き取りやすさをアップさせるというもの。その効果は絶大で、出演者の多いバラエティ番組やクイズ番組などで、紛れがちな「声」を鮮明に浮き上がらせてくれる。

最後は、これらを組み合わせた「バーチャルサラウンド+スピーチクラリティ」モード。これは映画やゲームとの相性が抜群に良かった。例えばホラーゲームをプレイした際、不気味な物音がする方向を正確に捉えつつ、キャラクターの微かな呟きも逃さず聞き取ることができた。

テレビのスピーカーでプレイするよりも、空間の奥行きや緊迫感が一段と増し、気づけば作品の世界に深くのめり込んでいた。

RS 275に付属する4本のケーブル。左から、3.5mmアナログケーブル、光デジタルケーブル(丸形 - 角形)、BTA1用USBケーブル、HDR 275充電用USBケーブルとなる

数時間連続で楽しんだが、驚くことに最後まで首や肩に負担を感じることがほとんどなかった。イヤーパッドの通気性も良好で、白熱するゲームプレイの最中でも耳周りが蒸れにくいのは嬉しい。疲れをほとんど感じることなく時間を忘れてコンテンツに没入できる。この「自由」こそが、本機がもたらしてくれる最大の価値かもしれない。

長時間使うとバッテリーの持続時間が気になるが、本機は最大50時間もの連続再生が可能。日常的な使い方であれば、数日は充電を気にせず使い続けられるのも有り難かった。

 

スマホ連携から高いメンテナンス性まで。長く安心して使える信頼の逸品

RS 275の利便性は、テレビ視聴だけに留まらない。ヘッドホンのHDR 275は、Auracast(LE Audio)だけでなくBluetooth 5.4に対応しており、スマートフォンやタブレットとペアリングして使うことも可能だ。aptX Adaptiveなどの高音質コーデックもサポートしているため、音楽を楽しむためのヘッドホンとしても、一級品の実力を備えている。

専用アプリ「Smart Control+」も便利だ。アプリを使えば、トランスミッター側のモードの変更や映像と音の同期の微調整、ヘッドホン側のEQの設定変更や聴こえの明瞭度調整などを手元で操作できる。ユーザーの好みに合わせて細かくカスタマイズできる余地が残されている点も、長く付き合う道具として信頼が置ける。

長く使う道具という点では、イヤーパッドやバッテリーの交換に対応している点も特筆しておきたい。お気に入りの道具をメンテナンスしながら使い続けたいと考える本質志向のユーザーにとって、こうした設計は大きな安心材料になる。

 

 日常のエンタメ体験をアップグレードする、最良のパートナー

ゼンハイザーRS 275を使って実感したのは、テレビを楽しむための基本性能を誠実に磨き上げた製品だということだ。

スマートなデザインと実直で没入感の高いサウンド、そして長時間の使用を苦にしない軽さ。それらがAuracastという最新技術によって、一つのシステムとして高い完成度で結実している。

深夜の映画、週末のスポーツ観戦、そして熱中するゲーム。自宅でのエンターテインメントを、周囲を気にせず、より上質なものにしたいと願うすべての人に。本機は、日々のリフレッシュタイムに確かな充足感をもたらしてくれる、最良のパートナーといえそうだ。


(企画協力:Sonova Consumer Hearing Japan)

 

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